直流回路60【電験3種 理論】直列・並列の電流から2抵抗の小さい方を求める!平成21年度 A問題6 完全解説

電験3種 理論科目 直列・並列合成抵抗 平成21年度 A問題6 直列と並列の電流がヒント!小さい抵抗は何Ω?

今回は平成21年度 理論科目 A問題6を解説します。値の異なる二つの抵抗R1・R2を直列にして30 Vで6 A、同じ二抵抗を並列にして30 Vで25 Aが流れたときの、R1・R2のうち小さい方の抵抗 [Ω]を求めます。

直列時の合成抵抗は30/6=5 Ωで、これはR1+R2です。並列時の合成抵抗は30/25=1.2 Ωで、R1R2/(R1+R2)に等しくなります。和5 Ωと積6 Ω2から二次方程式を作り、求めた抵抗を両回路へ戻して検算します。

目次

平成21年度 理論科目 A問題6:問題文と選択肢

電気技術者試験センター公表の平成21年度公式問題PDF(理論・問6、PDF 10ページ、冊子表示-7-、管理記号T1-R010)と公式解答PDFを照合して進めます。下の画像はサイト独自の科目見出しを加え、公式のページ番号と管理記号を省いた再構成ですが、問題文、電源極性、直列・並列接続、電流矢印、数値、五つの選択肢は公式内容と一致するため保持しています。

電験3種 理論科目 直流回路 平成21年度 A問題6 問題文
平成21年度 理論科目 A問題6 問題文

電験3種 理論科目 【直列・並列合成抵抗】 平成21年度 A問題6

 抵抗値が異なる抵抗R1〔Ω〕とR2〔Ω〕を図1のように直列に接続し、30〔V〕の直流電圧を加えたところ、回路に流れる電流は6〔A〕であった。次に、この抵抗R1〔Ω〕とR2〔Ω〕を図2のように並列に接続し、30〔V〕の直流電圧を加えたところ、回路に流れる電流は25〔A〕であった。このとき、抵抗R1〔Ω〕、R2〔Ω〕のうち小さい方の抵抗〔Ω〕の値として、正しいのは次のうちどれか。

(1)1 (2)1.2 (3)1.5 (4)2 (5)3〔Ω〕

図1 R₁・R₂の直列(30V・6A)/図2 R₁・R₂の並列(30V・25A)(問題図)
図1 R₁・R₂の直列(30V・6A)/図2 R₁・R₂の並列(30V・25A)(問題図)

出題のポイント:直列から「和」、並列から「積」が手に入る

同じ2つの抵抗を直列と並列に組み替えて測る——この設定を見たら、和と積が求まると考えてください。$$\text{直列}:R_1+R_2=\frac{V}{I_{\text{直列}}},\qquad \text{並列}:\frac{R_1R_2}{R_1+R_2}=\frac{V}{I_{\text{並列}}}$$並列の式に和を代入すればが出ます。和と積が分かれば、2つの値は二次方程式の解として求まります。

注意点は並列時の25 Aは分岐前の全電流だということ。片方の枝の電流ではありません。また、\(30/25=1.2\;\Omega\) は並列合成抵抗であって、どちらか一方の抵抗値ではありません——これがそのまま誤答(2)として用意されています。

30ボルト電源にR1とR2を直列接続して6アンペア流れる図1と、同じ二抵抗を並列接続して全電流25アンペア流れる図2から抵抗の和と積を求める出題のポイント図
図1の直列接続から抵抗の和、図2の並列接続から抵抗の積を求めます。25 Aは各枝ではなく分岐前の全電流です。

問題の解説:和と積から二次方程式を作る

使う公式:直列・並列合成と解と係数の関係
$$R_1+R_2=R_s,\qquad R_1R_2=R_p\,R_s$$$$x^2-(\text{和})x+(\text{積})=0\;\text{の2解が}\;R_1,R_2$$

和と積が分かれば二次方程式が作れる——中学数学の「解と係数の関係」がそのまま使えます。

STEP1 2つの測定値から合成抵抗を求める

$$R_s=\frac{30}{6}=5\;[\Omega]\;\Rightarrow\;R_1+R_2=5$$
❶ 直列(図1)
そのまま和になる
$$R_p=\frac{30}{25}=1.2\;[\Omega]$$
❷ 並列(図2)
合成抵抗であって片方の値ではない

STEP2 積を求める

並列合成の式に和を代入します。

$$1.2=\frac{R_1R_2}{R_1+R_2}=\frac{R_1R_2}{5}$$
❸ 和を代入
$$R_1R_2=1.2\times5=6\;[\Omega^2]$$
❹ 積
単位はΩ²
直列合成抵抗30割る6イコール5オーム、並列合成抵抗30割る25イコール1.2オームから、R1とR2の和5オームと積6オーム二乗を求め二次方程式を作るポイント解説図
直列合成5 Ωは二抵抗の和、並列合成1.2 Ωと和5 Ωから積6 Ω²が得られます。

STEP3 二次方程式を解く

$$x^2-5x+6=0\;\Rightarrow\;(x-2)(x-3)=0$$
❺ 因数分解
和5・積6
$$x=2,\;3\;[\Omega]\;\Rightarrow\;\text{小さい方は}\;2\;[\Omega]$$
❻ 解
どちらがR₁かは決まらない

検算:直列なら \(2+3=5\;\Omega\) で \(30/5=6\;\mathrm{A}\) ✓ 並列なら枝電流が \(30/2=15\;\mathrm{A}\) と \(30/3=10\;\mathrm{A}\) で合計25 A ✓ 電力も直列180 W、並列750 Wと問題条件に完全に整合します。

答え小さい方の抵抗 \(=2\;[\Omega]\)(もう一方は3 Ω) → 選択肢(4)
和5オームと積6オーム二乗から二次方程式を因数分解し、抵抗値の組を2オームと3オーム、小さい方を2オーム、正答4と求める問題の解説図
R₁・R₂の割当て順は決まりませんが、抵抗値の組は2 Ωと3 Ωで、小さい方は2 Ω、正答は(4)です。
2オームと3オームを直列接続したときの6アンペアと電圧・電力、並列接続したときの全電流25アンペア、枝電流15アンペアと10アンペア、合成抵抗と電力を検算する詳細解説図
直列では6 A・180 W、並列では枝電流15 A+10 A=25 A・750 Wとなり、電流・電圧・電力がすべて問題条件と一致します。

選択肢を回路に戻して検算する

和が5 Ωと分かっているので、各選択肢を「小さい方」としてもう一方を \(5-x\) で求め、積が6 Ω²になるかを確かめます。

選択肢小さい方 [Ω]もう一方 5−x [Ω]積 [Ω²]判定
(1)144.00×
(2)1.23.84.56×(1.2は並列合成抵抗
(3)1.53.55.25×
(4)236.00
(5)326.00×(積は合うが小さい方ではない

この表は2つの罠を同時に見せてくれます(2) 1.2 Ωは並列合成抵抗をそのまま答えたもの。(5) 3 Ωは積の条件は満たしますが「大きい方」——問題文が「小さい方」と聞いていることを見落とすと引っかかります。計算が合っていても最後の一文で失点する典型例なので、答案を出す前に必ず設問文を読み返してください。

和と積から2数を求める考え方

和と積が分かれば2つの数が決まる——これは解と係数の関係そのものです。2解が \(\alpha,\beta\) の二次方程式は$$x^2-(\alpha+\beta)x+\alpha\beta=0$$と書けるので、和をxの係数(符号反転)に、積を定数項に置けばよいわけです。

電験では「直列と並列の測定値から2抵抗を求める」という形で繰り返し登場します。直列が和、並列が「積÷和」——だから並列合成に和を掛ければ積が出る、という流れを覚えておけば応用が利きます。

なお本問ではどちらがR₁でどちらがR₂かは決まりません。問題文も「R₁とR₂のうち小さい方」と聞いており、割り当てを問うていません。対称な条件からは対称な答えしか出ない——数学的にも自然な結果です。

本番で使える時間短縮テクニック

⏱️ 本番での進め方
① 直列と並列の2つの測定値 → 和と積が手に入る → 二次方程式
② 並列合成抵抗は片方の抵抗値ではない(本問の1.2 Ωが誤答(2))
③ 積の単位はΩ²。和はΩ。単位が違うことを意識すると混同しない
④ 設問が「小さい方」か「大きい方」かを最後に必ず確認する(誤答(5)の罠)

直列・並列の組み替えの出題履歴

同じ考え方を使う直流回路の問題です。あわせて解くと解法が定着します。

年度記事問われ方
平成21年度 A問題6本問(直流回路60)直列・並列の電流から2抵抗の小さい方
令和4年度下期 A問題6直流回路22コンデンサの直列・並列回路の比較
令和6年度下期 A問題7直流回路9合成抵抗が1.8Rになる Rx
平成25年度 A問題5直流回路49並列回路から未知抵抗Rxの式
平成22年度 A問題5直流回路57消費電力から並列の未知抵抗R

💡 覚え方
直列=和、並列合成×和=積。和5・積6 から \(x^2-5x+6=0\) → 2 Ωと3 Ω。「小さい方」を聞かれていることを最後に確認

⚠️ よくある間違い
1.2 Ωは並列合成抵抗で、どちらかの抵抗値ではありません(誤答(2))。25 Aは分岐前の全電流です。積の条件は3 Ωでも満たすので、「小さい方」の指定を見落とさないこと(誤答(5))。

まとめ

直列合成R1+R2=5 Ω
並列合成Rp=1.2 Ω、R1R2=6 Ω2
2次式x2-5x+6=0
抵抗値の組{R1, R2}={2 Ω, 3 Ω}
並列枝電流15 A+10 A=25 A
正答小さい方2 Ω、(4)

▼あわせて解きたい関連問題
・直列・並列合成の関連問題:【理論】令和6年度下期A問題7

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