電験3種の合格率は、おおむね10〜20%の範囲で動いています。ただし「難易度が一定」なのではなく、年によってはっきり差があります。ここでは電気技術者試験センターが公表している実数だけを並べて、何を目標にすればいいのかを考えます。
令和3〜7年度の合格率

| 試験 | 受験者 | 合格者 | 合格率 | 科目合格者 |
| 令和3年度 | 37,765 | 4,357 | 11.5% | 12,278 |
| 令和4年度 上期 | 33,786 | 2,793 | 8.3% | 9,930 |
| 令和4年度 下期 | 28,785 | 4,514 | 15.7% | 8,269 |
| 令和5年度 上期 | 28,168 | 4,683 | 16.6% | 9,252 |
| 令和5年度 下期 | 24,567 | 5,211 | 21.2% | 8,761 |
| 令和6年度 上期 | 25,416 | 4,064 | 16.0% | 7,898 |
| 令和6年度 下期 | 24,547 | 4,117 | 16.8% | 7,635 |
| 令和7年度 上期 | 24,766 | 3,201 | 12.9% | 6,859 |
| 令和7年度 下期 | 24,176 | 3,164 | 13.1% | 6,680 |
いちばん低いのが令和4年度 上期 の 8.3%、いちばん高いのが令和5年度 下期 の 21.2%。同じ試験で2.5倍以上の開きがあります。
年2回化された令和4年度以降、合格率は令和5年度にかけて上昇し、そこから再び下がってきています。直近の令和7年度は上期12.9%・下期13.1%で、合わせて13.0%(受験者延べ48,942人・合格6,365人)でした。
⚠️ よくある間違い
「合格率が上がった年に受ければ有利」という読み方はできません。合格率は受験してみるまで分からず、しかも難化した年は合格基準点の調整で救われる仕組みがあります。狙って当てにいくものではなく、どの年でも6割を超える力をつけるほうが確実です。
合格率だけを見ると難易度を読み違えます
表の右端、科目合格者の列を見てください。どの回も合格者の1.5〜2倍以上います。令和7年度でいえば、合格6,365人に対して科目合格が13,539人。受験者48,942人のうち41%が何らかの科目に合格しています。
「合格率13%」は4科目を同時にそろえた人の割合であって、「受験者の87%が何も得られなかった」という意味ではありません。電験3種は3年かけて積み上げる試験なので、1年ごとの合格率はそもそも実力を測る指標として粗いのです。
この数字が示しているのは、科目合格制度を使うのが標準的な戦い方だということです。1回で4科目そろえた人だけを分子にした割合を見て「10%台の難関」と身構える必要はありません。
では、どのくらい勉強すれば届くのか
必要な勉強時間は前提知識で大きく変わるため、一般に言われる「1,000時間」のような数字を鵜呑みにしても意味がありません。代わりに、試験そのものから逆算できる事実を挙げます。
| 事実 | そこから言えること |
| 合格基準は60点(100点満点) | 4割は落としてよい。捨て分野を作る戦略が成立する |
| 1問あたりの想定解答時間は5〜10分以内 | 長考が必要な問題は出ない。解法を知っているかどうかで決まる |
| 4科目で合計335分 | 1日で全科目を受けると体力勝負。科目を分けるのは合理的 |
| 3年間・最大5回の受験機会 | 1回の試験に賭ける必要がない |
| 過去問からの出題も明記されている | 過去問演習が最も費用対効果の高い勉強になる |
最後の点は公式の問題作成方針にも「必要に応じ、過去の出題からの試験問題構成を行う」と書かれています。実際、当サイトで4科目1,584問を並べて突き合わせると、同じ問題がほぼそのまま再出題されている組が数十組見つかります。
💡 覚え方
過去問は「傾向をつかむ道具」ではなくそのまま出る可能性のある本番の問題です。何年分やるか、何周するかについては過去問は何年分を何周する?にまとめました。
科目ごとの難しさは種類が違う
| 科目 | 難しさの正体 | 対策の方向 |
| 理論 | 計算が重く、他3科目の土台になる | 最初に固める。ここが崩れると全部崩れる |
| 電力 | 範囲が広く暗記量が多い | 分野ごとに区切って回す |
| 機械 | 分野の幅が最も広く、捨て所の判断が要る | 頻出の4機(直流機・変圧器・誘導機・同期機)を優先 |
| 法規 | 条文暗記と計算が混在。時間が短い | 計算問題を先に固めて得点を安定させる |
科目別の具体的な攻略は、それぞれの記事にまとめています。
申し込んだ人の4人に1人は受験していない
合格率の話をするとき、ほとんど触れられない数字があります。申込者数と受験者数の差です。
| 試験 | 申込者 | 受験者 | 欠席者 | 欠席率 |
| 令和3年度 | 53,685 | 37,765 | 15,920 | 29.7% |
| 令和4年度 上期 | 45,695 | 33,786 | 11,909 | 26.1% |
| 令和4年度 下期 | 40,234 | 28,785 | 11,449 | 28.5% |
| 令和5年度 上期 | 36,978 | 28,168 | 8,810 | 23.8% |
| 令和5年度 下期 | 33,832 | 24,567 | 9,265 | 27.4% |
| 令和6年度 上期 | 32,683 | 25,416 | 7,267 | 22.2% |
| 令和6年度 下期 | 33,945 | 24,547 | 9,398 | 27.7% |
| 令和7年度 上期 | 32,337 | 24,766 | 7,571 | 23.4% |
| 令和7年度 下期 | 34,214 | 24,176 | 10,038 | 29.3% |
平均すると26.7%——申し込んだ4人に1人以上が、試験を受けずに終わっています。受験手数料7,700円を払ったうえで、です。
💡 ここから読み取れること
電験3種でいちばん多い脱落は「不合格」ではなく「受験しない」です。
準備が間に合わなかった、仕事が入った、受かる気がしなくなった——理由はさまざまでしょうが、試験会場にたどり着くだけで上位7割に入ります。
これは精神論ではなく、計画の立て方に直結します。4科目を完璧に仕上げてから受けようとすると、仕上がらないまま当日を迎えて欠席、という流れになりがちです。科目合格制度がある以上、仕上がった科目だけでも受けにいくほうが得です。
組み立て方は科目合格制度を使った合格プランにまとめました。
科目別の合格率は公表されていない
「機械の合格率は何%ですか」という質問をよく見かけますが、電気技術者試験センターが公表しているのは科目合格者の総数だけで、科目ごとの内訳は公表されていません。ネット上で見かける科目別合格率は、推計値か、出典のはっきりしない数字です。
したがって「機械は合格率が低いから後回し」といった判断は、根拠のある話ではありません。科目の難しさは合格率ではなく、自分にとっての分野の相性と出題の偏りで判断するほうが確実です。
当サイトでは4科目それぞれについて、24回分の出題を分野別に数えた実データを公開しています。
| 科目 | 問題数 | 分野数 | 上位分野の集中度 | 攻略記事 |
| 理論 | 432問 | 10分野 | 上位4分野で58% | 理論科目の攻略法 |
| 電力 | 408問 | 11分野 | 上位4分野で49% | 電力科目の攻略法 |
| 機械 | 432問 | 12分野 | 上位4分野で53% | 機械科目の攻略法 |
| 法規 | 312問 | 11分野 | 上位4分野で77% | 法規科目の攻略法 |
まとめ
・合格率は令和3〜7年度で8.3〜21.2%。年による差が大きい
・ただし科目合格者は合格者の1.5〜2倍いる。1年の合格率は指標として粗い
・合格基準は60点。4割落としてよい試験である
・難化した年は合格基準点が下がることがある(ただし当てにはできない)
・過去問からの出題が公式に明記されている
▶ 理論科目の全問題一覧/電力科目の全問題一覧/機械科目の全問題一覧/法規科目の全問題一覧
数値・制度の記述は一般財団法人 電気技術者試験センターの公表資料に拠ります(2026年8月時点)。制度は変わることがあるため、受験の際は必ず最新の受験案内をご確認ください。

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