電験3種のCBT方式と筆記方式はどちらを選ぶ?違いと選び方を整理する

電験3種のCBT方式と筆記方式はどちらを選ぶ?違いと選び方を整理する

電験3種は申込みのときにCBT方式か筆記方式かを選びます。どちらで受けても資格としての価値は同じで、出題範囲も合格基準も変わりません。違うのは「いつ・どこで・どうやって解くか」だけです。ただしこの違いが、人によっては得点に効きます。

目次

2つの方式の違い

CBT方式筆記方式
解答パソコンの画面上で選択肢を選ぶマークシートを塗る
試験日決められた期間内から自分で選ぶ指定された1日
会場全国のテストセンターから選ぶ指定された試験地
科目ごとの日時科目ごとに別日・別会場にできる同じ日にまとめて受験
問題への書き込み画面には書けない(メモ用紙が配られる)問題用紙に直接書ける
申込み申込み時に方式を選択申込み時に方式を選択

公式の案内では、第三種電気主任技術者試験について「試験会場、試験日時が選択・変更可能なCBT方式をお勧めします」と案内されています。

CBT方式が向いている人

科目を分けて受けたい人

これがCBT方式の最大の利点です。筆記方式は4科目を1日で受けるため、理論90分・電力90分・機械90分・法規65分を1日でこなすことになります。合計335分、休憩を含めれば朝から夕方までかかります。

CBT方式なら科目ごとに別の日を選べます。「今週は理論だけ、来週は法規だけ」という受け方ができるので、1科目に集中でき、体力的にもはるかに楽です。科目合格を積み上げる戦略とも噛み合います。

試験日を自分で決めたい人

仕事の繁忙期を避ける、勉強の仕上がりを見て日を決める、といった調整ができます。「あと2週間あれば機械が固まる」というとき、筆記方式では動かせませんがCBT方式なら動かせます。

近くに試験地がない人

筆記方式の試験地は都道府県ごとに限られますが、CBT方式はテストセンターから選べるため、移動時間や前泊の負担を減らせる場合があります。

筆記方式が向いている人

問題用紙に書き込みながら解きたい人

電験3種は図に書き込む問題が多い試験です。回路図に電流の向きを書き入れる、ベクトル図を描き足す、変圧器の結線に相を書き込む——こうした作業を問題用紙の上で直接やってきた人にとって、画面とメモ用紙が分かれるCBT方式は勝手が違います。

⚠️ よくある間違い
CBT方式でもメモ用紙は配られますが、図は自分で描き写す必要があります。回路図が複雑な問題では、書き写すだけで時間を取られることも。CBT方式を選ぶなら、普段の演習から「図を見ながら別紙で解く」練習をしておくと安全です。

見直しの動線が紙のほうが速い人

紙なら全問を一覧して飛ばした問題に戻るのが直感的です。CBTにも見直し機能はありますが、操作に慣れていないと本番で戸惑います。

どちらでも変わらないこと

項目内容
出題範囲同じ
問題数・試験時間同じ(理論90分/電力90分/機械90分/法規65分)
解答方式五肢択一
合格基準各科目100点満点中60点以上(難易度により調整あり)
科目別合格制度同じように適用される
電卓どちらも持ち込み。貸与はない
資格・免状まったく同じ

合格基準について公式の問題作成方針は「第三種電気主任技術者試験(筆記試験、CBT試験)は……各科目の合格基準点は100点満点中60点以上とする」と、両方式をまとめて記述しています。方式による有利不利は制度上ありません

電卓はどちらの方式でも自分で持っていく

CBT方式でもパソコンの電卓機能を使うのではなく、自分の電卓を持ち込みます。使える電卓には条件があり、関数電卓は使えません

使用できる:四則演算、開平計算(√)を行うための電卓を使用することができます
使用できない:数式が記憶できる電卓/関数電卓/印字機能を有する電卓

選び方は電験3種で使える電卓の選び方に詳しくまとめました。開平計算(√)が必要になるので、機能の確認は必須です。

迷ったらどう決めるか

科目合格を積み上げる前提ならCBT方式が扱いやすい——というのが結論です。
科目ごとに日を分けられる利点が大きく、1日で4科目を走り切る負担を避けられます。
ただし図の多い問題を画面越しに解く感覚は事前に慣らしておくこと。ここだけが実質的な差です。

当サイトの過去問記事は問題文の図も含めて掲載しているので、画面に問題を表示して、手元の紙で解くという練習にそのまま使えます。CBT方式を選ぶ方は、この形で演習しておくと本番の違和感がかなり減ります。

理論科目の全問題一覧電力科目の全問題一覧機械科目の全問題一覧法規科目の全問題一覧

科目を分けるなら、どう分けるか

CBT方式の利点は科目ごとに日を選べることですが、「バラバラにすればいい」というものでもありません。内容が近い科目を近い日に置くと、覚え直しの手間が減ります。

組み合わせ共通する道具置き方
理論 → 機械交流理論・ベクトル図・等価回路理論の直後に機械。間隔は1〜2週間
電力 → 法規需要率・電圧降下・力率改善などの施設管理計算電力の配電計算をやった記憶が残っているうちに法規
理論 → 電力計算の基礎つながりは弱いが順当
機械 → 法規つながりが薄いこの順番にする理由は特にない

2科目を1回の受験期間に入れる場合でも、同じ日に詰め込む必要はありません。週をまたいで2日に分けるのがCBT方式の使いどころです。

💡 覚え方
CBT試験期間は数週間あります。「1週目に理論、3週目に機械」といった置き方ができるので、1科目目の手応えを見てから2科目目の仕上げ方を変える、という調整もできます。

CBT方式に慣れておく練習法

CBT方式でいちばん違うのは、問題が画面にあって、計算は手元の紙でやることです。紙の試験なら図の横に直接書き込めますが、CBTではそれができません。

⏱️ 本番での進め方
1. 当サイトの過去問記事を画面に表示する
2. 問題文の画像を見ながら、手元の白紙に必要な図だけ描き写す
3. 白紙の上で計算する
4. 答えを決めてから記事をスクロールして解説を読む

この形で20問も解けば、「図を描き写す時間」がどのくらいかかるか体感できます。複雑な回路図なら1分近くかかることもあるので、その分を時間配分に織り込んでおくのが実戦的です。

⚠️ よくある間違い
描き写すときに全部を写そうとしないこと。必要なのは計算に使う値と接続だけです。外観や装飾は写す必要がありません。「何を写さなくていいか」の判断も練習のうちです。

どちらを選んでも、やることは変わらない

方式の違いは受け方の話であって、勉強の中身は変わりません。出題範囲も問題数も合格基準も同じである以上、方式選びに時間を使うより、1問でも多く解くほうが得点になります

迷ったらCBT方式で申し込んでおく、というのが無難な選択です。日程を選べるぶん、後から調整の余地が残ります。

過去問の使い方電卓の選び方

まとめ

・出題範囲・問題数・試験時間・合格基準はどちらも同じ
・CBT方式は科目ごとに日時と会場を選べる。公式も推奨している
・筆記方式は問題用紙に直接書き込める
・電卓はどちらも自分で持参。関数電卓は不可
・科目合格を積み上げるならCBT方式が噛み合う

この記事の出典

数値・制度の記述は一般財団法人 電気技術者試験センターの公表資料に拠ります(2026年8月時点)。制度は変わることがあるため、受験の際は必ず最新の受験案内をご確認ください。

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