法規は13問65分と最も短い試験です。問題数が少ないぶん1問の重みが大きく、1問落とすと約8点が飛びます。「暗記科目だから最後でいい」と後回しにすると痛い目に遭う科目です。
この記事では、当サイトが平成18年度〜令和7年度の24回分・法規科目312問すべてを分野別に分類した実データをもとに、どこから手をつけるべきかを整理します。
法規科目はどんな試験か
| 項目 | 内容 |
| 試験時間 | 65分 |
| 問題数 | 13問(A問題10問+B問題3問) |
| 1問あたり | 約5.0分 |
| 合格基準 | 100点満点中60点以上(難易度により調整あり) |
| 出題範囲 | 電気法規(保安に関するものに限る。)及び電気施設管理 |
公式の問題作成方針では、法規科目は重要社会インフラである電気工作物とその保安について、その計画・設計・建設・管理に必要な法令・技術基準等に関する知識とそれらに基づく的確な判断力を問う。とされています。
分野別の出題数——ここに偏りがある

| 分野 | 問題数 | 割合 |
| 電気設備技術基準の解釈 | 102問 | 32.7% |
| 電気設備の技術基準を定める省令 | 48問 | 15.4% |
| 施設管理計算 | 47問 | 15.1% |
| 電気事業法及び施行規則 | 42問 | 13.5% |
| 技術基準の計算 | 26問 | 8.3% |
| 施設管理知識 | 21問 | 6.7% |
| 電気関係報告規則 | 10問 | 3.2% |
| 風力設備技術基準 | 6問 | 1.9% |
| 電気工事士法 | 5問 | 1.6% |
| 電気工事業法 | 3問 | 1.0% |
| 電気用品安全法 | 2問 | 0.6% |
| 合計 | 312問 | 100% |
上位4分野で239問/312問=77%。
電気設備技術基準の解釈だけで全体の3分の1。省令と合わせると約48%が技術基準まわりです。一方で施設管理計算+技術基準の計算=73問(約23%)が計算問題で、ここがB問題3問の中心になります。
この順番で手をつける
1. 施設管理計算(47問・15.1%)
47問。需要率・不等率・負荷率、電力量と最大電力、力率改善、B種接地抵抗。電力の配電計算と同じ道具なので、電力をやった直後にやると一気に進む。
2. 電気設備技術基準の解釈(102問・32.7%)
最多の102問。離隔距離・絶縁耐力・接地工事の種類。条文をすべて覚えるのは不可能なので、過去問に出た条文だけを潰す。
3. 電気設備の技術基準を定める省令(48問・15.4%)
48問。解釈の親法令にあたる。解釈とセットで読むと定着する。
4. 電気事業法及び施行規則(42問・13.5%)
42問。保安規程・主任技術者の選任・工事計画の届出。誰が・何を・いつまでに、を表にして覚える。
残りの分野は、この4〜5分野が固まってから広げれば十分です。60点で合格できる試験なので、薄い分野を完璧にするより、厚い分野を落とさないほうが得点に直結します。
つまずきやすいところ
条文が覚えられない
全部を覚える必要はありません。当サイトで24回分を数えると、同じ条文が繰り返し問われています。過去問に出た条文だけを対象にすれば、量は現実的な範囲に収まります。
計算問題を落とす
B問題3問はほぼ計算です。しかも6%の直列リアクトル、変流器、B種接地抵抗のように同じテーマが3回以上繰り返し出ているものがあります。計算を先に固めると得点が安定します。
時間が足りない
65分13問は1問5分。B問題の計算に時間を残すため、A問題10問を35分程度で抜けるのが目安です。
本番の時間配分
⏱️ 本番での進め方
A問題10問を1問3分半で35分、B問題3問に25分、見直しに5分。A問題の条文問題で悩むと計算に届かないので、知らない条文はその場で決め打ちして進むこと。
法規科目は65分で13問。1問あたり約5.0分です。公式の問題作成方針でも「1問あたり概ね5分から10分程度以内」で解ける設計だと明記されています。詰まった問題は必ず飛ばす——これだけで数点変わります。
捨ててよい分野の考え方
電気工事士法・電気工事業法・電気用品安全法は合わせて10問(3.2%)、風力設備技術基準は6問(1.9%)。余裕があれば、程度で構いません。
⚠️ よくある間違い
「捨てる」は手をつけないではなく後回しにするという意味です。本番で出たら消去法で拾いにいけるよう、用語だけは眺めておくと期待値が上がります。
再出題が多いことを利用する
当サイトで法規科目312問を突き合わせたところ、58問(19%)に過去の類題・同一問題がありました。公式の問題作成方針にも「必要に応じ、過去の出題からの試験問題構成を行う」と書かれています。
つまり過去問は傾向をつかむ道具ではなく、そのまま本番に出る可能性のある問題です。回し方は過去問は何年分を何周する?にまとめました。
法規でよく使う式
この科目の計算問題は、次の式でほぼ足ります。分野を横断して繰り返し使うものだけを挙げました。
| 用途 | 式 |
| B種接地抵抗 | \( R \leq \dfrac{150\,/\,300\,/\,600}{I} \) |
| 需要率 | 最大需要電力 ÷ 設備容量 |
| 不等率 | 個々の最大需要電力の和 ÷ 合成最大需要電力 |
| 負荷率 | 平均需要電力 ÷ 最大需要電力 |
| 力率改善 | \( Q_C = P(\tan\theta_1 – \tan\theta_2) \) |
| 電圧降下 | \( v = \sqrt{3}\,I(R\cos\theta + X\sin\theta) \) |
| %インピーダンスからの短絡電流 | \( I_s = I_n \times \dfrac{100}{\%Z} \) |
| 1線地絡電流(対地静電容量) | \( I_g = 2\sqrt{3}\,\pi f V (C_1 + C_2) \) |
| 電力量と平均電力 | 電力量 ÷ 時間 |
| 支線の張力 | 水平分力 ÷ \(\sin\theta\) |
法規の計算は電力の配電計算とほぼ同じ道具です。電力を先にやっておくと、法規の計算は「条文の条件を読み取るだけ」の作業になります。
💡 覚え方
式を覚えるときは、単位で検算する癖をつけると取り違えが減ります。たとえば水力の \(P = 9.8QH\eta\) は[m³/s]×[m] に 9.8[m/s²] を掛けて [kW] になる、と単位で追えば係数の位置を間違えません。
本番で「捨てる」判断のしかた
60点で合格できる試験なので、解けない問題を抱え込まないことが得点につながります。判断は次の順でします。
⏱️ 本番での進め方
1. 問題文を読んで30秒で方針が立つか判断する
2. 立たなければ印を付けて飛ばす(考え込まない)
3. 全問に目を通し終えてから、飛ばした問題に戻る
4. 戻っても方針が立たない問題は、消去法で選択肢を2つに絞って決め打つ
5. 空欄では出さない(五肢択一なので期待値がある)
五肢択一なので、まったく分からなくても20%の期待値があります。選択肢を2つに絞れれば50%です。捨てる=空欄にする、ではありません。
⚠️ よくある間違い
いちばん多い失点が時間切れで最後の数問を読めなかったというものです。
前半の難問に10分使うと、後半の解けるはずの問題が2問消えます。難問を1問取るより、易しい問題を2問確実に取るほうが点になります。
まとめ
・法規科目は65分13問。1問あたり約5.0分
・上位4分野で全体の77%を占める
・その4分野を固めれば合格基準の60点が見えてくる
・312問中58問に類題・同一問題がある
・詰まった問題は飛ばす。60点で合格できる試験である

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