電験3種【機械】の攻略法|過去24回1,584問を分野別に数えて分かった優先順位

電験3種【機械】の攻略法|過去24回1,584問を分野別に数えて分かった優先順位

機械は分野の幅がいちばん広い科目で、「最難関」と言われます。ただし出題数を数えると、実は極端に偏っています。この偏りを知っているかどうかで、勉強量がまったく変わります。

この記事では、当サイトが平成18年度〜令和7年度の24回分・機械科目432問すべてを分野別に分類した実データをもとに、どこから手をつけるべきかを整理します。

目次

機械科目はどんな試験か

項目内容
試験時間90分
問題数18問(A問題14問+B問題4問(うち2問選択))
1問あたり約5.0分
合格基準100点満点中60点以上(難易度により調整あり)
出題範囲電気機器、パワーエレクトロニクス、電動機応用、照明、電熱、電気化学、電気加工、自動制御、メカトロニクス並びに電力システムに関する情報伝送及び処理

公式の問題作成方針では、機械科目は電気エネルギーの利用、電気機器、通信や情報処理等に関する広範な技術的知識とその応用力を問う。とされています。

分野別の出題数——ここに偏りがある

機械科目 分野別の出題数(24回分・432問を分類)
機械科目 分野別の出題数(24回分・432問を分類)
分野問題数割合
誘導機65問15.0%
同期機56問13.0%
パワエレ54問12.5%
直流機52問12.0%
変圧器51問11.8%
情報46問10.6%
自動制御27問6.2%
電動機応用23問5.3%
電気加熱23問5.3%
照明19問4.4%
電気化学10問2.3%
保護機器6問1.4%
合計432問100%

上位5分野で278問/432問=64%
いわゆる四機(誘導機・同期機・直流機・変圧器)だけで224問、全体の約52%。パワエレを加えると約64%に達します。機械が難しいのは範囲が広いからではなく、広さに惑わされて四機が手薄になるからです。

この順番で手をつける

1. 誘導機(65問・15.0%)

最多の65問。すべり s を軸に、等価回路・トルク・比例推移。s の定義さえ外さなければ大半は解ける。

誘導機の頻出公式と論点まとめ

2. 同期機(56問・13.0%)

56問。同期速度 Ns=120f/p、短絡比、ベクトル図、V曲線。誘導機と対で覚えると整理しやすい。

同期機の頻出公式と論点まとめ

3. 直流機(52問・12.0%)

52問。分巻・直巻・複巻の違いと、誘導起電力・トルクの式。四機のなかで最も型が決まっている。

直流機の頻出公式と論点まとめ

4. 変圧器(51問・11.8%)

51問。等価回路・電圧変動率・効率・並行運転・三相結線。理論の交流がそのまま効く。

変圧器の頻出公式と論点まとめ

5. パワエレ(54問・12.5%)

54問。整流回路・チョッパ・インバータ。波形を読む問題が多く、「どの区間でどの素子が導通するか」を追えれば解ける。

パワエレの頻出公式と論点まとめ

残りの分野は、この4〜5分野が固まってから広げれば十分です。60点で合格できる試験なので、薄い分野を完璧にするより、厚い分野を落とさないほうが得点に直結します。

つまずきやすいところ

四機の式が混ざる

覚える順番を固定します。直流機→変圧器→誘導機→同期機。直流機で「起電力とトルク」の考え方を作り、変圧器で「等価回路」を作り、その2つを組み合わせたものが誘導機・同期機です。

パワエレの波形が読めない

素子を「スイッチ」として見ます。各区間で導通している素子だけを残して回路を描き直すと、ただの直流回路や交流回路になります。

情報・自動制御まで手が回らない

情報46問・自動制御27問で合わせて約17%。B問題の選択問題として出ることが多いので、選択しないという判断もできます。ただし自動制御のブロック線図は型が決まっていて得点しやすい。

本番の時間配分

⏱️ 本番での進め方
A問題14問を1問4分で56分、B問題4問(うち2問選択)に30分。B問題は選択できるので、最初に4問すべてに目を通して解けるほうを選ぶこと。この判断に2分使っても十分に元が取れます。

機械科目は90分で18問。1問あたり約5.0分です。公式の問題作成方針でも「1問あたり概ね5分から10分程度以内」で解ける設計だと明記されています。詰まった問題は必ず飛ばす——これだけで数点変わります。

捨ててよい分野の考え方

電気化学(10問・2.3%)と保護機器(6問・1.4%)は合わせて4%未満。ここに時間を使うくらいなら、四機の演習を1問でも多く回すほうが確実です。

⚠️ よくある間違い
「捨てる」は手をつけないではなく後回しにするという意味です。本番で出たら消去法で拾いにいけるよう、用語だけは眺めておくと期待値が上がります。

再出題が多いことを利用する

当サイトで機械科目432問を突き合わせたところ、113問(26%)に過去の類題・同一問題がありました。公式の問題作成方針にも「必要に応じ、過去の出題からの試験問題構成を行う」と書かれています。

つまり過去問は傾向をつかむ道具ではなく、そのまま本番に出る可能性のある問題です。回し方は過去問は何年分を何周する?にまとめました。

機械でよく使う式

この科目の計算問題は、次の式でほぼ足ります。分野を横断して繰り返し使うものだけを挙げました。

用途
直流機の起電力\( E = \dfrac{pZ}{60a}\Phi n \)
直流機のトルク\( T = \dfrac{pZ}{2\pi a}\Phi I \)
変圧器の巻数比\( a = \dfrac{N_1}{N_2} = \dfrac{V_1}{V_2} = \dfrac{I_2}{I_1} \)
電圧変動率\( \varepsilon = p\cos\theta + q\sin\theta \)
同期速度\( N_s = \dfrac{120f}{p} \)
すべり\( s = \dfrac{N_s – N}{N_s} \)
誘導機の電力比二次入力 : 二次銅損 : 機械的出力 = \( 1 : s : 1-s \)
短絡比\( K_s = \dfrac{I_s}{I_n} = \dfrac{100}{\%Z_s} \)
単相全波整流の平均電圧\( E_d = \dfrac{2\sqrt{2}}{\pi}E \approx 0.9E \)
トルクと出力\( T = 9.55\dfrac{P}{N} \) [N·m]
点光源の照度\( E = \dfrac{I}{r^{2}} \)
加熱の熱量\( Q = mc\Delta\theta \)

四機の式は、直流機の「起電力とトルク」を出発点にすると系統立てて覚えられます。変圧器で等価回路を、誘導機・同期機でその応用を——という順です。

💡 覚え方
式を覚えるときは、単位で検算する癖をつけると取り違えが減ります。たとえば水力の \(P = 9.8QH\eta\) は[m³/s]×[m] に 9.8[m/s²] を掛けて [kW] になる、と単位で追えば係数の位置を間違えません。

本番で「捨てる」判断のしかた

60点で合格できる試験なので、解けない問題を抱え込まないことが得点につながります。判断は次の順でします。

⏱️ 本番での進め方
1. 問題文を読んで30秒で方針が立つか判断する
2. 立たなければ印を付けて飛ばす(考え込まない)
3. 全問に目を通し終えてから、飛ばした問題に戻る
4. 戻っても方針が立たない問題は、消去法で選択肢を2つに絞って決め打つ
5. 空欄では出さない(五肢択一なので期待値がある)

五肢択一なので、まったく分からなくても20%の期待値があります。選択肢を2つに絞れれば50%です。捨てる=空欄にする、ではありません

⚠️ よくある間違い
いちばん多い失点が時間切れで最後の数問を読めなかったというものです。
前半の難問に10分使うと、後半の解けるはずの問題が2問消えます。難問を1問取るより、易しい問題を2問確実に取るほうが点になります。

まとめ

・機械科目は90分18問。1問あたり約5.0分
・上位5分野で全体の64%を占める
・その5分野を固めれば合格基準の60点が見えてくる
・432問中113問に類題・同一問題がある
・詰まった問題は飛ばす。60点で合格できる試験である

機械科目の全432問を分野別に見る

理論科目の攻略電力科目の攻略/機械科目の攻略/法規科目の攻略

科目合格制度を使った合格プランの立て方

この記事の数字について

分野別の問題数は、当サイトが平成18年度〜令和7年度の24回分・全1,584問を分野別に分類して数えたものです。試験時間・問題数・合格基準は問題作成方針、制度は試験概要(いずれも一般財団法人 電気技術者試験センター)に拠ります。

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