電気化学の頻出公式と論点まとめ【電験3種 機械】過去問10問 論点別インデックス

電験3種 機械科目 電気化学の頻出まとめ

電験3種(第三種電気主任技術者試験)機械科目の電気化学は、ファラデーの法則の計算と各種電池の穴埋めが中心です。出題数は多くありませんが、暗記中心で短時間で仕上がるため、直前期の得点上積みに向いた分野です。

このページは、当ブログの電気化学解説(全10問)を論点別に並べたインデックスです。まず下の基本ポイントを押さえ、論点ごとに過去問を解き進めてください。

目次

まず覚える:電気化学の基本式・基本知識

① ファラデーの法則 析出量 \( m=\dfrac{M}{zF}\,It \)(F≒96 500 C/mol)
② 電池の原則 放電時:負極=酸化(電子を放出)/正極=還元
③ 二次電池の代表 鉛蓄電池・リチウムイオン電池・NAS電池・ニッケル水素電池
④ 燃料電池 水素と酸素から水を生成しながら直流を発電

要点解説①:ファラデーの法則は3ステップで解く

ファラデーの法則

析出量 \( m = \dfrac{M}{zF}\,It \) [g]

\(M\)=原子量(モル質量)、\(z\)=イオンの価数(やり取りする電子数)、\(F \approx 96\,500\) C/mol(\(\approx 26.8\) A·h)

⏱️ 本番での進め方
① 電気量を出す:\( Q = It \)(時間はに直す)
② 物質量を出す:\( n = \dfrac{Q}{zF} \) [mol]
③ 質量にする:\( m = n \times M \) [g]

例:硫酸銅溶液(銅は \(M=63.5\)、\(z=2\))に10Aを1時間流すと、\( Q = 36\,000 \) C、\( n = 36\,000/(2 \times 96\,500) \approx 0.187 \) mol、\( m \approx 11.8 \) g。この3行がそのまま出題の型です。

題材は銅・銀・アルミなどに変わりますが、式は同じです。変わるのは \(M\) と \(z\) の2つだけ——問題文からこの2つを正しく拾えれば、あとは電卓の仕事です。

⚠️ よくある間違い
時間の単位ミスが最多です。1時間=3,600秒。A·hで与えられたら 1 A·h=3,600 C。また \(z\) は「価数」——銅(Ⅱ)イオンなら2、銀イオンなら1です。

要点解説②:電池は「放電時の負極=酸化」を軸に整理する

放電時は負極で酸化(電子を放出)、正極で還元。充電はその逆です。この軸を固定してから各電池の特徴を載せていきます。

電池公称電圧/セル覚えるポイント
鉛蓄電池2V電解液は希硫酸。放電すると両極とも硫酸鉛になり、電解液の比重が低下する
リチウムイオン電池約3.7V負極に炭素系材料、電解液は有機溶媒(水溶液ではない)。エネルギー密度が高い
ニッケル水素電池1.2V負極に水素吸蔵合金
NAS電池ナトリウムと硫黄。約300℃で動作し、大容量の電力貯蔵向き

⚠️ よくある間違い
電気分解では「陽極で酸化」です。電池の放電(負極=酸化)と電気分解(陽極=酸化)で「酸化が起こる極の名前」が変わる——ここを突く選択肢が繰り返し出ています。

要点解説③:燃料電池は動作温度で4形式を並べる

形式動作温度の目安特徴
固体高分子形(PEFC)約80℃低温で起動が速い。家庭用に使われる
りん酸形(PAFC)約200℃実用化が早かった形式
溶融炭酸塩形(MCFC)約650℃高温形。排熱利用に向く
固体酸化物形(SOFC)約700〜1,000℃最も高温。発電効率が高い

どの形式でも共通なのは、燃料極(負極)で水素が酸化され、空気極(正極)で酸素が還元され、生成物は水、出力は直流ということ。形式ごとの違い(温度・用途)と、この共通部分を分けて覚えるのがコツです。

▶ 機械科目全体の優先順位は機械科目の攻略法へ。

学習の進め方——計算1グループ+知識2グループに分けて進めます

⏱️ 本番での進め方
1. ファラデーの法則の3ステップを、例題の数字で一度手を動かす
2. 電気分解・めっきの計算問題(インデックス上段)を解く
3. 電池・燃料電池の知識問題を「負極=酸化」の軸で解く
4. 一問一答で言葉の取り違えがないか確認する

10問の内訳は、ファラデーの法則の計算が約半分、残りが電池・燃料電池の知識問題です。計算は式が1本しかないので、単位(秒とA·h)さえ間違えなければ安定します。知識問題は暗記の負担が軽い割に再出題が多く、燃料電池の4形式と動作温度は同じ表が繰り返し問われています。

確認テスト——ここまでの要点を一問一答で

過去問に入る前のチェックに使ってください。右の答えが即答できれば、この分野の土台はできています。詰まった行は、上の要点解説に戻ってから下のインデックスの該当問題へ。

問い答え
ファラデー定数はいくつ?96,500 C/mol(≒26.8 A·h)
析出量の式は?\( m = \dfrac{M}{zF}\,It \)
放電時の負極で起こるのは?酸化(電子を放出)
電気分解で酸化が起こる極は?陽極(電池の放電とは呼び方が変わる)
鉛蓄電池のセル電圧と電解液は?2V・希硫酸。放電すると比重が低下
リチウムイオン電池の電解液は?有機溶媒(水溶液ではない)
NAS電池の動作温度は?300℃。大容量の電力貯蔵向き
家庭用の燃料電池の形式は?固体高分子形(PEFC)・約80℃
燃料電池の出力は交流?直流?直流(インバータで交流にする)
燃料電池の生成物は?(水素の酸化+酸素の還元)

全問即答できたら、下のインデックスから過去問に進んでください。本番では、この表の語がそのまま空欄や誤り選択肢になって出てきます。

論点別・問題インデックス(全10問)

各リンクは過去問1問ごとの完全解説です。

電気分解・電気めっき

電池の基礎

二次電池

燃料電池

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