今回は平成26年度 法規科目 A問題6、低圧の電路の絶縁抵抗値の空欄補充問題です。令和6年度上期 A問題8でそのまま再出題された、実務でも毎年使う最重要の数値表です。
表はこれだけ。300V以下で対地電圧150V以下=0.1MΩ/300V以下のその他=0.2MΩ/300V超=0.4MΩ。区切る単位は開閉器又は過電流遮断器で区切ることのできる電路ごとです。
平成26年度 法規科目 A問題6:問題文と選択肢
まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「平成26年度 第三種電気主任技術者試験」法規科目 A問題6
電験3種 法規科目 【電技省令】 平成26年度 A問題6
次の文章は、「電気設備技術基準」における低圧の電路の絶縁性能に関する記述である。
電気使用場所における使用電圧が低圧の電路の電線相互間及び(ア)と大地との間の絶縁抵抗は、開閉器又は(イ)で区切ることのできる電路ごとに、次の表の左欄に掲げる電路の使用電圧の区分に応じ、それぞれ同表の右欄に掲げる値以上でなければならない。
【(ウ)V以下】(エ)(接地式電路においては電線と大地との間の電圧、非接地式電路においては電線間の電圧をいう。以下同じ。)が150V以下の場合…0.1MΩ/その他の場合…0.2MΩ
【(ウ)Vを超えるもの】…(オ)MΩ
上記の記述中の空白箇所(ア)〜(オ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
(ア) (イ) (ウ) (エ) (オ) (1) 電線 配線用遮断器 400 公称電圧 0.3 (2) 電路 過電流遮断器 300 対地電圧 0.4 (3) 電線路 漏電遮断器 400 公称電圧 0.3 (4) 電線 過電流遮断器 300 最大使用電圧 0.4 (5) 電路 配線用遮断器 400 対地電圧 0.4

答えは(2):電路・過電流遮断器・300V・対地電圧・0.4MΩ
0.1/0.2/0.4という並びを覚えるだけの問題です——0.3MΩという値は存在しません。
この記事では、メガーの原理と測定の実務に踏み込みます。
数値表そのものは、令和6年度上期の記事で扱っています。
★絶縁抵抗計(メガー)の原理
| 内容 | |
| ★加える電圧 | ★★直流(250V/500V/1000V) |
| ★測るもの | ★★流れた微小電流から抵抗を算出 |
| ★表示 | ★★MΩ(メガオーム)単位 |
直流を使うのは、静電容量の影響を避けるためです——交流だと充電電流が流れて正しく測れません。
それでも測定直後は充電電流が流れます——指針が落ち着くまで待つのが実務です。
★測定電圧の選び方
| 電路 | 測定電圧 | 理由 |
| ★100V・200V | ★★直流250V | ★★使用電圧より少し高い程度 |
| ★400V | ★★直流500V | ★★同上 |
| ★高圧機器 | ★★直流1000V | ★★絶縁が厚いので高い電圧で測る |
測定電圧が高すぎると、機器を傷めることがあります——電路の電圧に合わせて選ぶのが基本です。
逆に低すぎると、微小な絶縁不良を見つけられません——適切な選択が要るのです。
★測定時に注意すること
| 注意点 | 理由 |
| ★電子機器を切り離す | ★★測定電圧で内部の素子が壊れる |
| ★避雷器を外す | ★★避雷器を通って電流が流れ、低い値が出る |
| ★確実に停電させる | ★★活線で測ると測定器が壊れ、危険 |
インバータやパソコンがつながったまま測ると、壊れることがあります——ブレーカーを切って切り離すのが原則です。
避雷器が入っていると、値が低く出て誤判定します——設備の構成を把握してから測ることが大切です。
絶縁抵抗と漏えい電流の関係
電圧÷絶縁抵抗
★
★解釈14条の値と一致
0.1MΩという基準は、漏えい電流1mAに対応しています——だから代替判定が1mAなのです。
数字に理由があると分かれば、両方まとめて覚えられます。
絶縁抵抗が無限大にならない理由
どんなに良い絶縁物でも、わずかな電流は流れます——完全な絶縁体は存在しません。
また、電線と大地の間には静電容量もあります——直流でも初めは充電電流が流れるのです。
だから測定値には必ず有限の値が出ます——それが基準以上なら健全と判断します。
400V級の設備
| 内容 | |
| ★使われる場所 | ★★大きな工場・ビルの動力設備 |
| ★電圧 | ★★三相400V(対地電圧230V) |
| ★絶縁抵抗 | ★★0.4MΩ以上 |
400V級は電流が小さくて済むので、大容量の設備に向いています——200Vの半分の電流で同じ電力を送れます。
そのぶん絶縁の要求も厳しくなります——0.4MΩという値の背景です。
再出題で正解番号が変わる
| 条文の言葉 | ダミー語 | 違い | |
| 過電流遮断器 | ★★過電流遮断器 | ★配線用遮断器 | ★★配線用遮断器は一種にすぎない |
| 対地電圧 | ★★対地電圧 | ★公称電圧・最大使用電圧 | ★★接地方式で定義が変わる |
| 0.4MΩ | ★★0.4MΩ | ★0.3MΩ | ★★0.3という値は存在しない |
平成26年度は(2)、令和6年度上期は(3)です——選択肢の並びが違うだけです。
番号ではなく、0.1/0.2/0.4という値で覚えましょう。
測定値の読み方
| 測定値 | 判断 |
| ★基準値を大きく上回る | ★★健全 |
| ★基準値ぎりぎり | ★★経過を観察し、原因を調べる |
| ★基準値を下回る | ★★改修するか使用を中止する |
1回の値より、前年からの変化を見るのが実務です——急に下がっていれば、何かが起きています。
だから記録を残して比べます——保安規程の「記録」がここで生きるのです。
絶縁抵抗が低いときの対処
まず、回路を細かく切り分けて原因箇所を絞ります——ブレーカーを1つずつ切って測るのです。
機器が原因なら、その機器を切り離して確かめます——電路か機器かを見分けることが第一歩です。
湿気が原因なら、乾燥させて再測定すると回復することもあります。
なぜ電路ごとに区切るのか
電路が長いほど、漏れる箇所が増えて値が下がります——まとめて測ると基準を満たせません。
また、どこが悪いかも分かりません——区切って測れば原因箇所を特定できるのです。
分電盤のブレーカーごとに測る実務は、この条文から来ています。
低圧の絶縁は毎年測る
自家用電気工作物では、年次点検で必ず測定します——保安規程の巡視・点検・検査の一環です。
だからこの数値は、実務で最もよく使う法令の数字になります——試験のためだけの暗記ではありません。
0.1/0.2/0.4を体に入れておきましょう。
絶縁抵抗は、電気設備の健康診断にあたります——数値で状態を把握できる数少ない指標です。
だから法令も具体的な値を定めているのです。
⏱️ 本番での進め方
① (ア)(イ)は「電路」「過電流遮断器」。
② (ウ)は300V、(エ)は対地電圧。
③ (オ)は0.4MΩ——0.3MΩという値は存在しない。
④ 正解番号は年度で変わる。値で覚える。
出題履歴——10年をおいて再出題
| 年度 | 問われ方 | 正解番号 |
| ★平成26年度 問6 | ★★本問 | ★★(2) |
| ★令和6年度上期 問8 | ★★同一内容 | ★★(3) |
令和6年度上期 A問題8では、数値表と対地電圧の考え方を中心に解説しています。本記事はメガーの原理と測定の実務に寄せました。
令和7年度下期 A問題5は22条(電線路)の問題です。電線路と電路の違いを押さえましょう。
💡 覚え方
低圧の絶縁抵抗(電技58条)=300V以下・対地電圧150V以下→0.1MΩ/300V以下のその他→0.2MΩ/300V超→0.4MΩ。区切る単位は開閉器又は過電流遮断器で区切ることのできる電路ごと。測定は直流250V/500V/1000Vのメガーで行う。
⚠️ よくある間違い
「配線用遮断器」ではなく過電流遮断器。境目は400Vではなく300V。0.3MΩという値は存在しない。
まとめ
| (ア) | 電路 |
| (イ) | 過電流遮断器 |
| (ウ) | 300(V) |
| (エ) | 対地電圧 |
| (オ) | 0.4(MΩ) |
| 答え | (2) |
▼あわせて解きたい関連問題
・同一問題(電技省令9):【法規】令和6年度上期 A問題8
・低圧電線路の絶縁性能(電技省令4):【法規】令和7年度上期 A問題3

コメント