電技省令33【電験3種 法規】電気さくは原則禁止・危険表示・30V以上は15mA0.1秒!令和5年度下期で再出題 平成28年度 A問題9 完全解説

電験3種 法規科目 電技省令 平成28年度 A問題9 電気さくの条文が再出題!例外の数字を固める

今回は平成28年度 法規科目 A問題9電気さくの空欄補充問題です。令和5年度下期 A問題8でそのまま再出題されました。裸電線にわざと充電する特殊な設備なので、条文は原則禁止という強い書き方です。

数字は2つ。電源装置が使用電圧30V以上の電源から供給を受け、人が容易に立ち入る場所に施設するときは、電流動作型・定格感度電流15mA以下・動作時間0.1秒以下の漏電遮断器が必要です。

目次

平成28年度 法規科目 A問題9:問題文と選択肢

まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

電験3種 法規科目 配電 平成28年度 A問題9 問題文
平成28年度 法規科目 A問題9 問題文

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「平成28年度 第三種電気主任技術者試験」法規科目 A問題9

電験3種 法規科目 【電技省令】 平成28年度 A問題9

 次の文章は、「電気設備技術基準」における電気さくの施設の禁止に関する記述である。

 電気さく(屋外において裸電線を固定して施設したさくであって、その裸電線に充電して使用するものをいう。)は、施設してはならない。ただし、田畑、牧場、その他これに類する場所において野獣の侵入又は家畜の脱出を防止するために施設する場合であって、絶縁性がないことを考慮し、(ア)のおそれがないように施設するときは、この限りでない。

 次の文章は、「電気設備技術基準の解釈」における電気さくの施設に関する記述である。電気さくは、次のa)〜f)に適合するものを除き施設しないこと。

 a) 田畑、牧場、その他これに類する場所において野獣の侵入又は家畜の脱出を防止するために施設するものであること。

 b) 電気さくを施設した場所には、人が見やすいように適当な間隔で(イ)である旨の表示をすること。

 c) 電気さくは、電気用品安全法の適用を受ける電気さく用電源装置等から電気の供給を受けるものであること。

 d) 電気さく用電源装置(直流電源装置を介して電気の供給を受けるものにあっては、直流電源装置)が使用電圧(ウ)V以上の電源から電気の供給を受けるものである場合において、人が容易に立ち入る場所に電気さくを施設するときは、当該電気さくに電気を供給する電路には、電流動作型であって定格感度電流が(エ)mA以下、動作時間が0.1秒以下の漏電遮断器を施設すること。

 e) 電気さくに電気を供給する電路には、容易に開閉できる箇所に専用の開閉器を施設すること。

 f) 電気さく用電源装置のうち、衝撃電流を繰り返して発生するものは、無線設備の機能に継続的かつ重大な障害を与えるおそれがある場所には、施設しないこと。

 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

(ア)(イ)(ウ)(エ)
(1)感電又は火災危険10015
(2)感電又は火災電気さく3010
(3)損壊電気さく10015
(4)感電又は火災危険3015
(5)損壊電気さく10010
答え(ア)感電又は火災・(イ)危険・(ウ)30・(エ)15 = (4)

答えは(4):感電又は火災・危険・30V・15mA

電気設備に関する技術基準を定める省令 第74条/解釈 第192条

電気さく(屋外において裸電線を固定して施設したさくであって、その裸電線に充電して使用するものをいう。)は、施設してはならない。ただし、田畑、牧場、その他これに類する場所において野獣の侵入又は家畜の脱出を防止するために施設する場合であって、絶縁性がないことを考慮し、感電又は火災のおそれがないように施設するときは、この限りでない。

★裸電線にわざと充電する設備——だから条文は「原則禁止」という強い書き方です。

(ア)は「感電又は火災」・(イ)は「危険」である旨の表示です。

(ウ)は「30」V・(エ)は「15」mA——数字は2つだけです。

この記事では、なぜ原則禁止なのかという条文の構造に踏み込みます

★「施設してはならない」という書き方

条文の型
★〜しなければならない★★絶縁(5条)・接地(10条)
★〜のおそれがないように施設する★★多くの施設規定
★施設してはならない★★電気さく(74条)・特別高圧の移動電線

「施設してはならない」は、最も強い禁止の形です——原則としてダメ、例外だけ認めるという構造です。

裸電線に充電するという、本来ありえない使い方だからです。

電技でこの書き方をする条文は、数えるほどしかありません

★例外が認められる条件

条件内容
★場所★★田畑、牧場、その他これに類する場所
★目的★★野獣の侵入又は家畜の脱出を防止するため
★施設方法★★絶縁性がないことを考慮し、感電又は火災のおそれがないように

3つとも満たさなければ、例外は認められません——場所・目的・方法のすべてです。

「絶縁性がないことを考慮し」という一句が重要です——裸電線だと認めたうえで、それでも安全にせよという意味です。

配線の裸電線の但し書き(57条)にも同じ表現があります

★なぜ電気さくが必要なのか

イノシシやシカによる農作物の被害は深刻です——物理的な柵では乗り越えられてしまうのです。

電気さくは、触れたときの衝撃で「近づかない」ことを学習させます——傷つけずに追い払えるのが利点です。

だから危険な設備でありながら、例外として認められています——必要性と危険性のつり合いです。

電気用品安全法との関係

内容
★電源装置★★電気用品安全法の適用を受ける電気さく用電源装置
★理由★★衝撃電流の大きさや持続時間が規格で決まっている

市販の専用電源装置を使うことが条件です——自作の装置は認められません

人が触れても致命的にならない電流に制限されています——だから機器の規格で安全を担保するのです。

電気用品安全法とつながっている——法令どうしの連携が見えるところです。

★衝撃電流と無線障害

f)には「衝撃電流を繰り返して発生するものは、無線設備の機能に継続的かつ重大な障害を与えるおそれがある場所には施設しない」とあります

電気さくはパルス状の高電圧を繰り返し出すので、電波を出します——ラジオに雑音が入るのです。

電技67条(無線設備への障害の防止)と同じ表現です——「継続的かつ重大な」という限定も同じです。

危険である旨の表示

条文の言葉ダミー語違い
感電又は火災★★感電又は火災★損壊★★裸電線に触れる危険と過熱の危険
危険★★危険★電気さく★★表示の内容は「危険である旨」
30V★★30V★100V★★電源の使用電圧の境目

表示するのは「危険である旨」です——「電気さく」と書くだけでは足りません

発電所等への立入防止(23条)でも「危険である旨」でした——電技に一貫した表現です。

人が見やすいように、適当な間隔で表示します

専用の開閉器が要る理由

e)には「容易に開閉できる箇所に専用の開閉器を施設すること」とあります

点検や作業のとき、確実に電源を切れるようにするためです。

他の回路と共用していると、切り忘れや誤操作が起きます——だから専用なのです。

電気さくの構造

部材役割
★電源装置★★パルス状の高電圧を作る
★裸電線★★動物が触れる部分
★がいし★★支柱から電線を絶縁する
★接地極★★動物を通った電流の帰り道

動物が電線に触れると、体を通って大地へ電流が流れます——接地極があるから回路が閉じるのです。

だから乾いた地面では効きが悪くなります——接地の良否が性能を左右するのです。

鳥獣被害と法令

農林水産業の鳥獣被害は年間150億円を超えます——イノシシ・シカ・サルが主な相手です。

電気さくは、効果が高く導入しやすい対策です——だから広く使われています

その一方で、不適切な施設による死亡事故も起きています——条文が厳しい条件を課す理由です。

原則禁止という条文は珍しい

電技で「施設してはならない」と言い切る条文は数えるほどです——電気さくと特別高圧の移動電線くらいです。

それだけ例外的な設備だということです——裸電線に意図的に充電するのですから当然でしょう。

覚える数字は30Vと15mAの2つだけ——出題されれば確実に取りたい問題です。

⏱️ 本番での進め方
① (ア)は「感電又は火災」——裸電線だから両方のおそれがある。
② (イ)は「危険」である旨——電技に一貫した表現。
③ (ウ)(エ)は30V・15mA。100V・10mAはダミー。
④ 条文は「施設してはならない」という原則禁止の型。

出題履歴——そのまま再出題された

年度問われ方正解番号
★平成28年度 問9★★本問★★(4)
★令和5年度下期 問8★★同一問題★★(4)

令和5年度下期 A問題8が本問の再出題版です。正解番号まで同じでした。

そちらでは数値と機器を中心に解説しています——本記事は条文の構造に寄せました

💡 覚え方
電気さくは原則として施設禁止(電技74条)。例外は田畑・牧場等で野獣の侵入又は家畜の脱出を防止する場合で、絶縁性がないことを考慮し感電又は火災のおそれがないように施設するとき。解釈192条=危険である旨の表示/電気用品安全法適用の電源装置/30V以上の電源かつ人が容易に立ち入る場所なら定格感度電流15mA以下・動作時間0.1秒以下の漏電遮断器/専用の開閉器。

⚠️ よくある間違い
「損壊」ではなく感電又は火災。表示は「電気さく」ではなく危険である旨。数値は30V・15mA(100V・10mAはダミー)。

まとめ

(ア)感電又は火災
(イ)危険
(ウ)30(V以上)
(エ)15(mA以下)
再出題令和5年度下期 A問題8と同一
答え(4)

▼あわせて解きたい関連問題
・同一問題(電技省令12):【法規】令和5年度下期 A問題8
・無線設備への障害の防止(電技省令20):【法規】令和4年度上期 A問題6

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