電技省令12【電験3種 法規】電気さくは原則禁止!危険表示・30V以上なら15mA0.1秒の漏電遮断器 令和5年度下期 A問題8 完全解説

電験3種 法規科目 電技省令 令和5年度下期 A問題8 電気さくは原則禁止!例外の条件は何だろう?

今回は令和5年度下期 法規科目 A問題8電気さくの空欄補充問題です。裸電線にわざと充電するという特殊な設備なので、電技では原則禁止という強い書き方がされています。

覚える数字は2つ。電源装置が使用電圧30V以上の電源から供給を受け、人が容易に立ち入る場所に施設するときは定格感度電流15mA以下・動作時間0.1秒以下電流動作型漏電遮断器が必要です。

目次

令和5年度下期 法規科目 A問題8:問題文と選択肢

まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

電験3種 法規科目 配電 令和5年度下期 A問題8 問題文
令和5年度下期 法規科目 A問題8 問題文

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「令和5年度下期 第三種電気主任技術者試験」法規科目 A問題8

電験3種 法規科目 【電技省令】 令和5年度下期 A問題8

 次の文章は、「電気設備技術基準」における電気さくの施設の禁止に関する記述である。

 電気さく(屋外において裸電線を固定して施設したさくであって、その裸電線に充電して使用するものをいう。)は、施設してはならない。ただし、田畑、牧場、その他これに類する場所において野獣の侵入又は家畜の脱出を防止するために施設する場合であって、絶縁性がないことを考慮し、(ア)のおそれがないように施設するときは、この限りでない。

 次の文章は、「電気設備技術基準の解釈」における電気さくの施設に関する記述である。電気さくは、次のa)〜f)に適合するものを除き施設しないこと。

 a) 田畑、牧場、その他これに類する場所において野獣の侵入又は家畜の脱出を防止するために施設するものであること。

 b) 電気さくを施設した場所には、人が見やすいように適当な間隔で(イ)である旨の表示をすること。

 c) 電気さくは、電気用品安全法の適用を受ける電気さく用電源装置等から電気の供給を受けるものであること。

 d) 電気さく用電源装置(直流電源装置を介して電気の供給を受けるものにあっては、直流電源装置)が使用電圧(ウ)V以上の電源から電気の供給を受けるものである場合において、人が容易に立ち入る場所に電気さくを施設するときは、当該電気さくに電気を供給する電路には、電流動作型であって定格感度電流が(エ)mA以下、動作時間が0.1秒以下の漏電遮断器を施設すること。

 e) 電気さくに電気を供給する電路には、容易に開閉できる箇所に専用の開閉器を施設すること。

 f) 電気さく用電源装置のうち、衝撃電流を繰り返して発生するものは、無線設備の機能に継続的かつ重大な障害を与えるおそれがある場所には、施設しないこと。

 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

(ア)(イ)(ウ)(エ)
(1)感電又は火災危険10015
(2)感電又は火災電気さく3010
(3)損壊電気さく10015
(4)感電又は火災危険3015
(5)損壊電気さく10010
答え(ア)感電又は火災・(イ)危険・(ウ)30・(エ)15 = (4)

答えは(4):感電又は火災・危険・30V・15mA

電気設備技術基準の解釈 第192条(電気さくの施設)

d 電気さく用電源装置が使用電圧30V以上の電源から電気の供給を受けるものである場合において、人が容易に立ち入る場所に電気さくを施設するときは、当該電気さくに電気を供給する電路には、電流動作型であって定格感度電流が15mA以下、動作時間が0.1秒以下の漏電遮断器を施設すること。

平成28年度A問題9と同一問題。正解番号も同じ(4)です。

覚える数字は30Vと15mA、そして0.1秒の3つだけです。

この記事では、数値の意味と漏電遮断器の種類に踏み込みます

条文の構造は、平成28年度の記事で扱っています

★30Vという境目

電源の使用電圧漏電遮断器
★30V未満★★不要
★30V以上(人が容易に立ち入る場所)★★必要

30V未満なら、感電しても致命的になりにくいとされています——安全電圧の目安です。

電池式の電源装置なら、この条件に当たりません——だから漏電遮断器が要らないのです。

商用電源から取る場合が対象になります

★15mAという定格感度電流

用途定格感度電流動作時間
★一般の人体保護★★30mA以下★★0.1秒以内
★電気さく★★15mA以下★★0.1秒以下
★接地工事の省略★★15mA以下★★0.1秒以下

一般の30mAより厳しい15mAが求められています——裸電線に触れる設備だからです。

接地工事を省略する場合と同じ値です——まとめて覚えられます

「10mA」はダミー——15mAで固定です。

★「電流動作型」という指定

方式検出するもの
★電流動作型★★零相変流器で漏れ電流を検出する
★電圧動作型★★接地線の電位上昇を検出する(現在はほぼ使われない)

条文がわざわざ「電流動作型」と指定しています——確実に動作する方式を求めているのです。

電圧動作型は接地の状態に左右されるので、信頼性が劣ります——だから指定されているのです。

★人が容易に立ち入る場所

条件は「人が容易に立ち入る場所に電気さくを施設するとき」です——山奥の柵なら、この条件に当たりません

人が近づく可能性で規制の強さが変わる——法規に一貫した考え方です。

ただし表示は、どこに施設する場合でも必要です——b)には場所の限定がありません

電気さく用電源装置の規格

項目内容
★出力★★パルス状の高電圧
★繰り返し★★1秒に1回程度
★エネルギー★★人が触れても致命的にならない値に制限

連続した電圧ではなく、パルスを繰り返し出します——触れた瞬間だけ衝撃を与えるのです。

だから離れることができ、致命傷になりにくい——この設計が安全の根拠です。

電気用品安全法の適用を受ける装置を使うことが条件になっています

6つの条件をまとめる

条件
★a★★田畑・牧場等で野獣・家畜のため
★b★★危険である旨の表示
★c★★電気用品安全法適用の電源装置
★d★★30V以上なら15mA・0.1秒の漏電遮断器
★e★★専用の開閉器
★f★★無線障害のおそれがある場所には施設しない

6つすべてに適合しなければ施設できません——「次のa)〜f)に適合するものを除き施設しないこと」という書き方です。

原則禁止+厳しい条件——それだけ危険な設備だということです。

数字を取り違えないために

条文の言葉ダミー語違い
30V★★30V★100V★★電源の使用電圧の境目
15mA★★15mA★10mA★★一般の30mAより厳しい
0.1秒★★0.1秒★0.5秒★★接地緩和の0.5秒と混同しない

0.5秒はC種・D種接地の緩和条件です——まったく別の場面の数字です。

0.1秒は人体保護、0.5秒は接地の緩和——用途で区別しましょう

漏電遮断器の種類

区分定格感度電流用途
★高感度形★★30mA以下★★人体保護
★中感度形★★30mA超1000mA以下★★機器・火災保護
★高速形★★—★★動作時間0.1秒以内

電気さくに使うのは高感度・高速形です——15mA・0.1秒以下という条件がそれにあたります。

人が触れる可能性が高い設備ほど、感度と速さが求められます

動物と人で感じ方が違う

電気さくは動物を追い払うための設備です——体毛や蹄で、人より感電しにくい面もあります

それでも人が触れれば、十分に危険です——だから漏電遮断器で守るのです。

設備の目的と、想定外の使われ方の両方に備える——法令の考え方です。

表示の実際

電気さくの周りには「危険 電気さく」という札が下がっています——あれが条文にもとづく表示です。

人が見やすいように、適当な間隔で掲げます——知らずに触れる人を減らすためです。

農村を歩くとよく見かけます——法令が身近に働いている例です。

電気さくは解釈192条に6条件がまとまっています——a〜fを順に確かめれば、どの空欄でも対応できます

動作時間0.1秒の意味

人体に電流が流れる時間が短いほど、危険は小さくなります——電流の大きさと時間の積が効いてくるからです。

0.1秒以内に切れば、15mAでも致命的になりません——感度と速さの両方が条件になっている理由です。

⏱️ 本番での進め方
① (ウ)は30V——100Vはダミー。
② (エ)は15mA。一般の30mAより厳しい。
③ 動作時間は0.1秒以下——接地緩和の0.5秒と混同しない。
電流動作型という指定も条文の一部。

出題履歴——そのまま再出題された

年度問われ方正解番号
★平成28年度 問9★★同一問題★★(4)
★令和5年度下期 問8★★本問★★(4)

平成28年度 A問題9では、原則禁止という条文の構造を中心に解説しています。本記事は数値と機器に寄せました

7年をおいて、正解番号まで同じで再出題されました——覚える量が少ないので、確実に取りたい問題です。

💡 覚え方
電気さく(解釈192条)=①田畑・牧場等で野獣の侵入・家畜の脱出防止 ②危険である旨の表示 ③電気用品安全法適用の電源装置 ④30V以上の電源かつ人が容易に立ち入る場所なら電流動作型・定格感度電流15mA以下・動作時間0.1秒以下の漏電遮断器 ⑤専用の開閉器 ⑥無線障害のおそれがある場所には施設しない。

⚠️ よくある間違い
「損壊」ではなく感電又は火災。表示は「電気さく」ではなく危険である旨。数値は30V・15mA・0.1秒(100V・10mA・0.5秒はダミー)。

まとめ

(ア)感電又は火災
(イ)危険(である旨の表示)
(ウ)30(V以上の電源)
(エ)15(mA以下・0.1秒以下)
原則電気さくは施設してはならない
答え(4)

▼あわせて解きたい関連問題
・電気さくの施設(電技省令33):【法規】平成28年度 A問題9
・感電・火災等の防止(電技省令3):【法規】令和7年度下期 A問題8

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