電技省令37【電験3種 法規】配線に裸電線は原則禁止・特別高圧に接触電線は禁止!令和5年度上期で再出題 平成25年度 A問題3 完全解説

電験3種 法規科目 電技省令 平成25年度 A問題3 裸電線禁止の条文が再登場!例外も押さえる

今回は平成25年度 法規科目 A問題3配線の使用電線の空欄補充問題です。令和5年度上期 A問題8でそっくりそのまま再出題されました。

条文の構造は3段。①配線の使用電線は感電・火災のおそれがない強度と絶縁性能を持つ ②配線に裸電線は原則使用禁止 ③特別高圧の配線に接触電線は使用禁止。判断の物差しは施設場所の状況と電圧です。

目次

答えは(5):裸電線・接触電線・電圧

電気設備に関する技術基準を定める省令 第57条(配線の使用電線)

a 配線の使用電線(裸電線及び特別高圧で使用する接触電線を除く。)には、感電又は火災のおそれがないよう、施設場所の状況及び電圧に応じ、使用上十分な強度及び絶縁性能を有するものでなければならない。/b 配線には、裸電線を使用してはならない。ただし……絶縁性がないことを考慮して……この限りでない。/c 特別高圧の配線には、接触電線を使用してはならない。

★b)の「絶縁性がないことを考慮して」が(ア)を決める決定打です。

(ア)は「裸電線」——絶縁性がない電線のことです。

(イ)は「接触電線」——集電子が触れながら走るので、どうしても露出します。

(ウ)は「電圧」——危険の大きさに応じた性能を求めているのです。

平成25年度 法規科目 A問題3:問題文と選択肢

まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

電験3種 法規科目 配電 平成25年度 A問題3 問題文
平成25年度 法規科目 A問題3 問題文

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「平成25年度 第三種電気主任技術者試験」法規科目 A問題3

電験3種 法規科目 【電技省令】 平成25年度 A問題3

 次の文章は、「電気設備技術基準」における、電気使用場所での配線の使用電線に関する記述である。

 a. 配線の使用電線((ア)及び特別高圧で使用する(イ)を除く。)には、感電又は火災のおそれがないよう、施設場所の状況及び(ウ)に応じ、使用上十分な強度及び絶縁性能を有するものでなければならない。

 b. 配線には、(ア)を使用してはならない。ただし、施設場所の状況及び(ウ)に応じ、使用上十分な強度を有し、かつ、絶縁性がないことを考慮して、配線が感電又は火災のおそれがないように施設する場合は、この限りでない。

 c. 特別高圧の配線には、(イ)を使用してはならない。

 上記の記述中の空白箇所(ア)、(イ)及び(ウ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

(ア)(イ)(ウ)
(1)接触電線移動電線施設方法
(2)接触電線裸電線使用目的
(3)接触電線裸電線電圧
(4)裸電線接触電線使用目的
(5)裸電線接触電線電圧
答え(ア)裸電線・(イ)接触電線・(ウ)電圧 = (5)

★「絶縁性がない」で(ア)が決まる

b)の但し書きは「絶縁性がないことを考慮して」と書いています——絶縁性がない電線=裸電線です。

だからa)の括弧書きでも、絶縁性能を求める対象から除かれています——そもそも絶縁のないものに絶縁性能は求められないのです。

条文の中に手がかりが書いてある——空欄補充では、まず本文を探しましょう

★接触電線とは何か

内容
★用途★★クレーン・ホイスト・搬送装置への集電
★構造★★露出して張られ、集電子が触れながら走る
★特別高圧★★使用禁止

触れながら電気を取る構造なので、露出は避けられません——だから電圧が高いと危険すぎるのです。

低圧・高圧では条件付きで認められています——特別高圧だけが絶対禁止です。

「移動電線」は別条文の用語です——混同しないようにしましょう

なぜ判断基準が「電圧」なのか

条文の言葉ダミー語違い
電圧★★電圧★使用目的★★危険の大きさは電圧で決まる
裸電線★★裸電線★接触電線★★絶縁性がないのは裸電線
接触電線★★接触電線★移動電線★★特別高圧で禁止されるのは接触電線

電圧が高いほど、強い絶縁が要ります——当たり前の関係です

「使用目的」や「施設方法」では、必要な性能が決まりません——法令が求めるのは危険の大きさに応じた性能だからです。

裸電線が使える場合

場所条件
★がいし引き工事(展開した場所)★★電気の取扱者以外が立ち入らない
★バスダクト工事★★ダクト内に収める
★ライティングダクト工事★★ダクト内に収める

人が触れられない状況を作れば、裸電線でも使えます——但し書きの「感電又は火災のおそれがないように施設する場合」です。

具体的な条件は解釈第144条に書かれています——省令が原則、解釈が例外の中身という関係です。

「配線」という語の範囲

意味
★配線★★電気使用場所において施設する電線
★電線路★★電気を送るための線路(構外)
★移動電線★★造営物に固定しないで使う電線

本条が扱うのは電気使用場所の中の配線です——構外の電線路とは別の条文になります。

どの語が使われているかで、対象範囲が決まります——問題文の言葉を正確に読みましょう

強度と絶縁性能の両方が要る

条文は「使用上十分な強度及び絶縁性能」と、2つを並べています

強度は物理的な損傷に耐えるため、絶縁性能は感電・漏電を防ぐため——守るものが違います

裸電線には強度だけが求められます——b)の但し書きが「十分な強度を有し」とだけ書いているのはこのためです。

感電と火災という2つの危害

危害原因防ぎ方
★感電★★絶縁不良で人に電流が流れる★★絶縁性能
★火災★★短絡や過熱で発火する★★強度+絶縁性能

電技の条文は、この2つの危害を繰り返し挙げます——電気設備が人に及ぼす害の代表だからです。

「感電又は火災のおそれがないよう」は決まり文句です

裸電線が使われる場面

場面理由
★架空送電線★★空気が絶縁の役割を果たす
★変電所の母線★★取扱者以外は立ち入らない
★バスダクト内の導体★★ダクトが人を遮る

裸電線が危険なのは、人が触れられる場所にあるときです——触れられなければ問題ありません

だから配線(電気使用場所の中)では原則禁止になります——人がいる空間だからです。

接触電線の実物

工場の天井を見上げると、クレーンの走行路に沿って電線が張られています——あれが接触電線です。

クレーンの集電子がこすれながら電気を取ります——だから絶縁で覆うことができません

近年は絶縁トロリーという、露出部を最小限にした製品も使われています——技術で危険を減らす工夫です。

配線の工事方法は解釈で決まる

工事使える場所
★金属管工事・ケーブル工事★★どんな場所でも使える
★がいし引き工事★★展開した場所・点検できる隠ぺい場所
★金属ダクト・バスダクト工事★★展開した場所・点検できる隠ぺい場所(乾燥)

省令が「施設場所の状況及び電圧に応じ」と書いているのは、この使い分けを指しています

具体的な組み合わせは解釈第156条の表にあります

電線の種類を問う問題は、実物を思い浮かべると解きやすくなります——裸電線・絶縁電線・ケーブル・接触電線の違いです。

それぞれどこで使われているかを知っておきましょう

条文の3段構造をもう一度

a)が原則の性能、b)が裸電線の禁止、c)が接触電線の禁止——3段で組み立てられています

a)の括弧書きは、b)c)で別に扱うものを除いているだけ——構造が見えれば、空欄の位置関係も分かります

⏱️ 本番での進め方
① b)の「絶縁性がないことを考慮して」から(ア)=裸電線が決まる。
② (イ)は特別高圧で禁止される電線=接触電線。
③ (ウ)は「電圧」。使用目的・施設方法はダミー。
④ (ア)と(イ)を入れ替えない——ここが最大のひっかけ。

出題履歴——そのまま再出題された

年度問われ方正解番号
★平成25年度 問3★★本問★★(5)
★令和5年度上期 問8★★同一問題★★(5)

10年をおいて、正解番号まで同じで再出題されました——珍しいケースです。

令和6年度下期 A問題8の移動電線と合わせて読むと、電線の種類ごとの規制が整理できます。

💡 覚え方
電技57条=配線の使用電線は施設場所の状況及び電圧に応じ十分な強度・絶縁性能。配線に裸電線は原則使用禁止(絶縁性がないことを考慮して危険がなければ例外可)。特別高圧の配線に接触電線は使用禁止。

⚠️ よくある間違い
(ア)と(イ)を入れ替えない。(ウ)は「使用目的」「施設方法」ではなく電圧。令和5年度上期A問題8で再出題(同じ(5))。

まとめ

(ア)裸電線
(イ)接触電線
(ウ)電圧
再出題令和5年度上期 A問題8と同一
答え(5)

▼あわせて解きたい関連問題
・同一問題(電技省令15):【法規】令和5年度上期 A問題8
・配線の感電・火災の防止(電技省令51):【法規】平成18年度 A問題5

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