電技省令15【電験3種 法規】配線に裸電線は原則使用禁止・特別高圧に接触電線は禁止!令和5年度上期 A問題8 完全解説

電験3種 法規科目 電技省令 令和5年度上期 A問題8 裸電線は原則使えない!配線の基本ルール

今回は令和5年度上期 法規科目 A問題8配線の使用電線の空欄補充問題です。平成25年度 A問題3でも同じ条文が問われており、繰り返しの頻出テーマです。

構造はシンプル。①配線の使用電線は感電・火災のおそれがない強度と絶縁性能を持つこと ②配線に裸電線は原則使用禁止 ③特別高圧の配線に接触電線は使用禁止。判断の物差しは施設場所の状況と電圧です。

目次

令和5年度上期 法規科目 A問題8:問題文と選択肢

まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

電験3種 法規科目 配電 令和5年度上期 A問題8 問題文
令和5年度上期 法規科目 A問題8 問題文

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「令和5年度上期 第三種電気主任技術者試験」法規科目 A問題8

電験3種 法規科目 【電技省令】 令和5年度上期 A問題8

 次の文章は、「電気設備技術基準」における、電気使用場所での配線の使用電線に関する記述である。

 a) 配線の使用電線((ア)及び特別高圧で使用する(イ)を除く。)には、感電又は火災のおそれがないよう、施設場所の状況及び(ウ)に応じ、使用上十分な強度及び絶縁性能を有するものでなければならない。

 b) 配線には、(ア)を使用してはならない。ただし、施設場所の状況及び(ウ)に応じ、使用上十分な強度を有し、かつ、絶縁性がないことを考慮して、配線が感電又は火災のおそれがないように施設する場合は、この限りでない。

 c) 特別高圧の配線には、(イ)を使用してはならない。

 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(ウ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

(ア)(イ)(ウ)
(1)接触電線移動電線施設方法
(2)接触電線裸電線使用目的
(3)接触電線裸電線電圧
(4)裸電線接触電線使用目的
(5)裸電線接触電線電圧
答え(ア)裸電線・(イ)接触電線・(ウ)電圧 = (5)

答えは(5):裸電線・接触電線・電圧

電気設備に関する技術基準を定める省令 第57条(配線の使用電線)

a 配線の使用電線(裸電線及び特別高圧で使用する接触電線を除く。)には、感電又は火災のおそれがないよう、施設場所の状況及び電圧に応じ、使用上十分な強度及び絶縁性能を有するものでなければならない。/b 配線には、裸電線を使用してはならない。/c 特別高圧の配線には、接触電線を使用してはならない。

平成25年度A問題3と同一問題。正解番号も同じ(5)です。

(ア)は「裸電線」・(イ)は「接触電線」・(ウ)は「電圧」——b)の「絶縁性がないことを考慮して」が決定打です。

この記事では、実際に使う電線の種類と選び方に踏み込みます

条文の構造そのものは、平成25年度の記事で扱っています

★絶縁電線の種類と記号

記号名称用途
★IV★★600Vビニル絶縁電線★★屋内配線の基本
★HIV★★600V二種ビニル絶縁電線★★耐熱が必要な場所
★OW★★屋外用ビニル絶縁電線★★低圧架空電線
★DV★★引込用ビニル絶縁電線★★低圧引込線

記号を見れば、どこで使う電線かが分かります——O は Outdoor、D は Drop(引込)です。

屋内はIV、引込はDV、架空はOW——用途で使い分けます

★ケーブルと絶縁電線の違い

絶縁電線ケーブル
★構造★★導体+絶縁体★★導体+絶縁体+外装(シース)
★施設★★管やダクトに収める★★そのまま施設できる
★例★★IV・HIV★★VVF・VVR・CV

外装があるかないかが、いちばんの違いです——外装があるから、そのまま壁に留められるのです。

だからケーブル工事は、どんな場所でも使えます——解釈第156条の表で確認できます。

★低圧屋内配線の電線の太さ

基準
★原則★★直径1.6mm以上の軟銅線
★これと同等以上★★断面積2mm²以上
★例外★★ライティングダクト等は別途

1.6mmという数字は、実務でも試験でもよく出ます——解釈第146条の規定です。

細すぎると強度が足りず、断線しやすくなります——省令の「十分な強度」を具体化した数値です。

許容電流という考え方

直径許容電流(がいし引き工事の目安)
★1.6mm★★27A
★2.0mm★★35A
★2.6mm★★48A

太い電線ほど、たくさんの電流を流せます——発熱が同じでも、放熱しやすいからです。

管に収めると放熱が悪くなるので、許容電流は下がります——電流減少係数を掛けて求めます。

電圧で使い分ける

条文の言葉ダミー語違い
電圧★★電圧★使用目的★★危険の大きさは電圧で決まる
裸電線★★裸電線★接触電線★★絶縁性がないのは裸電線
接触電線★★接触電線★移動電線★★特別高圧で禁止されるのは接触電線

600V以下ならIV、それを超えるなら高圧絶縁電線やケーブル——電圧に応じて絶縁の厚さが変わります

条文の「電圧に応じ」は、この使い分けを指しています

電線を選ぶ手順

確かめること
★①★★使用電圧はいくらか
★②★★施設場所はどこか(屋内・屋外・地中)
★③★★流れる電流はいくらか
★④★★工事方法は何か

省令が「施設場所の状況及び電圧に応じ」と書いているのは、①②を指しています

③④は解釈で具体化されます——省令が枠、解釈が中身という関係です。

VVFケーブルという身近な電線

記号意味
★V★★ビニル絶縁
★V★★ビニルシース(外装)
★F★★平形(Flat)

住宅の屋内配線で最も使われるのがVVFケーブルです——いわゆる「Fケーブル」です。

記号は構造をそのまま表しています——VVRなら丸形(Round)です。

CVなら架橋ポリエチレン絶縁ビニルシース——高圧でよく使われます

電線の許容電流を下げる要因

要因効果
★同一管内に多数収める★★放熱が悪くなり許容電流が下がる
★周囲温度が高い★★温度上昇の余裕が減る
★束ねて敷設する★★互いの熱で温度が上がる

電線の許容電流は、放熱条件で決まります——同じ太さでも、施設方法で変わるのです。

電流減少係数を掛けて求めます——施設管理の計算問題で頻出です。

接触電線の安全対策

露出した接触電線には、防護板や絶縁トロリーが使われます——人が触れる部分を減らす工夫です。

それでも特別高圧では認められません——どんな対策をしても危険が大きすぎるからです。

電圧によって、対策で足りるか禁止かが分かれる——法規に一貫した考え方です。

電線の選定は法規と機械の交差点

電線の太さは、許容電流・電圧降下・機械的強度の3つで決まります——どれか1つでも足りなければ使えません

省令が求める「十分な強度及び絶縁性能」は、この3つを含む要求です

法規の条文が、実際の設計につながっている——そう考えると条文が生きて見えてきます

工事の種類と使える場所

工事使える場所
★ケーブル工事★★すべての場所
★金属管工事★★すべての場所
★金属線ぴ工事★★300V以下・乾燥した展開場所等

ケーブル工事と金属管工事は、場所を選びません——だから迷ったらこの2つです。

解釈第156条の表が、この使い分けを一覧にしています

電線は電気設備のいちばん基本の部品です——種類と使い分けを知っておくと、解釈の問題でも役に立ちます

記号の意味が分かれば、名前から用途が読めるようになります

⏱️ 本番での進め方
① b)の「絶縁性がないことを考慮して」から(ア)=裸電線が決まる。
② (イ)は特別高圧で禁止される電線=接触電線。
③ (ウ)は「電圧」。使用目的・施設方法はダミー。
④ (ア)と(イ)を入れ替えないのが最大の注意点。

出題履歴——10年をおいて同じ問題

年度問われ方正解番号
★平成25年度 問3★★同一問題★★(5)
★令和5年度上期 問8★★本問★★(5)

平成25年度 A問題3では、条文の3段構造と接触電線の実物を中心に解説しています。本記事は電線の種類と選び方に寄せました

令和6年度下期 A問題8の移動電線と合わせると、電線まわりの規定がそろいます。

💡 覚え方
電技57条=配線の使用電線は施設場所の状況及び電圧に応じ十分な強度・絶縁性能。配線に裸電線は原則使用禁止。特別高圧の配線に接触電線は使用禁止。低圧屋内配線は直径1.6mm以上の軟銅線が原則。

⚠️ よくある間違い
(ア)と(イ)を入れ替えない——禁止されるのは配線の裸電線/特別高圧の接触電線。(ウ)は「使用目的」「施設方法」ではなく電圧

まとめ

(ア)裸電線
(イ)接触電線
(ウ)電圧
原則配線に裸電線は使用禁止
絶対禁止特別高圧の配線の接触電線
答え(5)

▼あわせて解きたい関連問題
・配線の使用電線(電技省令37):【法規】平成25年度 A問題3
・配線の感電・火災の防止(電技省令51):【法規】平成18年度 A問題5

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