電技省令16【電験3種 法規】船舶・航空機・車両の設備は電気工作物ではない!電気浴器だけが対象 令和4年度下期 A問題2 完全解説

電験3種 法規科目 電技省令 令和4年度下期 A問題2 船や飛行機の設備は対象外!電気浴器は対象

今回は令和4年度下期 法規科目 A問題2電気設備技術基準に規定されているものを選ぶ問題です。裏を返せば「電気工作物から除かれるもの」を知っているかが問われています。

除外されるのは3つ。①船舶・航空機・車両(鉄道等を含む)に設置される電気設備 ②電圧30V未満で、30V以上の設備と電気的に接続されていないもの ③鉄道等の専用の電気設備。この3つに当てはまらないものが答えです。

目次

令和4年度下期 法規科目 A問題2:問題文と選択肢

まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

電験3種 法規科目 配電 令和4年度下期 A問題2 問題文
令和4年度下期 法規科目 A問題2 問題文

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「令和4年度下期 第三種電気主任技術者試験」法規科目 A問題2

電験3種 法規科目 【電技省令】 令和4年度下期 A問題2

 電気設備の安全を確保するためには、「電気設備技術基準」への適合を確認する必要がある。「電気設備技術基準」に規定されているものとして、正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

(1) 船舶の客室屋内配線

(2) 乾電池使用のEMS(電気的筋肉刺激器)

(3) 航空機に搭載される発電機

(4) 電気浴器

(5) 自動車の24Vオルタネータ(交流発電機)

答え(1)船舶・(3)航空機・(5)自動車は乗り物で除外、(2)は30V未満で独立のため除外、残る(4)電気浴器が電気工作物 = (4)

答えは(4):電気浴器だけが電気工作物

電気事業法施行令 第1条(電気工作物から除かれる工作物)

法第2条第1項第18号の政令で定める工作物は、次のとおりとする。/一 鉄道営業法、軌道法又は鉄道事業法が適用され又は準用される電気設備であって、それらの事業のためのもの/二 船舶安全法が適用される船舶に設置される電気設備/三 航空法が適用される航空機に設置される電気設備/四 道路運送車両法が適用される車両に設置される電気設備/五 電圧30V未満の電気的設備であって、電圧30V以上の電気的設備と電気的に接続されていないもの

「電気工作物とは何か」ではなく「何が除かれるか」を先に覚えるのがコツです。

この設問は裏返しの問い方をしています——5つの選択肢のうち4つが「除外」に当たり、残った1つが答えという構造です。

除外リストを暗記していれば、消去法で一瞬で解けます

★電気工作物の全体地図

区分中身
★事業用電気工作物★★一般用以外のすべて★★発電所・変電所・工場の受電設備
★ うち電気事業の用に供するもの★★電気事業者の設備★★送配電線・電力会社の発電所
★ うち自家用電気工作物★★電気事業用・一般用以外★★ビル・工場のキュービクル
★一般用電気工作物★★低圧受電+小規模発電設備★★一般家庭・小商店

まず「電気工作物かどうか」、次に「どの区分か」の2段構えです——本問は1段目だけを問うています

除外に当たれば、区分を考えるまでもなく電気事業法の外——主任技術者も保安規程も要りません

★なぜ乗り物は除かれるのか

乗り物電気設備を規制する法律
★船舶★★船舶安全法
★航空機★★航空法
★自動車★★道路運送車両法
★鉄道・軌道★★鉄道営業法・軌道法・鉄道事業法

規制がなくなるのではなく、担当する法律が変わるだけです——船には船の、飛行機には飛行機の安全基準があるのです。

二重に規制すると基準が食い違って現場が混乱します——だから電気事業法のほうが身を引くという整理です。

「除外=野放し」と誤解しないこと——ここは意外と誤答を誘う落とし穴です。

★30V未満の除外には条件がある

条文の言葉ダミー語違い
30V以上と接続されていない★★30V以上と接続されていない★30V未満なら常に除外★★接続されていれば電気工作物
電圧30V未満★★電圧30V未満★電圧30V以下★★「未満」——30Vちょうどは含まない

ここが最頻出の引っかけです——乾電池のように独立していれば除外、変圧器で100V回路とつながっていれば電気工作物

平成18年度 A問題2は、まさにこの「接続されていれば電気工作物」を正面から問うた問題です。

本問の(2)は乾電池使用のEMSなので、商用電源から独立——だから除外になります。

★電気浴器とは何か

電気浴器は、浴槽の中に電極を入れて微弱な電流を流す設備です——血行促進をうたう温浴施設などに置かれています

人が水に浸かった状態で通電するので、感電の危険が非常に大きい——水は人体の抵抗を大きく下げるからです。

だから解釈第198条が特別に細かい規定を置いています——電気工作物として、しっかり規制する側なのです。

電気浴器の施設規定(解釈第198条)

項目基準
★電源装置★★電気用品安全法の適用を受ける電気浴器用電源装置
★2次側電圧★★10V以下
★電線★★直径1.6mm以上の軟銅線と同等以上の絶縁電線等
★絶縁抵抗★★電極間0.1MΩ以上

2次側10V以下という数字が肝です——水中で人体に触れる以上、そこまで下げないと危険だからです。

「除外される30V未満」とは別の話——電源装置の1次側は100Vなので、全体としては立派な電気工作物です。

除外リストの覚え方——「船・空・車・鉄」+30V

船舶/航空機/車両/鉄道の4つの乗り物——頭文字で「船・空・車・鉄」と唱えると落ちません

そこに「30V未満で独立」を足せば完成です——この5項目以外はすべて電気工作物と考えてよいのです。

選択肢に乗り物が出てきたら、まず除外を疑う——これが解答の初手です。

鉄道の除外には「専用」という条件

条文の言葉ダミー語違い
それらの事業のためのもの★★それらの事業のためのもの★鉄道会社の設備すべて★★駅ビルの照明は電気工作物
電車線・変電所(鉄道用)★★電車線・変電所(鉄道用)★駅の商業テナント★★運行のためか、それ以外か

鉄道会社の設備でも、運行のためでなければ電気工作物です——駅ビルのテナントの受電設備は普通に自家用電気工作物

「鉄道会社だから全部除外」ではありません——用途で切り分けるのが条文の趣旨です。

自動車の24Vオルタネータが二重に除外される理由

選択肢(5)は「自動車の24Vオルタネータ」でした——これは2つの理由で除外されます。

① 道路運送車両法が適用される車両に設置される電気設備だから——乗り物ルールで一発です。

② 24Vは30V未満で、商用電源とはつながっていないから——どちらの号でも除外になる、念入りな選択肢です。

電気工作物でなければ何が要らなくなるか

義務電気工作物除外される設備
★技術基準への適合★★必要★★不要(別法令で規制)
★主任技術者の選任★★事業用なら必要★★不要
★保安規程の届出★★事業用なら必要★★不要
★事故報告★★必要★★不要

電気工作物かどうかは、法規科目の全問の出発点です——ここが決まらないと、義務の話に進めないのです。

⏱️ 本番での進め方
① 選択肢に乗り物が出たら、まず除外を疑う。
30V未満は「独立していれば」除外——接続の有無を必ず確認。
電気浴器・電気炉・電解槽は電気工作物側。
④ 除外は規制がなくなるのではなく、担当法令が変わるだけ。

よく混同される「一般用電気工作物」との違い

条文の言葉ダミー語違い
除外される工作物★★除外される工作物★一般用電気工作物★★前者は電気事業法の外、後者は中
船舶の配線★★船舶の配線★一般家庭の屋内配線★★船は船舶安全法、家は電技

「規制がゆるい」と「規制の対象外」はまったく別です——一般用電気工作物は電技に従う義務があります

除外される工作物には、電技そのものが及びません——この違いを問う設問も出ます

水まわりの電気設備が特別扱いされる理由

電気浴器のほかにも、プール用水中照明灯、水中ポンプなど水まわりの設備には特則があります

水に濡れると人体の抵抗が大幅に下がり、同じ電圧でも流れる電流が桁違いに大きくなるからです。

だから電圧そのものを下げる、あるいは地絡遮断器を必ず付けるという二段構えで守ります

💡 覚え方
電気工作物から除かれるもの=①鉄道・軌道の事業のための電気設備 ②船舶に設置される電気設備 ③航空機に設置される電気設備 ④車両に設置される電気設備 ⑤電圧30V未満で30V以上と電気的に接続されていないもの。電気浴器は電気工作物で、解釈198条により2次側10V以下。

⚠️ よくある間違い
「30V未満なら常に除外」は誤り——30V以上と接続されていないことが条件。除外=無規制ではない——船舶安全法など別の法律が担当する。

まとめ

(1)除外(船舶)
(2)除外(乾電池・30V未満で独立)
(3)除外(航空機)
(4)電気工作物(電気浴器)
(5)除外(自動車・30V未満)
答え(4)

▼あわせて解きたい関連問題
・様々な条文の正誤(電気事業法42):【法規】平成18年度 A問題2
・電技の総則(電技省令26):【法規】令和1年度 A問題3

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