今回は平成18年度 法規科目 A問題2、法規の主要条文を横断的に確認する正誤問題です。電気事業法・施行令・施行規則・電技・電気工事士法が一度に登場します。
狙われるのは電気工作物から除かれるものの条件。30V未満の電気的設備は電気工作物から除かれますが、それは30V以上の電気的設備と電気的に接続されていない場合に限られます。変圧器でつながっていれば電気工作物です。
平成18年度 法規科目 A問題2:問題文と選択肢
まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「平成18年度 第三種電気主任技術者試験」法規科目 A問題2
電験3種 法規科目 【電気事業法】 平成18年度 A問題2
「電気事業法」「電気事業法施行令」「電気事業法施行規則」「電気設備技術基準」及び「電気工事士法」に関する記述のうち、誤っているものを一つ選べ。
(注)平成18年度は公式問題PDFが公表されていないため、条文と過去問データに基づいて問題文を再構成しています。
「電気事業法」「電気事業法施行令」「電気事業法施行規則」「電気設備技術基準」及び「電気工事士法」に関する次の記述のうち、誤っているものを一つ選べ。
(1) 電気事業者は、標準電圧100Vの供給場所において、その電圧の値を101Vの上下6Vを超えない値に維持するよう努めなければならない。
(2) 100Vの回路に変圧器で接続された24Vの警報回路は、電気工作物に該当しない。
(3) 他の発電設備を有しない場所に単独で設置された発電電圧200V、出力10kWの太陽電池発電設備は、小規模(小出力)発電設備である。
(4) 特別高圧とは、7000Vを超える電圧をいう。
(5) 第一種電気工事士は、最大電力500kW未満の自家用電気工作物に係る電気工事の作業に従事することができる。

答えは(2):24Vの警報回路も電気工作物にあたる
設問の警報回路は24Vで、電圧の条件は満たしています——しかし100Vの回路に変圧器で接続されています。
だから「接続されていない」という条件を満たしません——電気工作物に該当します。
一次側の異常が二次側へ波及しうるからです——切り離せない設備は規制の対象に残すという趣旨です。
★除外の条件は2つある
| 条件 | 内容 | 設問の警報回路 |
| ★① | ★★電圧30V未満であること | ★★24Vなので満たす |
| ★② | ★★30V以上の設備と電気的に接続されていないこと | ★変圧器で100Vと接続。満たさない |
「かつ」でつながれた2条件です——片方だけでは除外されません。
「30V未満なら電気工作物ではない」と短絡するのが、いちばんの誤りです。
なぜ接続の有無が問われるのか
変圧器でつながっていれば、一次側の異常が二次側に伝わりえます——混触すれば、24Vの回路に100Vが現れます。
完全に独立した電池式の回路なら、そうした危険はありません——だから除外できるのです。
危険が及ぶ可能性で線を引いている——電気事業法に一貫した考え方です。
他の4肢もひととおり確認する
| 肢 | 内容 | 正誤 |
| ★(1) | ★★標準電圧100Vは101Vの上下6V | ★★正しい |
| ★(3) | ★★単独設置の太陽電池10kWは小規模発電設備 | ★★正しい |
| ★(4) | ★★特別高圧は7000Vを超える電圧 | ★★正しい |
| ★(5) | ★★第1種電気工事士は500kW未満の自家用に従事できる | ★★正しい |
どれも法規の基本的な数字です——4つとも即座に正しいと判断できるようにしておきましょう。
正しい肢を素早く消せれば、残った1つが答えになります。
★電気工事士の範囲
| 資格 | 従事できる範囲 |
| ★第2種電気工事士 | ★★一般用電気工作物のみ |
| ★第1種電気工事士 | ★★一般用+最大電力500kW未満の自家用 |
| ★認定電気工事従事者 | ★★自家用のうち600V以下の部分 |
| ★特種電気工事資格者 | ★★ネオン工事・非常用予備発電装置工事 |
第1種でも「すべての自家用」ではありません——500kW未満までです。
500kW以上の自家用は、電気工事士法の規制の外——主任技術者の監督下で行われます。
ネオンと非常用予備発電装置は、第1種でも扱えません——特種の資格が別に要ります。
横断問題の解き方
本問は5つの法令から1つずつ記述が並んでいます——どこから来た記述かを見分けるのが第一歩です。
数字を問う肢は、覚えていれば一瞬で判定できます——(1)(4)がそれにあたります。
残った肢のうち、条件が複数ある規定を疑う——本問なら(2)の除外規定です。
30V未満の設備の例
| 設備 | 電気工作物か |
| ★電池式の火災報知器 | ★★該当しない(接続なし) |
| ★変圧器で100Vから取った24V回路 | ★★該当する(接続あり) |
| ★12VのLED照明(AC100Vから変換) | ★★該当する(接続あり) |
身近な設備の多くは、結局100Vから電気を取っています——だから除外される場面は意外と少ないのです。
完全に独立していることが除外の条件——ここを押さえておきましょう。
公式PDFがない年度の問題
平成18年度は公式の問題PDFが公表されていません——条文と過去問データから再構成しています。
それでも条文そのものは変わっていないので、演習に使えます——数字の改正だけ確かめれば十分です。
古い年度を捨てるのはもったいない——同じ論点が形を変えて出続けています。
ダミーの作り方を読む
| 条文の言葉 | ダミー語 | 違い | |
| 30V未満かつ接続なし | ★★30V未満かつ接続なし | ★30V未満なら除外 | ★★条件が2つあることを隠す |
| 500kW未満の自家用 | ★★500kW未満の自家用 | ★すべての自家用 | ★★範囲を広げる |
| 101Vの上下6V | ★★101Vの上下6V | ★100Vの上下6V | ★★中心値をずらす |
条件を1つ落とす、範囲を広げる、数字をずらす——この3つが定番の作り方です。
作り方を知っていれば、疑うべき場所が分かります。
「電気工作物」の入口を押さえる
| 段階 | 問い |
| ★① | ★★そもそも電気工作物か(30V未満の除外) |
| ★② | ★★一般用か事業用か |
| ★③ | ★★事業用なら電気事業用か自家用か |
区分の議論は、まず「電気工作物かどうか」から始まります——その入口が施行令の除外規定です。
電気工作物でなければ、電気事業法の規制は何もかかりません——だから入口の条件が厳しく書かれているのです。
⏱️ 本番での進め方
① 数字の肢((1)(4))を先に消す——覚えていれば一瞬。
② 残りで条件が複数ある規定を疑う。本問は(2)の除外規定。
③ 「30V未満なら電気工作物でない」は誤り——接続の有無が条件。
④ 第1種電気工事士は500kW未満の自家用まで。すべてではない。
施行令という法令の位置づけ
| 法令 | 誰が定めるか | 例 |
| ★法律 | ★★国会 | ★★電気事業法 |
| ★政令(施行令) | ★★内閣 | ★★電気事業法施行令 |
| ★省令(施行規則) | ★★大臣 | ★★電気事業法施行規則 |
30V未満の除外を定めているのは政令=施行令です——省令の施行規則とは別の法令です。
法律→政令→省令と、下にいくほど細かくなります——この階層を知っていると、条文の位置づけが分かります。
出題履歴——横断問題は総まとめに使える
| 年度 | 問われ方 |
| ★平成18年度 問2 | ★★5法令の横断正誤(本問) |
| ★平成26年度 問5 | ★★電圧維持+電圧の種別 |
| ★平成19年度 問3 | ★★小規模発電設備の数字 |
平成26年度 A問題5で電圧まわりの数字を固めておけば、(1)(4)は即断できます。
横断問題は、知識の穴を見つけるのに向いています——解けなかった肢の分野を復習しましょう。
💡 覚え方
電気工作物から除かれるのは30V未満かつ30V以上の設備と電気的に接続されていないもの。101±6V/202±20V。特別高圧=7000V超。第1種電気工事士=一般用+最大電力500kW未満の自家用/第2種=一般用のみ。
⚠️ よくある間違い
「30V未満なら電気工作物ではない」と短絡しない——接続されていないことが条件。第1種電気工事士の範囲を「すべての自家用」としない——500kW未満まで。
まとめ
| (1) | 正しい(101±6V) |
| (2) | 誤り(接続されているので電気工作物) |
| (3) | 正しい(10kW太陽電池は小規模発電設備) |
| (4) | 正しい(特別高圧=7000V超) |
| (5) | 正しい(第一種は500kW未満の自家用) |
| 答え | (2) |
▼あわせて解きたい関連問題
・電圧の維持と電圧の種別(電気事業法23):【法規】平成26年度 A問題5
・小規模発電設備(電気事業法40):【法規】平成19年度 A問題3

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