今回は平成26年度 法規科目 A問題5、電圧の維持と電圧の種別という、法規で必ず覚える数字が2つまとめて問われる問題です。
覚えるのは101±6V/202±20Vと低圧=直流750V以下・交流600V以下、高圧=そこを超え7000V以下、特別高圧=7000V超。中心値が100V・200Vではなく101V・202Vである点が最頻出の引っかけです。
平成26年度 法規科目 A問題5:問題文と選択肢
まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「平成26年度 第三種電気主任技術者試験」法規科目 A問題5
電験3種 法規科目 【電気事業法】 平成26年度 A問題5
次の文章は、「電気事業法」及び「電気事業法施行規則」に基づく、電圧の維持に関する記述である。
電気事業者(卸電気事業者及び特定規模電気事業者を除く。)は、その供給する電気の電圧の値をその電気を供給する場所において、標準電圧100Vでは101Vの上下(ア)Vを超えない値、標準電圧200Vでは202Vの上下(イ)Vを超えない値に維持するように努めなければならない。
また、次の文章は、「電気設備技術基準」に基づく、電圧の種別等に関する記述である。
電圧は、次の区分により低圧、高圧及び特別高圧の三種とする。
a. 低圧 直流にあっては(ウ)V以下、交流にあっては(エ)V以下のもの
b. 高圧 直流にあっては(ウ)Vを、交流にあっては(エ)Vを超え、(オ)V以下のもの
c. 特別高圧 (オ)Vを超えるもの
上記の記述中の空白箇所(ア)、(イ)、(ウ)、(エ)及び(オ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
(ア) (イ) (ウ) (エ) (オ) (1) 6 20 600 450 6 600 (2) 5 20 750 600 7 000 (3) 5 12 600 400 6 600 (4) 6 20 750 600 7 000 (5) 6 12 750 450 7 000

答えは(4):6・20・750・600・7000
(ア)(イ)は電圧維持の6と20——中心値が101V・202Vである点は必ず押さえます。
(ウ)(エ)は低圧の上限で750と600——直流のほうが大きいのがポイントです。
(オ)は高圧の上限で7000——6600Vではありません。
★電圧の種別を一枚で
| 種別 | 直流 | 交流 |
| ★低圧 | ★★750V以下 | ★★600V以下 |
| ★高圧 | ★★750V超〜7000V以下 | ★★600V超〜7000V以下 |
| ★特別高圧 | ★★7000V超 | ★★7000V超 |
低圧の上限だけが直流と交流で違います——高圧の上限はどちらも7000Vで共通です。
この非対称が、数字を混同させる原因になります——表の形で覚えておきましょう。
なぜ直流のほうが上限が高いのか
交流の電圧は、実効値で表されます——実際の波の頂点は、その√2倍まで上がります。
600Vの交流なら、瞬間的には約850Vに達します——絶縁にとってはこの頂点が効いてくるのです。
直流には頂点がありません——だから同じ危険度なら、直流のほうが高い値まで許せるのです。
6600Vと7000Vはどう違うのか
| 数字 | 意味 |
| ★6600V | ★★高圧配電で使われている公称電圧(実際の値) |
| ★7000V | ★★法令上の高圧と特別高圧の境目(区分の値) |
6600Vは実務でよく見る数字、7000Vは法令の区分です——役割がまったく違います。
「高圧の上限は6600V」と書いてあったら誤りです——定番のダミーなので注意しましょう。
公称電圧と最大使用電圧
| 公称電圧 | 最大使用電圧 |
| ★6600V | ★★6900V(6600×1.15/1.1) |
| ★22000V | ★★23000V |
| ★66000V | ★★69000V |
絶縁耐力試験では、この最大使用電圧を基準に計算します——公称電圧をそのまま使うと誤ります。
1.15/1.1倍という係数もセットで覚えておきましょう——技術基準の計算で必ず使います。
電圧維持の数字をもう一度
| 条文の言葉 | ダミー語 | 違い | |
| 101Vの上下6V | ★★101Vの上下6V | ★100Vの上下6V | ★★中心値は101V |
| 202Vの上下20V | ★★202Vの上下20V | ★202Vの上下12V | ★★200V側は上下20V |
| 直流750V以下 | ★★直流750V以下 | ★直流600V以下 | ★★直流のほうが大きい |
直流と交流を入れ替えるのが、この分野の定番ダミーです——「直流は大きいほう=750」と唱えて覚えましょう。
電圧維持のほうも、中心値の1Vと2Vのずれが狙われます。
低圧・高圧・特別高圧で何が変わるのか
| 区分 | 主な用途 | 電気工事士 |
| ★低圧 | ★★一般家庭・小規模店舗 | ★★第2種で作業できる |
| ★高圧 | ★★ビル・工場の受電 | ★★第1種の範囲(自家用500kW未満) |
| ★特別高圧 | ★★大規模工場・送電 | ★★主任技術者の世界 |
区分が変われば、必要な資格も規制も変わります——だから境目の数字が重要なのです。
電気工事士法や解釈の条文も、この区分を前提に書かれています。
努力義務であることを見落とさない
電圧の維持は「努めなければならない」=努力義務です——結果を保証する義務ではありません。
いっぽう電圧の種別は、定義であって義務ではありません——同じ問題に性格の違う条文が入っているのです。
条文の性格まで意識すると、語尾のひっかけにも対応できます。
数字の覚え方をまとめる
| 覚える数字 | 値 |
| ★100V系の維持 | ★★101±6V(95〜107V) |
| ★200V系の維持 | ★★202±20V(182〜222V) |
| ★低圧(直流) | ★★750V以下 |
| ★低圧(交流) | ★★600V以下 |
| ★高圧の上限 | ★★7000V |
この5つは、法規のあらゆる場面で前提になります——まっさきに固めるべき数字です。
覚えていれば10秒で解ける問題が、毎年のように出ます。
区分の境目で規制がどう変わるか
| 境目 | 越えると変わること |
| ★600V(交流) | ★★低圧→高圧。自家用になり主任技術者が必要 |
| ★7000V | ★★高圧→特別高圧。外部委託承認の対象外になる |
| ★1万V(受電電圧) | ★★工事計画の届出・使用前自主検査が必要になる |
境目を1つ越えるごとに、負う義務が増えていきます——だから数字が重要なのです。
600V・7000V・1万Vの3つは、法規全体を通じて効いてきます——まとめて覚えてしまいましょう。
⏱️ 本番での進め方
① 101±6V/202±20Vを反射で出す。中心値の1V・2Vのずれが命。
② 直流750>交流600——「直流は大きいほう」で覚える。
③ 高圧の上限は7000V。6600Vは公称電圧であって区分の値ではない。
④ 5空欄でも知っていれば10秒——確実に取りたい問題。
直流の低圧が750Vである実感
鉄道の直流電化は、直流1500Vが標準です——750Vを超えているので高圧にあたります。
路面電車では直流600Vが使われてきました——こちらは750V以下なので低圧です。
身近な例に当てはめると、数字が実感を持ちます——丸暗記より忘れにくくなります。
出題履歴——数字は必ず出る
| 年度 | 問われ方 |
| ★平成21年度 問10 | ★★電圧維持+周波数 |
| ★平成26年度 問1 | ★★送電線路・配電線路の定義 |
| ★平成26年度 問5 | ★★電圧維持+電圧の種別(本問) |
平成21年度 A問題10では、同じ101±6V/202±20Vに加えて周波数が問われました。
本問は電圧の種別まで含む点が違います——2本あわせて解けば、電圧まわりが一通り固まります。
💡 覚え方
電圧維持=100V→101±6V(95〜107V)/200V→202±20V(182〜222V)。電圧の種別=低圧は直流750V以下・交流600V以下/高圧はそれを超え7000V以下/特別高圧は7000V超。
⚠️ よくある間違い
中心値を100V・200Vとしない——101V・202V。直流と交流の数字を逆にしない——直流750>交流600。高圧の上限は6600Vではなく7000V(6600Vは配電の公称電圧)。
まとめ
| (ア) | 6(101±6V=95〜107V) |
| (イ) | 20(202±20V=182〜222V) |
| (ウ) | 750(直流の低圧上限) |
| (エ) | 600(交流の低圧上限) |
| (オ) | 7 000(高圧の上限) |
| 答え | (4) |
▼あわせて解きたい関連問題
・電圧及び周波数の値(電気事業法35):【法規】平成21年度 A問題10
・送電線路・配電線路の定義(電気事業法22):【法規】平成26年度 A問題1

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