電気事業法22【電験3種 法規】送電線路は発変電所どうし・配電線路は需要設備まで!附属は開閉所 平成26年度 A問題1 完全解説

電験3種 法規科目 電気事業法 平成26年度 A問題1 送電線路と配電線路の境目はどこ?定義を確認

今回は平成26年度 法規科目 A問題1送電線路と配電線路の定義の空欄補充問題です。用語の定義は地味ですが、他の条文を読むときの土台になります。

境目は需要設備送電線路=発電所・変電所どうしを結ぶ配電線路=発電所・変電所・送電線路から需要設備まで(又は需要設備どうし)。どちらも附属するのは開閉所その他の電気工作物です。

目次

平成26年度 法規科目 A問題1:問題文と選択肢

まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

電験3種 法規科目 配電 平成26年度 A問題1 問題文
平成26年度 法規科目 A問題1 問題文

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「平成26年度 第三種電気主任技術者試験」法規科目 A問題1

電験3種 法規科目 【電気事業法】 平成26年度 A問題1

 次の文章は、「電気事業法施行規則」における送電線路及び配電線路の定義である。

 a.「送電線路」とは、発電所相互間、変電所相互間又は発電所と(ア)との間の(イ)(専ら通信の用に供するものを除く。以下同じ。)及びこれに附属する(ウ)その他の電気工作物をいう。

 b.「配電線路」とは、発電所、変電所若しくは送電線路と(エ)との間又は(エ)相互間の(イ)及びこれに附属する(ウ)その他の電気工作物をいう。

 上記の記述中の空白箇所(ア)、(イ)、(ウ)及び(エ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

(ア)(イ)(ウ)(エ)
(1)変電所電線開閉所電気使用場所
(2)開閉所電線路支持物電気使用場所
(3)変電所電線支持物開閉所
(4)開閉所電線支持物需要設備
(5)変電所電線路開閉所需要設備
答え(ア)変電所・(イ)電線路・(ウ)開閉所・(エ)需要設備 = (5)

答えは(5):変電所・電線路・開閉所・需要設備

電気事業法施行規則 第1条(用語の定義)

「送電線路」とは、発電所相互間、変電所相互間又は発電所と変電所との間の電線路(専ら通信の用に供するものを除く。)及びこれに附属する開閉所その他の電気工作物をいう。/「配電線路」とは、発電所、変電所若しくは送電線路と需要設備との間又は需要設備相互間の電線路及びこれに附属する開閉所その他の電気工作物をいう。

境目は需要設備。ここより手前が送電線路、ここへ向かうのが配電線路です。

(ア)は「変電所」——送電線路がつなぐのは発電所と変電所という2種類の施設です。

(イ)は「電線路」・(ウ)は「開閉所」——本体は電線路、附属するのが開閉所その他です。

(エ)は「需要設備」——配電線路の終端はお客さまの設備です。

「電線」と「電線路」は別のもの

指すもの
★電線★★導体そのもの。銅やアルミの線
★電線路★★電線+支持物+がいしなどをまとめた設備全体
★送電線路★★電線路+附属する開閉所その他の電気工作物

電線だけでは電気は送れません——鉄塔やがいしがあって、はじめて線路になるのです。

だから定義に使われるのは「電線路」です——「電線」を選ぶと、設備の一部しか指さないことになります

「支持物」も同じ理由でダミーです——支持物は電線路の構成要素であって、附属する電気工作物ではありません

電気が届くまでの道すじ

区間呼び名電圧の目安
★発電所→変電所★★送電線路★★27万5000V・15万4000Vなど
★変電所→変電所★★送電線路★★6万6000Vなど
★変電所→需要設備★★配電線路★★6600V・100/200V

発電所を出た電気は、変電所で何度も電圧を下げながら運ばれます——その道のりが送電線路です。

最後に需要設備へ向かう区間が配電線路です——街中の電柱がこれにあたります

定義を丸暗記するより、この流れを思い浮かべるほうが確実です

「需要設備」と「電気使用場所」を混ぜない

条文の言葉ダミー語違い
需要設備★★需要設備★電気使用場所★★施行規則の定義で使うのは需要設備
電線路★★電線路★電線★★定義に使うのは設備全体を指す電線路
開閉所★★開閉所★支持物★★支持物は電線路の一部。附属設備ではない

「電気使用場所」は電気設備技術基準の側で使われる語です——法体系が違うので、この定義には出てきません

似た意味の語が、法令ごとに使い分けられています——どの法令の話かを意識すると、選択肢が絞れます

「専ら通信の用に供するもの」を除く理由

送電鉄塔には、電力を送る電線のほかに通信線も架かっています——保護リレーの信号や運転情報を送るためです。

しかし通信専用の線は、電気を送る設備ではありません——だから定義から外してあるのです。

この括弧書きは、条文をていねいに読ませるための出題ポイントにもなります

開閉所とは何か

開閉所は、電圧を変えずに電路の開閉だけを行う場所です——変圧器がないのが変電所との違いです。

線路の途中で系統を切り替えたり、事故区間を切り離したりします——だから線路に「附属する」設備という位置づけになります。

(ア)に「開閉所」を入れてしまうと、(ウ)と重複します——同じ語が2か所に出てくるのは不自然だと気づけます。

発電所・変電所・開閉所の役割

施設していること変圧器
★発電所★★電気を作る★★ある(昇圧用)
★変電所★★電圧を変える★★ある
★開閉所★★電路を開閉する★★ない

変圧器があるかないかが、変電所と開閉所の分かれ目です——電圧を変えないなら開閉所です。

だから開閉所は線路に「附属する」設備という扱いになります——線路の途中に置かれる切り替え装置だからです。

需要設備とは何を指すか

需要設備とは、電気を使うために設けられた設備の一式です——受電設備から屋内配線までが含まれます。

工場やビルの受電設備は、この需要設備にあたります——自家用電気工作物の中心をなすものです。

配電線路の終端が需要設備だ、というのは電気が最後に届く先という意味です——電気の旅の終点だと考えれば覚えやすくなります。

電気工作物の全体像

階層中身
★電気工作物★★いちばん大きなくくり
★ └ 事業用★★電気事業用+自家用
★ └ 一般用★★一般家庭・小規模店舗
★施設の種類★★発電所・変電所・開閉所・送電線路・配電線路・需要設備

「誰のものか」で分けたのが事業用と一般用——「何をするものか」で分けたのが発電所や線路です。

2つの分け方が重なっていることを押さえておくと、用語の問題で混乱しません

⏱️ 本番での進め方
① まず「電線」か「電線路」かを決める——設備全体なので電線路。
配電線路の終端は「需要設備」——電気使用場所は別法令の語。
③ (ア)に開閉所を入れると(ウ)と重複する。重複は不自然と考える。
④ 用語の定義問題は電気が届く道すじを思い浮かべると速い。

定義を覚えるコツ

「送電線路は施設どうし、配電線路は施設から需要設備へ」——この一行で両方の違いが言えます

共通するのは、どちらも電線路+附属する開閉所その他という構成です——違うのは、つなぐ先だけなのです。

共通部分と相違部分を分けて覚えると、覚える量が半分になります

定義の条文は、施行規則の第1条にまとまって置かれています——一度まとめて目を通しておく価値があります

用語が曖昧なままだと、解釈の問題でも足をすくわれます

出題履歴——用語の定義は土台になる

年度問われ方
★平成26年度 問1★★送電線路・配電線路の定義(本問)
★平成26年度 問5★★電圧の維持
★令和1年度 問1★★電気事業そのものの定義

用語の定義は地味ですが、他の条文を読むときの土台になります——ここが曖昧だと、解釈の問題でも足をすくわれます

令和1年度 A問題1では事業そのものの定義が問われました。設備の定義と事業の定義は、あわせて押さえておきましょう

💡 覚え方
送電線路=発電所相互間・変電所相互間・発電所と変電所の間の電線路+附属する開閉所その他の電気工作物(専ら通信用は除く)。配電線路=発電所・変電所・送電線路と需要設備の間、又は需要設備相互間の電線路+附属する開閉所その他。境目は需要設備

⚠️ よくある間違い
「電線」と電線路を混同しない。附属設備は「支持物」ではなく開閉所その他の電気工作物。配電線路の終端は「電気使用場所」ではなく需要設備

まとめ

(ア)変電所
(イ)電線路
(ウ)開閉所
(エ)需要設備
除外専ら通信の用に供するもの
答え(5)

▼あわせて解きたい関連問題
・電気事業の定義(電気事業法13):【法規】令和1年度 A問題1
・電圧の維持(電気事業法23):【法規】平成26年度 A問題5

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