電気事業法41【電験3種 法規】「適合」「設置する者」「制限」!技術基準適合命令の3語 平成18年度 A問題1 完全解説

電験3種 法規科目 電気事業法 平成18年度 A問題1 適合命令の3つの語!条文の言い回しを固める

今回は平成18年度 法規科目 A問題1技術基準適合命令の空欄補充問題です。平成23年度・令和6年度・平成29年度でも繰り返し問われている、法規の超定番条文です。

抜かれるのはいつも同じ3種類の語。技術基準に「適合」/「設置」する者/使用を「制限」。ここに「合格」「管理」「禁止」といったダミーが混ぜられます。

目次

答えは(5):適合・設置・制限

電気事業法 第40条(技術基準適合命令)

経済産業大臣は、事業用電気工作物が経済産業省令で定める技術基準に適合していないと認めるときは、事業用電気工作物を設置する者に対し、その技術基準に適合するように事業用電気工作物を修理し、改造し、若しくは移転し、若しくはその使用を一時停止すべきことを命じ、又はその使用を制限することができる。

空欄を埋めた形で3回音読すれば、語順ごと頭に残ります。

(ア)は「適合」——基準との一致を表す語は、電気事業法では一貫して適合です。

(イ)は「設置」——命令の相手は、維持義務を負っている設置者でなければ筋が通りません。

(ウ)は「制限」——条文に「禁止」という語は出てきません。強い手が一時停止、弱い手が制限です。

平成18年度 法規科目 A問題1:問題文と選択肢

まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

電験3種 法規科目 配電 平成18年度 A問題1 問題文
平成18年度 法規科目 A問題1 問題文

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「平成18年度 第三種電気主任技術者試験」法規科目 A問題1

電験3種 法規科目 【電気事業法】 平成18年度 A問題1

 次の文章は、「電気事業法」に基づく、技術基準適合命令に関する記述である。

 経済産業大臣は、事業用電気工作物が経済産業省令で定める技術基準に(ア)していないと認めるときは、事業用電気工作物を(イ)する者に対し、その技術基準に(ア)するように事業用電気工作物を修理し、改造し、若しくは移転し、若しくはその使用を一時停止すべきことを命じ、又はその使用を(ウ)することができる。

 上記の記述中の空白箇所(ア)、(イ)及び(ウ)に当てはまる語句として、正しいものを組み合わせたのは次のうちどれか。

(注)平成18年度は公式問題PDFが公表されていないため、条文と過去問データに基づいて問題文を再構成しています。

(ア)(イ)(ウ)
(1)適合管理禁止
(2)合格管理制限
(3)合格設置禁止
(4)適合管理制限
(5)適合設置制限
答え(ア)適合・(イ)設置・(ウ)制限 = (5)

39条・40条・107条は一本の線でつながっている

条文内容役割
★法39条★★技術基準に適合するように維持せよ★★平常時の義務
★法40条★★適合していなければ大臣が命令できる★★破られたときの是正
★法107条★★大臣は立入検査ができる★★破れているかを確かめる手段

義務を課す条文・確かめる条文・直させる条文の3点セットです——40条だけを丸暗記すると、なぜ設置者が相手なのかが見えなくなります。

39条で義務を負うのが「設置する者」だから、40条で命令を受けるのも設置する者です——義務の主体と命令の相手は必ず一致します。

「適合」と「合格」は使う場面が違う

条文の言葉ダミー語違い
適合★★適合★合格★★基準と一致しているかどうかを表す
設置する者★★設置する者★管理する者★★義務を負うのは所有・設置している側
制限★★制限★禁止★★条文にない語。使用を細らせるのが制限

「合格」は検査の結果に対して使う語です——合格・不合格は人が判定した結論を指します。

いっぽう「適合」は、基準と設備との関係そのものを表します——誰かが判定しなくても、適合しているかどうかは決まっているのです。

この違いを押さえると、条文を読んだだけでどちらの語が入るか判断できます

大臣が打てる手は「命令」と「制限」の二階建て

手段中身重さ
★修理・改造・移転★★設備そのものを直させる★★通常の是正
★使用の一時停止★★いったん止めさせる★★最も強い
★使用の制限★★条件を付けて使わせる★★ゆるやかな手

前半3つと一時停止は「命じ」、最後の制限は「することができる」と書き分けられています——命令ではなく大臣自身の処分だからです。

危険の度合いに応じて手段を選べるようにしてある、という設計です——いきなり止めるだけでは、社会が回らなくなるから。

実務ではこう現れる

年次点検で絶縁抵抗が基準を割っていた、接地抵抗が規定値を超えていた——こうしたときに動くのが40条です

実際には、主任技術者が先に見つけて自主的に直します——大臣の命令まで行くのは、報告や検査で発覚した重い案件だけです。

つまり40条は、主任技術者制度が働かなかったときの最後の砦です——だから相手方が設置者になっているのです。

⏱️ 本番での進め方
① 空欄(ア)を見たら、まず「適合」か「合格」かを判断する。基準の話なら適合。
② 命令の相手方は義務を負う者=設置する者。ここで選択肢が半分に減る。
③ 最後は「禁止」を含む肢を捨てる。電気事業法に禁止という手段はない。
④ 3語のうち2語が決まれば、残りは自動的に定まる——全部を吟味しない

出題履歴——形を変えて何度も出る

年度問われ方
★平成18年度 問1★★適合・設置・制限の3語(本問)
★平成23年度 問2★★同じ40条を別の空欄で
★令和6年度上期 問1★★39条の維持義務と合わせて

条文が短いぶん、抜かれる場所を変えて繰り返されます——3語だけでなく、条文を丸ごと覚えておくのが確実です。

平成21年度 A問題1(法第1条の目的)と合わせて読むと、「規制」という手段が40条で具体化していることが見えてきます。

主語が「経済産業大臣」である意味

電気事業法で命令や許可を出すのは、原則として経済産業大臣です——内閣総理大臣でも都道府県知事でもありません

電気は全国が一本の系統でつながっています——地域ごとに技術基準が違ったら、電気を融通できなくなるのです。

だから国が一元的に基準を決め、一元的に守らせます——この一貫性が、電気事業法の行政庁が大臣で統一されている理由です。

手続相手方
★技術基準適合命令★★経済産業大臣
★保安規程の届出★★経済産業大臣
★主任技術者の選任の届出★★経済産業大臣
★電気工事業の登録★★経済産業大臣又は都道府県知事(例外)

例外は電気工事業法の登録だけです——営業所が1つの都道府県に収まるなら知事が窓口になります。

一般用電気工作物には別の条文が用意されている

対象命令の条文誰に命じるか
★事業用電気工作物★★法40条★★設置する者
★一般用電気工作物★★法56条★★所有者又は占有者

一般用にも技術基準適合命令はありますが、条文が違います——相手方も「所有者又は占有者」に変わります

一般家庭には設置者という概念がなじまないからです——誰に命じるかは、その設備を誰が持っているかで決まるのです。

4つの動詞を順に唱えられるようにする

動詞意味
★①★★修理し★★壊れたところを直す
★②★★改造し★★構造そのものを変える
★③★★移転し★★場所を移す
★④★★使用を一時停止★★いったん止める

この4つが「命じ」の対象で、そのあとに「又は使用を制限」が続きます——4+1という構成で覚えましょう。

修理→改造→移転と、だんだん手当てが大きくなっていく順番です——意味のある並びなので、覚えやすくなっています。

「若しくは」と「又は」で階層が分かる

条文では、小さいくくりの選択に「若しくは」、大きいくくりの選択に「又は」を使います

本条なら、修理・改造・移転・一時停止は「若しくは」でつながれた小さい選択肢です——それらをひとまとめにした「命じる」と「制限する」を分けるのが「又は」

この使い分けを知っていると、長い条文でも構造が見えます——法規を読む力そのものが上がるので、覚えておく価値があります。

💡 覚え方
法40条=経済産業大臣→設置する者に、修理・改造・移転・使用の一時停止を命じ、又は使用を制限。キーワードは適合・設置・制限。法39条の維持義務、法107条の立入検査とセットで暗記する。

⚠️ よくある間違い
「合格」「管理」「禁止」はすべてダミー——条文に禁止・撤去という語はない。また相手を「所有者」としないこと(それは一般用の法56条)。

まとめ

(ア)適合
(イ)設置(する者)
(ウ)制限
命令の内容修理・改造・移転・使用の一時停止
根拠電気事業法 第40条
答え(5)

▼あわせて解きたい関連問題
・技術基準適合命令(電気事業法30):【法規】平成23年度 A問題2
・技術基準への適合(電気事業法4):【法規】令和6年度上期 A問題1

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