電気事業法32【電験3種 法規】目的は公共の安全の確保と環境の保全!工事・維持・運用を「規制」 平成21年度 A問題1 完全解説

電験3種 法規科目 電気事業法 平成21年度 A問題1 電気事業法の目的は2つ!安全の確保と環境保全

今回は平成21年度 法規科目 A問題1電気事業法の目的(第1条)の空欄補充問題です。法規のすべての条文はこの目的から派生しているので、丸暗記しておく価値があります。

第1条は2階建て。前半が事業規制(電気事業の運営を適正かつ合理的にして、使用者の利益を保護し、電気事業の健全な発達を図る)、後半が保安規制(電気工作物の工事・維持・運用を規制して、公共の安全を確保し、環境の保全を図る)。

目次

答えは(3):規制・公共・環境

電気事業法 第1条(目的)

この法律は、電気事業の運営を適正かつ合理的ならしめることによって、電気の使用者の利益を保護し、及び電気事業の健全な発達を図るとともに、電気工作物の工事、維持及び運用を規制することによって、公共の安全を確保し、及び環境の保全を図ることを目的とする。

前半が事業規制、後半が保安規制。法規のすべての条文はここから枝分かれします。

(ア)は「規制」——ルールを定めるだけでなく、命令や検査で守らせるところまで含むので「規定」ではありません。

(イ)は「公共」——守るのは電気ではなく、人と社会です。

(ウ)は「環境」——この一語があるから、ばい煙や騒音の規定が電気事業法に入ってこられるのです。

平成21年度 法規科目 A問題1:問題文と選択肢

まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

電験3種 法規科目 配電 平成21年度 A問題1 問題文
平成21年度 法規科目 A問題1 問題文

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「平成21年度 第三種電気主任技術者試験」法規科目 A問題1

電験3種 法規科目 【電気事業法】 平成21年度 A問題1

 次の文章は、「電気事業法」の目的についての記述である。

 この法律は、電気事業の運営を適正かつ合理的ならしめることによって、電気の使用者の利益を保護し、及び電気事業の健全な発達を図るとともに、電気工作物の工事、維持及び運用を(ア)することによって、(イ)の安全を確保し、及び(ウ)の保全を図ることを目的とする。

 上記の記述中の空白箇所(ア)、(イ)及び(ウ)に当てはまる語句として、正しいものを組み合わせたのは次のうちどれか。

(ア)(イ)(ウ)
(1)規定公共電気工作物
(2)規制電気電気工作物
(3)規制公共環境
(4)規定電気電気工作物
(5)規定電気環境
答え(ア)規制・(イ)公共・(ウ)環境 = (3)

第1条は二階建てになっている

手段目的
★前半(事業規制)★★事業の運営を適正かつ合理的にする★★使用者の利益の保護・事業の健全な発達
★後半(保安規制)★★工作物の工事・維持・運用を規制する★★公共の安全の確保・環境の保全

電験3種で問われるのは、ほとんどが後半の保安規制です——主任技術者も保安規程も技術基準も、すべて後半から生えています

前半は電気事業の許可・登録・料金といった話につながります——令和1年度の問1がまさにこの前半の出題でした。

「規制」と「規定」——手段の強さが違う

条文の言葉ダミー語違い
規制★★規制★規定★★定めたうえで守らせるところまで含む
公共の安全★★公共の安全★電気の安全★★守る対象は電気ではなく人と社会
環境の保全★★環境の保全★電気工作物の保全★★工作物の保全は手段。目的は環境

「規定」は、ただ決めるという意味です——決めただけでは、守られなかったときに何もできません

第40条の適合命令も第107条の立入検査も、この「規制」という一語の中身です——だから規定では弱すぎるのです。

「環境の保全」が入っている意味

電気を作る過程では、ばい煙・排水・騒音・振動が出ます——これらを電気事業法で扱えるのは、目的に環境が書いてあるからです。

法第28条の公害防止の規定は、まさにここから来ています——平成24年度の問3で問われた論点です。

目的規定は飾りではなく、法律が扱える範囲を決める条文です——だから丸暗記する価値があるのです。

⏱️ 本番での進め方
① まず「規制」か「規定」かで肢を絞る。守らせるところまで含むので規制。
② 次に「公共」を選ぶ——「電気の安全」という言い方は条文にない。
③ 最後は「環境」。工作物の保全は手段であって目的ではない。
④ 目的条文は丸ごと暗唱できるようにしておくと、他の条文の判断も速くなる。

出題履歴——法規の一問目に置かれやすい

年度問われ方
★平成21年度 問1★★規制・公共・環境(本問)
★平成24年度 問3★★目的から派生した公害防止
★令和1年度 問1★★前半の事業規制のほう

平成18年度 A問題1(技術基準適合命令)を読むと、第1条の「規制」が第40条でどう具体化するかが分かります。

目的→義務→命令→検査、という流れで条文を並べておくと、法規全体が一枚の地図になります

第1条から法規全体が枝分かれしている

第1条の言葉具体化した条文
★工事・維持及び運用を規制★★法39条(維持義務)・法40条(適合命令)
★公共の安全を確保★★法42条(保安規程)・法43条(主任技術者)
★環境の保全★★法28条(公害の防止)
★使用者の利益を保護★★小売電気事業の登録・供給能力確保義務

目的条文は、法律が扱ってよい範囲を決める条文です——ここに書いていないことは、この法律では扱えません

だから条文を覚えるときは、第1条のどの言葉から来ているかをたどると整理しやすくなります

「工事、維持及び運用」は3点セットで出てくる

この3語は、法規のあちこちにそのまま繰り返し登場します——保安規程も主任技術者も、この3つが対象です。

作るとき(工事)・保つとき(維持)・使うとき(運用)——設備の一生を3語で覆っているのです。

空欄補充でこの並びが出たら、順番ごとそのまま書けるようにしておきましょう——「工事、維持及び運用」で一語のかたまりです。

電気工作物とは何を指すのか

区分
★発電★★発電機・太陽電池・ボイラ
★変電★★変圧器・遮断器・断路器
★送電・配電★★電線路・鉄塔・電柱
★需要設備★★受電設備・屋内配線

第1条が「電気工作物」と言っているのは、この全部です——作るところから使うところまで、ひとつながりで規制しています。

ただし、船舶・車両・航空機の中の設備などは除かれます——それぞれ別の法律で見ているからです。

目的条文は「手段」と「目的」に分けて読む

手段(〜することによって)目的(〜を図る)
★前半★★運営を適正かつ合理的にする★★使用者の利益の保護・健全な発達
★後半★★工事・維持・運用を規制する★★公共の安全の確保・環境の保全

「〜することによって」の前が手段、後ろが目的です——この形で読むと、長い一文が一気にほどけます

(ウ)で「電気工作物の保全」を選んでしまうのは、手段を目的の欄に置いてしまうからです——工作物を保つのは手段であって、守りたいのは環境

法律・省令・解釈の3層構造

名前役割
★法律★★電気事業法★★目的と大枠を決める
★省令★★電気設備に関する技術基準を定める省令★★守るべき水準を示す
★解釈★★電気設備技術基準の解釈★★具体的な数値と方法を示す

上ほど抽象的で、下ほど具体的です——第1条はこの3層のいちばん上、出発点にあたります。

法規の試験範囲は、この3層すべてにまたがっています——いま解いている問題がどの層の話かを意識すると、頭が整理されます。

省令は「〜しなければならない」と水準だけを示し、解釈が「何メートル以上」と数値を与えます

だから解釈は改正されやすく、省令はめったに変わりません——抽象度が高いほど長持ちするのです。

💡 覚え方
法第1条=①電気事業の運営を適正・合理的にし、電気の使用者の利益を保護し、電気事業の健全な発達を図る ②電気工作物の工事・維持・運用を規制し、公共の安全を確保し、環境の保全を図る。前半が事業規制、後半が保安規制の二階建て。

⚠️ よくある間違い
「規定」ではなく規制(守らせるところまで含む)。「電気の安全」ではなく公共の安全「電気工作物の保全」ではなく環境の保全——手段と目的を取り違えない。

まとめ

(ア)規制
(イ)公共(の安全)
(ウ)環境(の保全)
前半の目的使用者の利益の保護・電気事業の健全な発達
答え(3)

▼あわせて解きたい関連問題
・公害等の防止(電気事業法28):【法規】平成24年度 A問題3
・電気事業の定義(電気事業法13):【法規】令和1年度 A問題1

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