電技省令13【電験3種 法規】過電流による過熱焼損から保護し火災を防止!過電流遮断器の条文 令和5年度上期 A問題3 完全解説

電験3種 法規科目 電技省令 令和5年度上期 A問題3 過電流で焼けないように守る!遮断器の条文

今回は令和5年度上期 法規科目 A問題3過電流からの保護対策の空欄補充問題です。短い条文なので、丸ごと暗唱できるようにしておきたい1問です。

条文は一文だけ。「電路の必要な箇所には、過電流による過熱焼損から電線及び電気機械器具を保護し、かつ、火災の発生を防止できるよう、過電流遮断器を施設しなければならない」設備を守る(過熱焼損)+人と建物を守る(火災)の二段構えです。

目次

令和5年度上期 法規科目 A問題3:問題文と選択肢

まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

電験3種 法規科目 配電 令和5年度上期 A問題3 問題文
令和5年度上期 法規科目 A問題3 問題文

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「令和5年度上期 第三種電気主任技術者試験」法規科目 A問題3

電験3種 法規科目 【電技省令】 令和5年度上期 A問題3

 「電気設備技術基準」では、過電流からの電線及び電気機械器具の保護対策について、次のように規定している。

 (ア)の必要な箇所には、過電流による(イ)から電線及び電気機械器具を保護し、かつ、(ウ)の発生を防止できるよう、過電流遮断器を施設しなければならない。

 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(ウ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

(ア)(イ)(ウ)
(1)幹線過熱焼損感電事故
(2)配線温度上昇感電事故
(3)電路電磁力変形
(4)配線温度上昇火災
(5)電路過熱焼損火災
答え(ア)電路・(イ)過熱焼損・(ウ)火災 = (5)

答えは(5):電路・過熱焼損・火災

電気設備に関する技術基準を定める省令 第14条(過電流からの保護対策)

電路の必要な箇所には、過電流による過熱焼損から電線及び電気機械器具を保護し、かつ、火災の発生を防止できるよう、過電流遮断器を施設しなければならない。

★条文は一文だけ。設備を守る+人と建物を守るの二段構えです。

(ア)は「電路」——電技で一貫して使われる、いちばん広い語です。

(イ)は「過熱焼損」——「温度上昇」は途中段階であって、防ぐべき被害の名前ではありません

(ウ)は「火災」——感電を防ぐのは絶縁・接地・漏電遮断器の役割です。

★過電流はなぜ危険なのか

\( W=I^{2}Rt \)
ジュールの法則
発熱量は電流の2乗に比例
\( I\ \to\ 2I\ \Rightarrow\ W\ \to\ 4W \)
2倍の電流で
★発熱は4倍になる
\( I\ \to\ 3I\ \Rightarrow\ W\ \to\ 9W \)
3倍の電流で
★発熱は9倍になる

電流が少し増えただけで、発熱は急激に増えます——2乗で効いてくるからです。

その熱で絶縁物が劣化し、やがて焼損します——これが「過熱焼損」です。

さらに進めば火災に至ります——だから条文は2つを並べて書いているのです。

★過電流と地絡の役割分担

過電流地絡
★何が起きるか★★熱が出る★★人が感電する
★守るもの★★電線・機器・建物★★人
★保護装置★★過電流遮断器★★漏電遮断器(地絡遮断装置)
★根拠★★電技14条★★電技15条

過電流→熱→火災/地絡→感電——この対比で整理しておくと、他の条文でも迷いません

だから(ウ)に「感電事故」は入りません——それは第15条の守備範囲です。

なぜ「電路」なのか

条文の言葉ダミー語違い
電路★★電路★幹線・配線★★電技で一貫して使われる広い語
過熱焼損★★過熱焼損★温度上昇★★防ぐべき被害の名前
火災★★火災★感電事故★★感電を防ぐのは地絡保護の役割

「幹線」「配線」は電気使用場所の内部を指す限定的な語です

過電流遮断器は、電路のどこにでも必要になりえます——だから最も広い語が使われているのです。

過電流には2種類ある

種類原因電流の大きさ
★過負荷電流★★機器を使いすぎた★★定格の数倍まで
★短絡電流★★電線どうしが接触した★★定格の数十〜数百倍

どちらも過電流ですが、大きさも時間も違います——だから遮断器には動作特性が必要になります。

過負荷ならゆっくり、短絡なら瞬時に切る——これが反限時特性の考え方です。

過電流遮断器の種類

機器使われる場所
★配線用遮断器(MCCB)★★低圧の分電盤・幹線
★ヒューズ★★低圧・高圧(PF・S形など)
★遮断器+過電流継電器★★高圧受電設備(CB形)

電圧と規模によって、使う機器が変わります——役割はどれも同じ「過電流で切る」です。

解釈第33条・34条に、動作特性の具体的な数値があります——30A以下なら1.25倍で60分、2倍で2分などです。

「必要な箇所」とはどこか

条文は「電路の必要な箇所」としか書いていません——どこに置くかは解釈が示します

低圧幹線なら、その分岐点から3m以内が原則です——解釈第148条の規定です。

省令が原則、解釈が具体——この関係が一貫しています

設備を守るのか、人を守るのか

この条文が守るのは、まず電線と電気機械器具です——設備の保護が第一の目的です。

そのうえで、火災の発生を防止すると書かれています——結果として人と建物も守られるのです。

順番が「設備→火災」になっているのは、因果の順だからです——設備が焼ければ火災になるという流れです。

過電流遮断器の動作特性

定格電流1.25倍2倍
★30A以下★★60分以内に動作★★2分以内に動作
★30A超50A以下★★60分以内★★4分以内
★50A超100A以下★★120分以内★★6分以内

電流が大きいほど、速く切る必要があります——発熱が2乗で効いてくるからです。

1倍では動作しないことも条件です——定格で使っているのに切れては困るからです。

解釈第33条の数値で、法規の計算問題にも出てきます

低圧幹線の過電流遮断器

条件省略できるか
★分岐点から3m以内★★原則の位置
★許容電流が幹線の55%以上★★距離の制限なし
★許容電流が35%以上・8m以内★★8mまで延ばせる

解釈第148条の規定です——3m・8m・55%・35%の数字が問われます

太い電線なら、多少長くても燃えにくい——だから距離を延ばせるという理屈です。

遮断容量という考え方

過電流遮断器は、切れる電流の大きさにも限界があります——これが遮断容量です。

短絡電流が遮断容量を超えると、遮断器自体が壊れます——切るどころか爆発することもあるのです。

だから短絡電流を計算して、直近上位の遮断容量を選びます——施設管理の計算問題で頻出です。

過電流遮断器は、電気設備でもっとも身近な保護装置です——家庭の分電盤にも必ず入っています

ブレーカーが落ちるのは、この条文が働いている瞬間です

地絡保護は第15条

電技第15条は、地絡に対する保護対策を定めています——感電・火災・電線の損傷を防ぐため地絡遮断装置を施設します。

第14条と第15条は対になっています——過電流と地絡、2つの異常に備えるのです。

⏱️ 本番での進め方
① (ア)は「電路」——幹線・配線は限定的な語。
② (イ)は「過熱焼損」。温度上昇は途中段階。
③ (ウ)は「火災」——感電は地絡保護(第15条)の話。
過電流→熱→火災/地絡→感電で整理する。

出題履歴——短い条文は丸暗記

年度問われ方
★平成19年度 問7★★異常時の保護対策
★平成30年度 問4★★異常時の保護対策
★令和5年度上期 問3★★過電流からの保護(本問)

条文が一文だけなので、丸ごと暗唱するのが最も確実です——3空欄すべてがこの一文にあります

令和7年度下期 A問題3の接地と合わせて、電技の保安原則をまとめて押さえましょう

💡 覚え方
電技14条=電路の必要な箇所には、過電流による過熱焼損から電線及び電気機械器具を保護し、かつ火災の発生を防止できるよう過電流遮断器を施設。過電流→熱→火災/地絡→感電で役割を整理。

⚠️ よくある間違い
「幹線」「配線」ではなく電路「温度上昇」「電磁力」ではなく過熱焼損過電流遮断器の目的に感電事故は入らない

まとめ

(ア)電路
(イ)過熱焼損
(ウ)火災
根拠電技 第14条
対比地絡→感電は別の保護(漏電遮断器)
答え(5)

▼あわせて解きたい関連問題
・異常時の保護対策(電技省令29):【法規】平成30年度 A問題4
・異常時の保護対策(電技省令47):【法規】平成19年度 A問題7

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