今回は令和6年度上期 法規科目 A問題8、低圧の電路の絶縁抵抗値の空欄補充問題です。実務でも毎年の絶縁抵抗測定で使う、法規で最重要の数値表です。
表はこれだけ。300V以下で対地電圧150V以下=0.1MΩ/300V以下のその他=0.2MΩ/300V超=0.4MΩ。区切る単位は開閉器又は過電流遮断器で区切ることのできる電路ごとです。
答えは(3):電路・過電流遮断器・300V・対地電圧・0.4MΩ
(ア)は「電路」・(イ)は「過電流遮断器」——区切る単位は開閉器又は過電流遮断器です。
(ウ)は「300」V・(エ)は「対地電圧」——区分の境目は使用電圧300Vです。
(オ)は「0.4」MΩ——0.1/0.2/0.4という並びで覚えます。
令和6年度上期 法規科目 A問題8:問題文と選択肢
まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「令和6年度上期 第三種電気主任技術者試験」法規科目 A問題8
電験3種 法規科目 【電技省令】 令和6年度上期 A問題8
次の文章は、「電気設備技術基準」における低圧の電路の絶縁性能に関する記述である。
電気使用場所における使用電圧が低圧の電路の電線相互間及び(ア)と大地との間の絶縁抵抗は、開閉器又は(イ)で区切ることのできる電路ごとに、次の表の左欄に掲げる電路の使用電圧の区分に応じ、それぞれ同表の右欄に掲げる値以上でなければならない。
【(ウ)V以下】(エ)(接地式電路においては電線と大地との間の電圧、非接地式電路においては電線間の電圧をいう。)が150V以下の場合…0.1MΩ/その他の場合…0.2MΩ
【(ウ)Vを超えるもの】…(オ)MΩ
上記の記述中の空白箇所(ア)〜(オ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
(ア) (イ) (ウ) (エ) (オ) (1) 電線 配線用遮断器 400 公称電圧 0.3 (2) 電線路 漏電遮断器 400 公称電圧 0.3 (3) 電路 過電流遮断器 300 対地電圧 0.4 (4) 電線 過電流遮断器 300 最大使用電圧 0.4 (5) 電路 配線用遮断器 400 対地電圧 0.4

★絶縁抵抗値の表
| 電路の使用電圧 | 条件 | 絶縁抵抗値 |
| ★300V以下 | ★★対地電圧150V以下 | ★★0.1MΩ以上 |
| ★300V以下 | ★★その他 | ★★0.2MΩ以上 |
| ★300V超 | ★★— | ★★0.4MΩ以上 |
3行だけの表ですが、法規でいちばん使う数値です——0.1/0.2/0.4を条件とセットで覚えましょう。
電圧が高いほど、要求される絶縁抵抗も大きくなります——理屈が通っているので覚えやすいはずです。
★対地電圧という考え方
| 電路 | 対地電圧 | 絶縁抵抗値 |
| ★単相2線式100V | ★★100V | ★★0.1MΩ |
| ★単相3線式100/200V | ★★100V | ★★0.1MΩ |
| ★三相3線式200V(非接地) | ★★200V | ★★0.2MΩ |
| ★三相4線式400V | ★★230V | ★★0.4MΩ |
接地式電路では電線と大地との間の電圧、非接地式電路では電線間の電圧——この定義が問題文にそのまま書かれています。
三相3線式200Vは非接地なので、対地電圧が200Vになります——だから0.2MΩです。
単相3線式は中性線が接地されているので、対地電圧は100V——200Vの機器を使っても0.1MΩでよいのです。
★「配線用遮断器」ではなく「過電流遮断器」
| 条文の言葉 | ダミー語 | 違い | |
| 過電流遮断器 | ★★過電流遮断器 | ★配線用遮断器 | ★★配線用遮断器は過電流遮断器の一種 |
| 対地電圧 | ★★対地電圧 | ★公称電圧・最大使用電圧 | ★★接地方式で定義が変わる |
| 300V | ★★300V | ★400V | ★★区分の境目は300V |
配線用遮断器(MCCB)は過電流遮断器の一種にすぎません——条文の総称は過電流遮断器です。
ヒューズも過電流遮断器に含まれます——だから広い語が使われているのです。
「漏電遮断器」は地絡保護の機器で、区切りの単位を定める語ではありません。
なぜ「区切ることのできる電路ごと」なのか
建物全体をまとめて測ると、どこが悪いか分かりません——区切って測れば、悪い区間を特定できます。
また、電路が長いほど漏れる箇所が増えて値が下がります——区切らないと基準を満たせなくなるのです。
分電盤のブレーカーごとに測る、という実務がこの条文から来ています。
測定が困難な場合の代替
| 方法 | 判定基準 | 根拠 |
| ★絶縁抵抗測定 | ★★0.1/0.2/0.4MΩ以上 | ★★電技58条 |
| ★漏えい電流測定 | ★★1mA以下 | ★★解釈14条 |
停電できない場合は、漏えい電流1mA以下で代替できます——活線のまま測れるのが利点です。
病院や工場では、停電が難しいことがよくあります——だから代替の道が用意されているのです。
絶縁抵抗計の使い方
| 電路の使用電圧 | 測定電圧 |
| ★100V・200V | ★★直流250V |
| ★400V | ★★直流500V |
| ★高圧機器 | ★★直流1000V |
測定電圧が高すぎると、機器を傷めることがあります——電路の電圧に合わせて選ぶのが基本です。
電子機器がつながっていると壊れることもあります——切り離してから測るのが実務です。
なぜ0.1MΩなのか
100Vで0.1MΩなら
★ちょうど1mA
0.1MΩという値は、漏えい電流1mAに対応しています——だから解釈14条の代替基準が1mAなのです。
1mAは、人が感じ始める程度の電流です——数字に理由があると分かれば忘れません。
絶縁抵抗が下がる原因
| 原因 | 起きること |
| ★経年劣化 | ★★絶縁物が固くなり微細な亀裂が入る |
| ★吸湿 | ★★水分が絶縁物に染み込む |
| ★汚損 | ★★ほこりや塩分が表面に付着する |
| ★機械的損傷 | ★★踏まれる・こすれる |
どれも時間とともに進みます——だから定期的に測って確かめるのです。
基準を下回れば、改修するか使用を止めます——数値があるから判断できるのです。
年次点検での実務
自家用電気工作物では、年に1回の停電点検で測定します——分岐回路ごとにメガーを当てるのです。
結果は記録して保存します——保安規程の「記録」がこれにあたります。
経年変化を追えば、劣化の兆候が見えてきます——1回の値より、推移が大切です。
0.1/0.2/0.4という3つの数字は、法規で最も使う値です——まっさきに固めておきましょう。
⏱️ 本番での進め方
① (ア)(イ)は「電路」「過電流遮断器」——配線用遮断器は一種にすぎない。
② (ウ)は300V。400Vはダミー。
③ (エ)は「対地電圧」——接地方式で定義が変わる。
④ (オ)は0.4MΩ。0.1/0.2/0.4の並びで覚える。
出題履歴——絶縁は法規の中心テーマ
| 年度 | 問われ方 |
| ★令和3年度 問1 | ★★調査義務+漏えい電流1mA |
| ★令和6年度上期 問8 | ★★低圧の電路の絶縁抵抗値(本問) |
| ★令和7年度上期 問3 | ★★低圧電線路の絶縁性能(22条) |
令和7年度下期 A問題5は電技22条(低圧電線路)の問題です。58条(低圧電路)と対象が違うので、区別して覚えましょう。
電線路は供給側、電路は使用場所側——この対比を押さえれば混同しません。
💡 覚え方
低圧の絶縁抵抗(電技58条)=300V以下・対地電圧150V以下→0.1MΩ/300V以下のその他→0.2MΩ/300V超→0.4MΩ。区切る単位は開閉器又は過電流遮断器で区切ることのできる電路ごと。測定困難なら漏えい電流1mA以下(解釈14条)。
⚠️ よくある間違い
「配線用遮断器」ではなく過電流遮断器。境目は400Vではなく300V。「公称電圧」「最大使用電圧」ではなく対地電圧。
まとめ
| (ア) | 電路 |
| (イ) | 過電流遮断器 |
| (ウ) | 300(V) |
| (エ) | 対地電圧 |
| (オ) | 0.4(MΩ) |
| 答え | (3) |
▼あわせて解きたい関連問題
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