今回は令和6年度上期 法規科目 A問題3、光ファイバケーブルの用語の定義を問う空欄補充問題です。電技第1条の定義規定はときどきこうしてピンポイントで出題されます。
2つの定義を並べて覚えます。光ファイバケーブル=光信号の伝送に使用する伝送媒体を保護被覆で保護したもの。光ファイバケーブル線路=光ファイバケーブル+これを支持し又は保蔵する工作物(造営物の屋内・屋側に施設するものを除く)。
答えは(3):被覆・支持・屋側
(ア)は「被覆」——電線が導体を絶縁体で覆うのと同じ構造の考え方です。
(イ)は「支持」——「支持」と「保蔵」がペアで使われるのが法令の言い回しです。
(ウ)は「屋側」——建物の外壁面のことです。
令和6年度上期 法規科目 A問題3:問題文と選択肢
まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「令和6年度上期 第三種電気主任技術者試験」法規科目 A問題3
電験3種 法規科目 【電技省令】 令和6年度上期 A問題3
「電気設備技術基準」では、「光ファイバケーブル」及び「光ファイバケーブル線路」の定義を次のように規定している。
a)「光ファイバケーブル」とは、光信号の伝送に使用する伝送媒体であって、保護(ア)で保護したものをいう。
b)「光ファイバケーブル線路」とは、光ファイバケーブル及びこれを(イ)し、又は保蔵する工作物(造営物の屋内又は(ウ)に施設するものを除く。)をいう。
上記の記述中の空白箇所(ア)〜(ウ)に記入する字句として、正しいものを組み合わせたのは次のうちどれか。
(ア) (イ) (ウ) (1) 装置 収納 屋外 (2) 装置 収納 屋上 (3) 被覆 支持 屋側 (4) 被覆 保護 屋上 (5) 器具 支持 屋側

★電線と光ファイバケーブルの対比
| 電線 | 光ファイバケーブル | |
| ★中身 | ★★導体(銅・アルミ) | ★★伝送媒体(ガラス・プラスチック) |
| ★覆うもの | ★★絶縁被覆 | ★★保護被覆 |
| ★運ぶもの | ★★電気(電力) | ★★光(信号) |
構造の考え方は同じです——中身を覆って守るという点で共通しています。
ただし覆う目的が違います——電線は絶縁のため、光ファイバは物理的な保護のためです。
光は電気を通さないので、絶縁という発想が要りません。
★なぜ電技に光ファイバが出てくるのか
送電鉄塔には、電力線と一緒に光ファイバが架設されています——保護リレーの信号や運転情報を送るためです。
架空地線の中に光ファイバを入れたOPGWという電線もあります——雷から守りながら通信もするという一石二鳥の構造です。
電力設備の一部として施設されるので、電技に定義が置かれています。
★屋内・屋側が除かれる理由
| 区分 | 線路に含まれるか |
| ★屋外(電柱間など) | ★★含まれる |
| ★造営物の屋内 | ★除かれる |
| ★造営物の屋側(外壁面) | ★除かれる |
屋内配線・屋側配線は建物側の設備です——建物どうしを結ぶ「線路」とは性格が違います。
電線路の定義でも同じ考え方が使われています——建物の中と外で扱いが変わるのです。
「屋上」「屋外」ではありません——屋側という語を正確に押さえましょう。
「支持」と「保蔵」
| 条文の言葉 | ダミー語 | 違い | |
| 被覆 | ★★被覆 | ★装置・器具 | ★★ケーブルの構造を説明する語 |
| 支持 | ★★支持 | ★収納 | ★★法令は支持し又は保蔵と書く |
| 屋側 | ★★屋側 | ★屋上・屋外 | ★★屋側は建物の外壁面 |
支持は支える、保蔵は収めて守るという意味です——電柱が支持、管路が保蔵にあたります。
「収納」という語は法令では使われません——条文の語をそのまま選ぶのが鉄則です。
光ファイバケーブルの施設規定
| 規定 | 内容 |
| ★感電の防止 | ★★電線と接近する場合の離隔 |
| ★他人の土地 | ★★架空電線と同様の高さの確保 |
| ★複合ケーブル | ★★電力線と一体のものは電線として扱う |
光ファイバ自体は電気を通しませんが、電線と一緒に架設されます——だから電気的な危険から守る規定が要るのです。
作業員が光ファイバを扱うときに、電線に触れる危険もあります。
定義の条文はなぜ大切か
用語の範囲が決まらないと、どの規定が適用されるか判断できません。
光ファイバケーブル線路に当たれば、線路としての規定がかかります——屋内配線なら、別の規定です。
だから定義がまっさきに置かれているのです。
覚える量が少ない問題
この条文は2つの定義だけです——覚える量に対して、出題されれば確実に1点になります。
ただし出題頻度は高くありません——余裕があれば押さえるという位置づけでよいでしょう。
電線の定義と対比して覚えると、労力が少なくて済みます。
光ファイバの仕組み
| 部分 | 役割 |
| ★コア | ★★光が通る中心部 |
| ★クラッド | ★★屈折率を変えて光を閉じ込める |
| ★被覆 | ★★物理的に保護する |
光は屈折率の差で全反射し、コアの中を進みます——だから曲げても光が漏れません。
ガラスは細いと折れやすいので、被覆で守ります——条文が「保護被覆」と書く理由です。
なぜ光ファイバを使うのか
| 利点 | 内容 |
| ★大容量 | ★★大量の情報を高速で送れる |
| ★誘導を受けない | ★★電磁誘導の影響を受けない |
| ★軽い | ★★銅線より細く軽い |
電力線のそばでも誘導障害を受けないのが最大の利点です——送電鉄塔に架設するのに向いているのです。
銅の通信線なら、電磁誘導で雑音が乗ってしまいます——解釈第52条の誘導障害防止が必要になるのです。
OPGWという電線
架空地線の中に光ファイバを入れたものをOPGWといいます——光ファイバ複合架空地線の略です。
雷から送電線を守りながら、通信もできます——1本で2役です。
送電線の保護リレー信号は、これで送られています——電力系統を支える重要な設備です。
定義規定は第1条に集まっている
電技も解釈も、第1条は用語の定義から始まります——法令の基本的な構成です。
電圧の種別、電線、電線路、需要場所、造営物なども定義されています——一度まとめて読んでおく価値があります。
定義が分かれば、他の条文の意味も正確に取れます。
通信と電力の境目
光ファイバは通信設備ですが、電力設備に付随して施設されます——だから電技にも定義が置かれているのです。
電気通信事業法など、別の法律も関わってきます——複数の法律が重なる分野です。
電技が扱うのは、施設方法と安全の部分になります。
覚える量が少ないので、出題されれば確実に取りたい問題です——2つの定義だけで足ります。
⏱️ 本番での進め方
① (ア)は「被覆」——装置・器具では構造を説明できない。
② (イ)は「支持」。法令は「支持し、又は保蔵する」と書く。
③ (ウ)は「屋側」——屋上・屋外ではない。
④ 電線の定義と対比して覚えると効率がよい。
出題履歴——定義規定からの出題
| 年度 | 問われ方 |
| ★令和2年度 問7 | ★★引込線の定義 |
| ★令和6年度上期 問3 | ★★光ファイバケーブルの定義(本問) |
令和2年度 A問題7も定義規定からの出題でした。電技・解釈の第1条には、多くの用語が定義されています。
一度まとめて目を通しておくと、思わぬところで役に立ちます。
💡 覚え方
光ファイバケーブル=光信号の伝送に使用する伝送媒体を保護被覆で保護したもの。光ファイバケーブル線路=光ファイバケーブル+これを支持し、又は保蔵する工作物(造営物の屋内又は屋側に施設するものを除く)。
⚠️ よくある間違い
「装置」「器具」「収納」はダミー。除外されるのは屋内・屋側であって「屋上」「屋外」ではない。屋側=建物の外壁面。
光ファイバケーブル線路の施設
| 場面 | 求められること |
| ★電線と接近する場合 | ★★感電のおそれがないよう離隔する |
| ★他人の土地の上 | ★★架空電線と同様の高さを確保する |
| ★支持物への施設 | ★★電線路の支持物に共架できる |
光ファイバ自体は電気を通しませんが、電線と同じ場所に施設されます——だから電気的な危険から守る規定が要るのです。
作業員が光ファイバを扱うとき、電線に触れる危険もあります——共架されているぶん、近づく機会が多いのです。
まとめ
| (ア) | 被覆(保護被覆) |
| (イ) | 支持(し、又は保蔵する) |
| (ウ) | 屋側 |
| 根拠 | 電技 第1条(定義) |
| 答え | (3) |
▼あわせて解きたい関連問題
・引込線の定義(電技省令25):【法規】令和2年度 A問題7
・送電線路・配電線路の定義(電気事業法22):【法規】平成26年度 A問題1

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