直流回路43【電験3種 理論】スイッチ開閉で電流が不変=平衡ブリッジから抵抗R₄を求める!平成27年度 A問題6 完全解説

電験3種 理論科目 電気回路(直流回路) 平成27年度 A問題6 スイッチを入れても電流が変わらない!R4は?

今回は平成27年度 理論科目 A問題6を解説します。100 V電源に接続された抵抗ブリッジで、中央スイッチSを開閉しても全電流が30 Aから変化しない条件を使い、抵抗R4を求めます。

Sが開いている間は当然S電流は0です。本問の要点は、Sを閉じても全電流が変わらず、中点間に新しい電流が流れないことです。したがって中点は同電位で、平衡条件R1/R2=R3/R4が成立します。これとE/I=100/30 Ωを組み合わせます。

目次

平成27年度 理論科目 A問題6:問題文と選択肢

電気技術者試験センター公表の公式問題PDF(理論 問6)と公式解答PDFを確認しながら進めます。下の問題文・選択肢・回路図は公式内容を再構成した既存画像で、元のまま保持しています。

電験3種 理論科目 直流回路 平成27年度 A問題6 問題文
平成27年度 理論科目 A問題6 問題文

電験3種 理論科目 【電気回路(直流回路)】 平成27年度 A問題6

 図のように、抵抗とスイッチSを接続した直流回路がある。いま、スイッチSを開閉しても回路を流れる電流I〔A〕は、I=30Aで一定であった。このとき、抵抗R4の値〔Ω〕として、最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

(1)0.5 (2)1.0 (3)1.5 (4)2.0 (5)2.5〔Ω〕

図 E=100V・R₁=8Ω・R₂=4Ω・R₃・R₄とスイッチSのブリッジ回路(問題図)
図 E=100V・R₁=8Ω・R₂=4Ω・R₃・R₄とスイッチSのブリッジ回路(問題図)

出題のポイント:「開閉しても電流が変わらない」が平衡の証拠

ブリッジの中央に導線(スイッチ)を足せば、普通は電流の通り道が増えて合成抵抗が下がり、全電流が増えます。ところが本問ではSを開閉しても電流が30 Aのまま。これはSを閉じても何も変わらなかった——つまり閉じる前からSの両端が同じ電位だったことを意味します。

ここで注意したいのは、「Sが開いているときS電流が0」は当たり前で、平衡の証拠にはならないということです。証拠になるのは「閉じても全電流が変わらない」ほう。実際、正の抵抗からなる理想ブリッジでは$$R_{\text{開}}-R_{\text{閉}}=\frac{(R_1R_4-R_2R_3)^2}{(R_1+R_2)(R_3+R_4)(R_1+R_2+R_3+R_4)}\ \ge 0$$と必ず0以上で、等号成立は \(R_1R_4=R_2R_3\) のときだけ。だから「開閉で同じ」=平衡条件そのものなのです。

上枝R1が8ΩとR3、下枝R2が4ΩとR4、中央スイッチSからなるブリッジで、中点A・Bが同電位となり閉じてもスイッチ電流が0になる平衡条件を示す出題のポイント図
開放中にS電流が0なのは当然です。全電流が開閉で同じことから、中点A・Bが同電位で、閉じてもS電流が0となる平衡状態を読み取ります。

問題の解説:平衡条件 → 合成抵抗 → R₄

使う公式:ブリッジの平衡条件と合成抵抗
$$\frac{R_1}{R_2}=\frac{R_3}{R_4}\quad\Longleftrightarrow\quad R_1R_4=R_2R_3,\qquad R_{\mathrm{eq}}=\frac{E}{I}$$

※平衡なら中央枝は開放として除去できる。S開のときは上枝R₁+R₃と下枝R₂+R₄の並列になります。

STEP1 平衡条件から抵抗の関係を出す

$$\frac{R_1}{R_2}=\frac{R_3}{R_4}\;\Rightarrow\;\frac{8}{4}=\frac{R_3}{R_4}$$
❶ 平衡条件
R₁=8 Ω、R₂=4 Ωを代入
$$R_3=2R_4$$
❷ 抵抗比
R₃はR₄の2倍

STEP2 合成抵抗の式を立てる

\(x=R_4\) と置くと \(R_3=2x\)。上枝は \(8+2x=2(4+x)\)、下枝は \(4+x\) ——ちょうど2倍の関係になるので、並列合成が一気に簡単になります。

$$R_{\text{開}}=2(4+x)\parallel(4+x)=\frac{2(4+x)^2}{3(4+x)}=\frac{2(4+x)}{3}$$
❸ 並列合成
2倍と1倍の並列は2/3倍
$$R_{\mathrm{eq}}=\frac{E}{I}=\frac{100}{30}=\frac{10}{3}\;[\Omega]$$
❹ 全電流から
30 Aという条件を使う
S開放時の上枝R1プラスR3と下枝R2プラスR4の並列回路、S閉路時のR1並列R2とR3並列R4の直列回路を比較するポイント解説図
同じ100 Vで全電流がともに30 Aなので、開放・閉路の合成抵抗はどちらも10/3 Ωです。合成抵抗が変わらない条件がブリッジ平衡です。

STEP3 解いて両方の状態で検算する

$$\frac{2(4+x)}{3}=\frac{10}{3}\;\Rightarrow\;4+x=5\;\Rightarrow\;x=1$$
❺ 解く
$$R_4=1.0\;[\Omega],\qquad R_3=2.0\;[\Omega]$$
❻ 確定

S開での検算:上枝 \(8+2=10\;\Omega\) に \(100/10=10\;\mathrm{A}\)、下枝 \(4+1=5\;\Omega\) に \(100/5=20\;\mathrm{A}\)。合計30 A ✓ 中点の電位は右端基準でどちらも20 Vとなり、確かに等電位です。

S閉での検算:\(8\parallel4=8/3\)、\(2\parallel1=2/3\)、直列で \(8/3+2/3=10/3\;\Omega\)。やはり30 A ✓ 開でも閉でも同じという条件がきちんと再現されました。

答え\(R_4=1.0\;[\Omega]\)(R₃=2.0 Ω) → 選択肢(2) (S開30 A・S閉30 A ✓)
平衡条件R3イコール2R4と合成抵抗10割る3ΩからR4を1Ω、R3を2Ωと求め、開放・閉路の両状態で30Aを検算して正答2を示す図
R₄=1 Ω、R₃=2 Ωです。S開放では10+20=30 A、S閉路では(8∥4)+(2∥1)=10/3 Ωとなり、どちらも条件を満たします。

選択肢を回路に戻して検算する

各選択肢のR₄について \(R_3=2R_4\) とし、S開・S閉それぞれの合成抵抗を計算してともに10/3 Ω(電流30 A)になるかを確かめます。

選択肢R₄ [Ω]R₃=2R₄ [Ω]S開の合成 [Ω]S閉の合成 [Ω]全電流 [A]判定
(1)0.51.03.0003.00033.3×
(2)1.02.03.3333.33330.0
(3)1.53.03.6673.66727.3×
(4)2.04.04.0004.00025.0×
(5)2.55.04.3334.33323.1×

興味深いのは、どの選択肢でも「S開の合成=S閉の合成」になっていることです。これは \(R_3=2R_4\) という平衡条件を先に使っているから当然で、平衡はどのR₄でも成り立ちます。答えを決めるのは「全電流が30 Aになるか」のほう——2つの条件を混同しないことが大切です。

本番で使える時間短縮テクニック

⏱️ 本番での進め方
「開閉しても電流が変わらない」=平衡と即断する。これが問題文の合図
② 平衡なら中央枝は開放して除去(短絡ではない)
③ 文字が2つ出たら置き換えを狙う(x=R₄ とすれば上枝が下枝の2倍になる)
④ 平衡条件と全電流の条件は別物。両方を使って初めて値が決まる

平衡ブリッジの出題履歴

同じ考え方を使う直流回路の問題です。あわせて解くと解法が定着します。

年度記事問われ方
平成27年度 A問題6本問(直流回路43)開閉で電流不変=平衡から抵抗R₄
平成19年度 A問題6直流回路65開閉で電流不変=平衡から抵抗(同型)
令和4年度下期 A問題5直流回路21平衡ブリッジを見抜いて電源電圧E
令和4年度上期 A問題7直流回路266抵抗のブリッジから未知抵抗Rx
令和2年度 A問題7直流回路31非平衡ブリッジをテブナンで解く

💡 覚え方
「開いても閉じても同じ電流」=平衡。平衡条件 \(R_1/R_2=R_3/R_4\) で抵抗比を出し、\(E/I=10/3\;\Omega\) と組み合わせる。x=R₄ と置けば上枝が下枝の2倍で計算が軽い。

⚠️ よくある間違い
S開放中にS電流が0なのは当たり前で平衡の証拠になりません(閉じても変わらないことが証拠)。平衡した中央枝は短絡ではなく開放。S開の枝は上側R₁+R₃・下側R₂+R₄で、添字の順を取り違えないこと。

まとめ

確認項目結果
平衡条件R1/R2=R3/R4、R3=2R4
全体の合成抵抗E/I=100/30=10/3 Ω
S開放上枝10 A、下枝20 A、合計30 A、中点はいずれも20 V
S閉路8∥4+2∥1=8/3+2/3=10/3 Ω
抵抗値・正答R4=1.0 Ω、R3=2.0 Ω、(2)

▼あわせて解きたい関連問題
・平衡ブリッジの関連問題:【理論】令和4年度上期A問題7

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