直流回路68【電験3種 理論】分流の法則から未知抵抗R₁の式を求める!平成18年度 A問題6 完全解説

電験3種 理論科目 電気回路(直流回路) 平成18年度 A問題6 分流の法則を式にする!R1はどう表せる?

今回は平成18年度 理論科目 A問題6を解説します。既知の直流電源E、既知の抵抗R2・R3、R3を流れる既知の枝電流I3から、未知抵抗R1を表す式を選ぶ問題です。

R1は分岐前、R2とR3は並列です。まずR3の電圧R3I3からR2枝の電流を求め、分岐点で全電流を復元します。その後、回路全体のオームの法則からR1を分離します。

目次

平成18年度 理論科目 A問題6:問題文と選択肢

与えられたI₃がどの抵抗を流れる電流かを確認しながら読みましょう。

電験3種 理論科目 平成18年度 A問題6 問題文(分流の法則から未知抵抗R₁の式を求める)
平成18年度 理論科目 A問題6 問題文

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「平成18年度 第三種電気主任技術者試験」理論科目 A問題6

電験3種 理論科目 【電気回路(直流回路)】 平成18年度 A問題6

 図のように、既知の直流電源E〔V〕、未知の抵抗R1〔Ω〕、既知の抵抗R2〔Ω〕及びR3〔Ω〕からなる直流回路がある。抵抗R3〔Ω〕に流れる電流がI3〔A〕であるとき、抵抗R1〔Ω〕を求める式として、正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

下記でP=R2R3/(R2+R3)とする。

(1)P{E/(R2I3)−R2/R3} (2)P{E/(R2I3)−R3/R2} (3)P{E/(R2I3)−1}
(4)P{E/(R3I3)−R3/R2} (5)P{E/(R3I3)−1}

出題のポイント:与えられたのは枝電流。まず全電流に戻す

この問題で最初にやることは、I₃が何の電流かを確認することです。I₃はR₃枝だけの電流で、R₁を流れる全電流ではありません。R₁は分岐より手前にあるので、そこには \(I_1=I_2+I_3\) が流れます。

では、どうやってI₃から全電流に戻すのか。鍵は並列部の電圧が共通であることです。R₃の電圧 \(R_3I_3\) がそのままR₂にも加わるので、$$I_2=\frac{R_3I_3}{R_2}\;\Rightarrow\;I_1=I_2+I_3=I_3\cdot\frac{R_2+R_3}{R_2}$$「枝電流 → 並列部の電圧 → もう一方の枝電流 → 足して全電流」——この4手が定型です。

既知の直流電源E、未知の直列抵抗R1、既知の並列抵抗R2とR3からなる完全な閉回路で、分岐前電流I1、枝電流I2、既知の枝電流I3の位置を示す出題のポイント図
R₁は分岐前にありI₁が流れます。R₂とR₃は同じ二節点間の並列接続で、分岐点ではI₁=I₂+I₃です。この段階では答えを示していません。

問題の解説:全電流に戻してからR₁を分離する

使う公式:オームの法則と並列合成
$$E=I_1\,(R_1+P),\qquad P=R_2\parallel R_3=\frac{R_2R_3}{R_2+R_3}$$

※回路全体は「R₁と並列部Pの直列」。全電流が分かればR₁は引き算1回で出ます。

STEP1 I₃から全電流I₁を復元する

$$V_p=R_3I_3$$
❶ 並列部の電圧
R₃の電圧=R₂の電圧
$$I_2=\frac{V_p}{R_2}=\frac{R_3I_3}{R_2}$$
❷ もう一方の枝電流
$$I_1=I_2+I_3=I_3\cdot\frac{R_2+R_3}{R_2}$$
❸ 電流則
全電流が復元できた

STEP2 回路全体からR₁を分離する

$$R_1=\frac{E}{I_1}-P=\frac{E R_2}{I_3(R_2+R_3)}-\frac{R_2R_3}{R_2+R_3}$$
❹ 引き算
全抵抗から並列部を引く
並列電圧Vp=R3I3、枝電流I2=R3I3/R2、全電流I1=I3(R2+R3)/R2、並列合成抵抗PとE=I1(R1+P)を示すポイント解説図
R₃I₃は並列部の電圧です。そこからI₂、I₁の順に求め、P=R₂R₃/(R₂+R₃)を使ってR₁+P=E/I₁とします。

STEP3 選択肢の形に整える

選択肢はすべて \(P\{\cdots\}\) の形なので、Pをくくり出せる形に変形します。

$$R_1=\frac{R_2}{R_2+R_3}\left(\frac{E}{I_3}-R_3\right)$$
❺ R₂/(R₂+R₃)をくくる
共通因子を前へ
$$=\frac{R_2R_3}{R_2+R_3}\left(\frac{E}{R_3I_3}-1\right)=P\left(\frac{E}{R_3I_3}-1\right)$$
❻ さらにR₃をくくる
選択肢の形に一致

単位の確認:\(R_3I_3\) は \(\Omega\cdot\mathrm{A}=\mathrm{V}\) なので \(E/(R_3I_3)\) は無次元。それに \(\Omega\) の次元を持つPを掛けるので、全体は \(\Omega\) ——きちんと抵抗の単位になります。

答え\(R_1=P\left(\dfrac{E}{R_3I_3}-1\right)\) → 選択肢(5)
I1と並列合成抵抗Pを代入し、R1=P{E/(R3I3)-1}を段階的に導いて平成18年度の正解5を示す詳細解説図
全電流I₁とPを代入して通分し、PをくくるとR₁=P{E/(R₃I₃)−1}となります。平成18年度の正答は(5)です。
E=24V、R2=6Ω、R3=3Ω、I3=2Aの数値例からR1=6Ωを求め、KCL、KVL、電力収支72Wを検算する問題の詳細解説図
数値例ではR₁=6 Ω、I₁=3 A、I₂=1 Aです。KCLは3=1+2 A、KVLは18+6=24 V、電力収支は54+6+12=72 Wとなり、導出式を独立に確認できます。

選択肢に数値を代入して検算する

文字式は自分で数値を決めて代入するのが最も確実です。\(E=24\;\mathrm{V}\)、\(R_2=6\;\Omega\)、\(R_3=3\;\Omega\)、\(I_3=2\;\mathrm{A}\) として実際の回路を組み立てると、\(P=2\;\Omega\)、\(I_1=3\;\mathrm{A}\)、したがって真のR₁は \(24/3-2=6\;\Omega\) です。この値と各選択肢を照合します。

選択肢E=24, R₂=6, R₃=3, I₃=2 での値 [Ω]判定
(1)P{E/(R₂I₃) − R₂/R₃}0.00×
(2)P{E/(R₂I₃) − R₃/R₂}3.00×
(3)P{E/(R₂I₃) − 1}2.00×
(4)P{E/(R₃I₃) − R₃/R₂}7.00×
(5)P{E/(R₃I₃) − 1}6.00

数値例が正しいことの確認:R₁=6 Ωなら全抵抗は \(6+2=8\;\Omega\)、全電流は \(24/8=3\;\mathrm{A}\)。並列部の電圧は \(3\times2=6\;\mathrm{V}\) で、R₃枝は \(6/3=2\;\mathrm{A}\) ——問題の条件I₃=2 Aと一致します ✓ R₂枝は \(6/6=1\;\mathrm{A}\) で、\(1+2=3\;\mathrm{A}\) と電流則も成立します。

誤答の正体も見えます。(1)〜(3)は分母が \(R_2I_3\)——つまり並列部の電圧をR₂側で計算してしまったものです。I₃が流れているのはR₃なので、電圧は \(R_3I_3\) が正解。「与えられた電流と、その電流が流れる抵抗をセットで使う」という基本を外すとこの罠にかかります。

本番で使える時間短縮テクニック

⏱️ 本番での進め方
① 与えられた電流が全電流か枝電流かを最初に確認する
② 枝電流からは 「その枝の電圧 → 相手の枝の電流 → 足して全電流」 の4手で復元
③ 文字式は単位で振るう。\(E/(R_3I_3)\) が無次元、Pが Ω——形が合うか見る
④ 最後はキリのよい数値を代入して照合。E=24, R₂=6, R₃=3 のように割り切れる値を選ぶ

分流・文字式の出題履歴

同じ考え方を使う直流回路の問題です。あわせて解くと解法が定着します。

年度記事問われ方
平成18年度 A問題6本問(直流回路68)枝電流から未知抵抗R₁の式
平成25年度 A問題5直流回路49並列回路から未知抵抗Rxの式
平成26年度 A問題6直流回路46電流比の条件から並列抵抗R₂
平成24年度 A問題6直流回路53直並列回路でI₁からI₄を求める
令和7年度下期 A問題7直流回路32条件で枝電流が等しくなるRx

💡 覚え方
枝電流I₃から「\(R_3I_3\)=並列部の電圧 → \(I_2=R_3I_3/R_2\) → \(I_1=I_2+I_3\)」で全電流に戻す。あとは \(R_1=E/I_1-P\) を整理するだけ。

⚠️ よくある間違い
I₃をR₁の電流と見なさないこと。並列部の電圧は \(R_3I_3\) であって \(R_2I_3\) ではありません(誤答(1)〜(3)がこの罠)。与えられた電流と、それが流れる抵抗をセットで使うのが鉄則です。

まとめ

並列部電圧Vp=R3I3
全電流I1=I3(R2+R3)/R2
並列合成P=R2R3/(R2+R3)
未知抵抗R1=P{E/(R3I3)−1}
平成18年度の答え(5)

平成18年度の公式問題・標準解答PDFは現在の試験センター公開範囲外です。問題文・回路・選択肢と導出は、当時問題を収録した二次資料PDF(2006年 理論 問6)を目視照合し、さらに分流法・キルヒホッフ法・数値代入で独立検算しました。

▼あわせて解きたい関連問題
・分流・合成抵抗の関連問題:【理論】平成24年度A問題6

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