直流回路57【電験3種 理論】抵抗の消費電力から並列の未知抵抗Rを求める!平成22年度 A問題5 完全解説

電験3種 理論科目 直並列回路・消費電力 平成22年度 A問題5 消費電力が分かれば逆算できる!並列のRは?

今回は平成22年度 理論科目 A問題5を解説します。90 V電源に30 Ωを直列接続し、その先で12 Ωと未知抵抗Rを並列接続した直流回路です。12 Ω抵抗の消費電力が27 WのときのR [Ω]を、電力、オームの法則、キルヒホッフの第1法則から求めます。

解法の軸は、12 Ωの電力から並列部電圧を決める → 30 Ωを流れる全電流を求める → 分岐後の電流差からR枝電流を求めるという順序です。18 V、2.4 A、1.5 A、0.9 Aがどの部分の量かを回路上で区別します。

目次

平成22年度 理論科目 A問題5:問題文と選択肢

電気技術者試験センター公表の平成22年度公式問題PDF(理論・問5、PDF 8ページ、冊子表示-5-、管理記号T1-R008)と公式解答PDFを照合して進めます。下の問題画像はサイト独自の科目見出しを加え、公式のページ番号と管理記号を省いていますが、問題文、回路、数値、単位、五つの選択肢は公式内容と一致するため保持しています。

電験3種 理論科目 直流回路 平成22年度 A問題5 問題文
平成22年度 理論科目 A問題5 問題文

電験3種 理論科目 【直並列回路・消費電力】 平成22年度 A問題5

 図の直流回路において、12〔Ω〕の抵抗の消費電力が27〔W〕である。このとき、抵抗R〔Ω〕の値として、正しいのは次のうちどれか。

(1)4.5 (2)7.5 (3)8.6 (4)12 (5)20〔Ω〕

図 90V電源・30Ω(直列)と12Ω・R(並列)の直流回路(問題図)
図 90V電源・30Ω(直列)と12Ω・R(並列)の直流回路(問題図)

出題のポイント:与えられた27 Wは「12 Ωだけ」の電力

この問題は電力から出発するタイプです。電力が分かっていて抵抗値も分かっているなら、\(P=V^2/R\) を逆に解いて電圧が求まります。$$V=\sqrt{PR}=\sqrt{27\times12}=\sqrt{324}=18\;[\mathrm{V}]$$きれいな数字になるよう作られているので、324という平方数が出た時点で「順調」と分かります。

重要なのは27 Wが12 Ωだけの消費電力だということ。並列部全体の電力ではありません。そして求めた18 Vは並列部に共通の電圧——12 ΩにもRにも同じ18 Vが加わります。

あとは電圧 → 電流 → 引き算 → 抵抗とたどるだけ。30 Ωは分岐の外側にあるので全電流が流れる、という点も押さえておきましょう。

90 V電源と30オーム直列抵抗の後に12オーム抵抗と未知抵抗Rが並列接続され、12オームの消費電力27ワットから並列電圧と分岐電流を求める出題のポイント図
30 Ωは分岐前の直列抵抗です。27 Wは12 Ω抵抗だけの消費電力で、12 ΩとRには同じ並列部電圧が加わります。

問題の解説:電力から電圧、そして電流へ

使う公式:電力の逆算とオームの法則
$$V=\sqrt{PR},\qquad I=\frac{V}{R},\qquad I_{\text{全}}=I_1+I_2$$

電力と抵抗が分かれば電圧が出る——この逆算が突破口になります。

STEP1 27 Wから並列部の電圧を求める

$$V_p=\sqrt{P_{12}\times12}=\sqrt{27\times12}=\sqrt{324}=18\;[\mathrm{V}]$$
❶ 電力の逆算
12 ΩにもRにも共通の電圧

STEP2 全電流と12 Ω枝の電流を求める

電源90 Vのうち18 Vが並列部にかかるので、残りが30 Ωの電圧降下です。30 Ωには全電流が流れます。

$$V_{30}=90-18=72\;[\mathrm{V}]$$
❷ 電圧則
電源から並列部の分を引く
$$I=\frac{72}{30}=2.4\;[\mathrm{A}]$$
❸ 全電流
30 Ωは分岐の外側
$$I_{12}=\frac{18}{12}=1.5\;[\mathrm{A}]$$
❹ 12 Ω枝
電圧÷抵抗
12オームの電力から並列部電圧18ボルト、30オームの電圧降下72ボルトと全電流2.4アンペア、12オーム枝1.5アンペアとR枝0.9アンペアを順に求めるポイント解説図
分岐前の2.4 Aは、12 Ω枝の1.5 AとR枝の0.9 Aに分かれます。KCLより2.4=1.5+0.9です。

STEP3 引き算でR枝の電流を出し、Rを求める

$$I_R=2.4-1.5=0.9\;[\mathrm{A}]$$
❺ 電流則
全電流から既知枝を引く
$$R=\frac{18}{0.9}=20\;[\Omega]$$
❻ オームの法則

合成抵抗での検算:\(12\parallel20=240/32=7.5\;\Omega\)、全体は \(30+7.5=37.5\;\Omega\)。電源電流は \(90/37.5=2.4\;\mathrm{A}\) で一致します ✓

電力収支での検算:電源は \(90\times2.4=216\;\mathrm{W}\)。内訳は30 Ωが \(2.4^2\times30=172.8\;\mathrm{W}\)、12 Ωが27 W、20 Ωが \(0.9^2\times20=16.2\;\mathrm{W}\)。合計216 Wでぴったり ✓

答え\(R=20\;[\Omega]\) → 選択肢(5) (検算:全体37.5 Ωで2.4 A、電力収支216 W ✓)
R枝電流0.9アンペアと並列部電圧18ボルトからRイコール20オームと正答5を求め、合成抵抗37.5オームと電力収支216ワットで検算する問題の解説図
R=18/0.9=20 Ωで正答は(5)です。合成抵抗からも電力収支からも同じ回路状態を確認できます。

選択肢を回路に戻して検算する

各選択肢のRについて回路全体を組み立て直し、12 Ωの消費電力が27 Wになるかを確かめます。

選択肢R [Ω]12∥R [Ω]全体 [Ω]全電流 [A]並列部電圧 [V]12 Ωの電力 [W]判定
(1)4.53.2733.272.7058.856.53×
(2)7.54.6234.622.60012.0012.00×
(3)8.65.0135.012.57112.8813.82×
(4)126.0036.002.50015.0018.75×
(5)207.5037.502.40018.0027.00

Rを大きくするほど12 Ωの電力が増えるのは、並列部の抵抗が上がって並列部にかかる電圧が高くなるからです。単調に増加しているので、27 Wに届くのは最大の(5)——表の下から確認すれば1回の計算で済みます

なお(2) 7.5 Ωは並列合成抵抗の値そのものです。「7.5 Ω」を答えたくなる誤りが仕込まれていますが、それは12 ΩとRを合成した結果であって、R自体ではありません。

本番で使える時間短縮テクニック

⏱️ 本番での進め方
① 電力が与えられたら\(V=\sqrt{PR}\) で電圧に翻訳する。ここが突破口
√324=18 のようにきれいな数になるよう作られている。ならなければ計算ミスを疑う
分岐の外側にある抵抗には全電流が流れる(本問の30 Ω)
④ 検算は合成抵抗から電源電流電力収支の2通り

電力から逆算する問題の出題履歴

同じ考え方を使う直流回路の問題です。あわせて解くと解法が定着します。

年度記事問われ方
平成22年度 A問題5本問(直流回路57)消費電力から並列の未知抵抗R
令和5年度下期 A問題5直流回路14電流計の指示からRの消費電力
平成26年度 A問題6直流回路46電流比の条件から並列抵抗R₂
平成30年度 A問題5直流回路34許容電力から許容電流と最大電圧
平成26年度 A問題7直流回路47R₁とR₃の消費電力の比

💡 覚え方
電力→電圧(\(V=\sqrt{PR}\))→全電流→引き算で未知枝→R。27×12=324=18² ときれいに出る。30 Ωには全電流が流れる。

⚠️ よくある間違い
27 Wは12 Ωだけの電力で並列部全体ではありません。18 Vは並列部の電圧で30 Ωの電圧ではありません。2.4 Aは分岐前の全電流です。7.5 Ω(誤答(2))は並列合成抵抗であってRではありません。

まとめ

回路構成30 Ω+(12 ΩとRの並列)
並列部電圧Vp=√(27×12)=18 V
分岐前の全電流I=(90-18)/30=2.4 A
12 Ω枝電流I12=18/12=1.5 A
R枝電流IR=2.4-1.5=0.9 A
正答R=18/0.9=20 Ω、(5)

▼あわせて解きたい関連問題
・消費電力・分流の関連問題:【理論】令和5年度下期A問題5

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