今回は平成24年度 理論科目 A問題6を解説します。R₁=20 Ω、R₂=10 Ω、R₃=40 Ω、R₄=30 Ωの直並列回路で、I₁=100 mAからR₄を流れるI₄を求めます。節点電圧とKCLで主解を導き、等価抵抗・電源電流・電力収支でも検算します。
節点を左からA・B・Cとすると、R₁とR₂はA-B間で並列、その合成抵抗とR₃が直列です。この上側枝全体とR₄枝がA-C間で並列になります。I₁からVAB、I₂、I₃、VBC、VACの順に求めます。
平成24年度 理論科目 A問題6:問題文と選択肢
電気技術者試験センター公表の平成24年度公式問題PDF(理論・問6、PDF 9ページ、冊子表示-6-、管理記号T1-R009)と公式解答PDFを照合して進めます。下の問題文画像と回路図は、四つの抵抗値、三節点の接続、電源極性、I₁・I₄の矢印、選択肢とも公式内容と一致するため保持しています。

電験3種 理論科目 【直流回路・直並列回路】 平成24年度 A問題6
図のように、抵抗を直並列に接続した回路がある。この回路において、I1=100〔mA〕のとき、I4〔mA〕の値として、最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
(1)266 (2)400 (3)433 (4)467 (5)533〔mA〕

出題のポイント:節点を3つに分けて「どれとどれが並列か」を確定させる
直並列回路は節点に名前を付けるところから始めると、接続関係を読み違えません。本問は左からA・B・Cの3節点で、
| 区間 | 構成 | 並列関係 |
| A–B間 | R₁=20 Ω と R₂=10 Ω | この2本が並列 |
| B–C間 | R₃=40 Ω | 単独 |
| A–C間 | 上側枝〔(R₁∥R₂)+R₃〕 と R₄=30 Ω | この2つが並列 |
見落としやすいのが最後の行です。R₄はR₃だけと並列なのではなく、「R₁∥R₂とR₃を直列にした枝の全体」と並列になっています。だからR₄には \(V_{AC}\)(A–C間の電圧=電源電圧)が丸ごと加わります。
あとは既知の \(I_1\) から、電圧 → 電流 → 電圧 → 電流 と交互にたどっていくだけです。

問題の解説:I₁から順にたどる
STEP1 A–B間の電圧からI₂を求める
I₁=100 mA=0.100 A
R₂=10 Ω
分流比での確認:\(I_1:I_2=R_2:R_1=10:20=1:2\)。確かに \(100:200\) になっています ✓
STEP2 節点Bで合流させ、A–C間の電圧を求める
R₃を流れる電流
これが電源電圧でもある

STEP3 R₄の電流を求める
R₄はA–C間に直接つながっているので、同じ14 Vが加わります。
1000倍を忘れずに
等価抵抗での検算:\(R_1\parallel R_2=20/3\;\Omega\)、上側枝は \(20/3+40=140/3\;\Omega\)。これとR₄=30 Ωを並列にすると \(420/23\approx18.26\;\Omega\)。電源電流は \(14/(420/23)=23/30\approx0.767\;\mathrm{A}\) で、\(I_3+I_4=0.300+0.467=0.767\;\mathrm{A}\) と一致します ✓

選択肢を逆にたどって検算する
各選択肢のI₄から \(V_{AC}=30I_4\) を求め、そこから逆算してI₁が100 mAに戻るかを確かめます。上側枝は \(V_{AC}=I_1R_1+3I_1R_3=140I_1\) の関係があります(\(I_2=2I_1\)、\(I_3=3I_1\) より)。
| 選択肢 | I₄ [mA] | VAC=30I₄ [V] | 逆算した I₁ [mA] | 判定 |
| (1) | 266 | 7.98 | 57.0 | × |
| (2) | 400 | 12.00 | 85.7 | × |
| (3) | 433 | 12.99 | 92.8 | × |
| (4) | 467 | 14.01 | 100.1 | ○ |
| (5) | 533 | 15.99 | 114.2 | × |
\(V_{AC}=140I_1\) という関係が使えると、逆算が一瞬で済みます。I₁が100 mAなら \(V_{AC}=14\;\mathrm{V}\)、R₄が30 Ωなので \(I_4=14/30\)。この2手だけで答えが出るので、慣れれば1分かかりません。
よくある誤り:300 mAを電源電流と思い込む
STEP2で求めた \(I_3=300\;\mathrm{mA}\) は、R₃を流れる電流であって電源電流ではありません。電源電流はこれにI₄を足した \(300+467=767\;\mathrm{mA}\) です。
なぜ間違えやすいかというと、\(I_1\) と \(I_2\) が合流して \(I_3\) になる場面が「全部が集まった」ように見えるからです。しかしR₄枝はそもそもA点で別れており、B点を通っていません。回路図で電流の道筋を指でなぞると、R₄枝が上側枝とは完全に別ルートだと分かります。
「どこまでが合流したのか」を節点ごとに確認する——直並列回路ではこれが最も基本的で、最も間違えやすいポイントです。
本番で使える時間短縮テクニック
⏱️ 本番での進め方
① 節点に名前を付ける(A・B・C)。どれとどれが並列かが確定する
② 電圧→電流→電圧→電流と交互にたどる。並列は電圧共通・直列は電流共通
③ 分流比 \(I_1:I_2=R_2:R_1\)(相手の抵抗が比になる)で検算する
④ mAとAの換算を最後に必ず確認。14/30 A は 0.467 A = 467 mA
直並列回路の出題履歴
同じ考え方を使う直流回路の問題です。あわせて解くと解法が定着します。
| 年度 | 記事 | 問われ方 |
| 平成24年度 A問題6 | 本問(直流回路53) | 直並列回路でI₁からI₄を求める |
| 平成26年度 A問題6 | 直流回路46 | 電流比の条件から並列抵抗R₂ |
| 平成28年度 A問題6 | 直流回路40 | 直並列(ラダー)回路の電流比 |
| 平成18年度 A問題6 | 直流回路68 | 分流の法則から未知抵抗R₁の式 |
| 令和4年度上期 A問題5 | 直流回路24 | 抵抗を並列追加したときのR₃の電流 |
💡 覚え方
節点A・B・Cで構造を確定→\(V_{AB}\)→\(I_2\)→\(I_3\)→\(V_{BC}\)→\(V_{AC}\)→\(I_4\) と交互にたどる。R₄にはA–C間の全電圧14 Vが加わる。
⚠️ よくある間違い
300 mAはR₃の電流であって電源電流ではありません(電源電流は767 mA)。R₄はR₃単独ではなく上側枝の全体と並列です。最後のA→mAの換算も忘れずに。
まとめ
| A-B間 | VAB=2 V、I2=200 mA |
| R₃電流 | I3=I1+I2=300 mA |
| A-C間電圧 | VAC=2+12=14 V |
| R₄電流 | I4=14/30 A=466.6… mA≒467 mA |
| 正答 | (4) |
▼あわせて解きたい関連問題
・分流・直並列の関連問題:【理論】平成26年度A問題6

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