直流回路47【電験3種 理論】R₁とR₃の消費電力の比を求める!平成26年度 A問題7 完全解説

電験3種 理論科目 直流回路・消費電力 平成26年度 A問題7 R1とR3で消費電力を比べる!その比はいくつ?

今回は平成26年度 理論科目 A問題7を解説します。2 V電源にR₁=5 Ωと「R₂=10 Ω、R₃=15 Ωの並列部」を接続した回路で、R₁の消費電力P₁がR₃の消費電力P₃の何倍かを求めます。

R₂∥R₃=6 Ωより並列部電圧をVₚ=I×6 Ωと表します。R₁とR₃の電力を同じ全電流Iで表せばI²が約分され、電源電圧を代入しなくても厳密な倍率25/12を求められます。

目次

平成26年度 理論科目 A問題7:問題文と選択肢

電気技術者試験センター公表の公式問題PDF(理論・問7)と公式解答PDFを確認しながら進めます。下の問題画像は公式内容を再構成した既存画像として保持していますが、電源ラベルの数字「2」が欠けて「V」と見えます。公式問題図の電源電圧は2 Vであり、以下の検算も公式値に基づきます。

電験3種 理論科目 直流回路 平成26年度 A問題7 問題文
平成26年度 理論科目 A問題7 問題文

電験3種 理論科目 【直流回路・消費電力】 平成26年度 A問題7

 図に示す直流回路において、抵抗R₁=5Ωで消費される電力は抵抗R₃=15Ωで消費される電力の何倍となるか。その倍率として、最も近い値を次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

倍率:(1)0.9 (2)1.2 (3)1.5 (4)1.8 (5)2.1

図 2V電源・R₁=5Ω(直列)とR₂=10Ω・R₃=15Ω(並列)の回路(問題図)
図 2V電源・R₁=5Ω(直列)とR₂=10Ω・R₃=15Ω(並列)の回路(問題図)

出題のポイント:電力の公式は「その抵抗について何が分かっているか」で選ぶ

\(P=I^2R\) と \(P=V^2/R\) は、直列用・並列用という専用公式ではありません。どちらもすべての抵抗に使えます。選ぶ基準は「その抵抗について、電流と電圧のどちらが手元にあるか」だけです。

本問では、R₁には全電流Iがそのまま流れるので \(P_1=I^2R_1\) が便利。一方R₃は並列部にあるので並列部の電圧Vpが分かっており、\(P_3=V_p^2/R_3\) が便利です。そしてVp自体も \(V_p=I\times(R_2\parallel R_3)\) とIで書けるので、最終的に両方の電力がI²の定数倍になり、比を取ればI²が約分されて消えます

この構造のおかげで、電源電圧を一切使わずに倍率が求まります。倍率は抵抗値の組み合わせだけで決まるからです。

2V電源の正極からR1イコール5Ωを通り、R2イコール10ΩとR3イコール15Ωへ分流する公式回路で、R1の全電流Iと並列部の共通電圧Vpを示す出題のポイント図
R₁には全電流Iが流れ、R₂とR₃には共通の並列部電圧Vₚがかかります。R₂∥R₃=6 Ωです。

問題の解説:両方の電力を I² で表して比を取る

使う公式:電力の3表現と並列合成
$$P=VI=I^2R=\frac{V^2}{R},\qquad R_2\parallel R_3=\frac{R_2R_3}{R_2+R_3}$$

※3つの式はオームの法則から導かれる同じ関係。手元にある量に合わせて選ぶだけで、使ってよい場面に制限はありません。

STEP1 並列部をまとめて、その電圧をIで表す

$$R_2\parallel R_3=\frac{10\times15}{10+15}=\frac{150}{25}=6\;[\Omega]$$
❶ 並列合成
10 Ωと15 Ωで6 Ω
$$V_p=I\times6$$
❷ 並列部の電圧
全電流×並列合成抵抗

STEP2 P₁とP₃をそれぞれ表す

R₁は電流が分かるので \(I^2R\)、R₃は電圧が分かるので \(V^2/R\) を使います。

$$P_1=I^2R_1=5I^2$$
❸ R₁は電流基準
全電流Iがそのまま流れる
$$P_3=\frac{V_p^2}{R_3}=\frac{(6I)^2}{15}=\frac{36}{15}I^2=\frac{12}{5}I^2$$
❹ R₃は電圧基準
並列部の電圧6Iを使う
R2とR3の並列合成を6Ωとし、VpイコールIかける6Ω、P1イコール5I二乗、P3イコール12/5I二乗と同じ全電流Iで表すポイント解説図
R₂∥R₃=6 ΩからVₚ=I×6 Ω。P₁=5I²、P₃=(12/5)I²と表せば、比ではI²が約分されます。

STEP3 比を取ってI²を消す

$$\frac{P_1}{P_3}=\frac{5I^2}{(12/5)I^2}=\frac{25}{12}=2.083\ldots$$
❺ 約分
電源電圧を使わずに倍率が出る

実数値での検算:電源2 V、全抵抗 \(5+6=11\;\Omega\) なので \(I=2/11\approx0.1818\;\mathrm{A}\)。並列部の電圧は \(6I\approx1.0909\;\mathrm{V}\)、R₃の電流は \(1.0909/15\approx0.0727\;\mathrm{A}\)。したがって \(P_1\approx0.16529\;\mathrm{W}\)、\(P_3\approx0.07934\;\mathrm{W}\)、比は \(2.0833\)——文字式で求めた \(25/12\) と完全に一致します。

答え\(P_1/P_3=25/12\approx2.08\) 倍 → 最も近い選択肢(5) 2.1倍
P1割るP3イコール25/12イコール2.0833から正答5の2.1倍を選び、2V電源で合成抵抗11Ωや各電流電圧電力を検算する解説図
P₁/P₃=25/12=2.0833…なので、最も近い選択肢は(5) 2.1倍です。2 Vを用いた実数値検算とも一致します。

選択肢との距離を確かめる

厳密値は \(25/12=2.0833\ldots\)。選択肢は0.3刻みで並んでいるので、どれが「最も近い」かは明白です。

選択肢倍率厳密値 2.0833 との差判定
(1)0.91.183×
(2)1.20.883×
(3)1.50.583×
(4)1.80.283×
(5)2.10.017

差が桁違いに小さいので迷う余地はありません。「最も近いもの」と書かれている問題は、厳密値を出してから選択肢と照合するのが確実です。途中で丸めると、隣の選択肢と紛らわしくなることがあります。

よくある誤り:全電流をR₃にも使ってしまう

最も多い間違いが \(P_3=I^2R_3=15I^2\) と計算してしまうことです。これだと \(P_1/P_3=5/15=1/3\) となり、R₁のほうが小さいという逆の結論になってしまいます。

R₃には全電流Iは流れません。実際の枝電流は \(I_3=V_p/R_3=6I/15=0.4I\) で、全電流の4割だけです。電力は電流の2乗に比例するので \(0.4^2=0.16\) 倍、これに抵抗15を掛けて \(15\times0.16=2.4=12/5\)——たしかにさきほどの結果と一致します。

公式を選ぶ前に「この抵抗に流れる電流/かかる電圧は本当にそれか」を確認する。並列部を含む回路では、この一手間が答えを分けます。

本番で使える時間短縮テクニック

⏱️ 本番での進め方
① \(I^2R\) と \(V^2/R\) は専用公式ではない。手元にある量で選ぶだけ
② 電力のを聞かれたら、全部を同じ文字(本問はI)で表せば約分で消える。電源電圧は不要
③ 並列部の抵抗には全電流は流れない。分流後の電流を使うか、電圧基準の式に切り替える
④ 「最も近いもの」は厳密値を出してから照合。途中で丸めない

消費電力の比較の出題履歴

同じ考え方を使う直流回路の問題です。あわせて解くと解法が定着します。

年度記事問われ方
平成26年度 A問題7本問(直流回路47)R₁とR₃の消費電力の比
令和2年度 A問題6直流回路30直列抵抗と並列抵抗の消費電力の大小
令和7年度下期 A問題5直流回路13つの抵抗の消費電力の大小
令和5年度下期 A問題5直流回路14電流計の指示からRの消費電力
平成30年度 A問題5直流回路34許容電力から許容電流と最大電圧

💡 覚え方
R₁は電流基準 \(I^2R\)、並列部は電圧基準 \(V_p^2/R\)。両方をIで表せば比を取ったとき \(I^2\) が消え、電源電圧なしで倍率が出る。本問は 5 対 12/5 で 25/12≒2.08。

⚠️ よくある間違い
R₃に全電流Iを使わないこと(実際は0.4I)。誤って \(15I^2\) とすると比が1/3になり大小が逆転します。「最も近い」問題は厳密値2.0833を出してから選択肢を選びましょう。

まとめ

並列合成・電圧R2∥R3=6 Ω、Vp=I×6 Ω
P15I2
P3(12/5)I2=2.4I2
厳密比P1/P3=25/12=2.0833…
正答最も近い2.1倍、(5)

▼あわせて解きたい関連問題
・消費電力の比の関連問題:【理論】令和2年度A問題6

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