直流回路16【電験3種 理論】スイッチ切換の電流計指示から抵抗rを求める!令和5年度下期 A問題7 完全解説

電験3種 理論科目 電気回路(直流回路) 令和5年度下期 A問題7 スイッチを切り換えると指示が変わる!抵抗rは?

今回は令和5年度下期 理論科目 A問題7を解説します。100 V直流電源に接続されたR₁、R₂、抵抗rと切換スイッチSについて、S開・①側・②側で電流計が2.0 A・2.5 A・5.0 Aを示すときの抵抗r〔Ω〕を求めます。

各状態で電源から見た合成抵抗をR=100/Iで求めます。S開からR₁+R₂、②側からR₁、①側からR₂∥rを得ると、R₁、R₂、rを一つずつ確定できます。②側で短絡されるのはR₂だけで、rは開放される点が重要です。

目次

令和5年度下期 理論科目 A問題7:問題文と選択肢

電気技術者試験センター公表の問題文・選択肢・回路図を確認します。掲載済みの問題画像と問題図は原資料としてそのまま保持しています。

電験3種 理論科目 直流回路 令和5年度下期 A問題7 問題文
令和5年度下期 理論科目 A問題7 問題文

電験3種 理論科目 【電気回路(直流回路)】 令和5年度下期 A問題7

 図のように、抵抗、切換スイッチS及び電流計を接続した回路がある。この回路に直流電圧100Vを加えた状態で、図のようにスイッチSを開いたとき電流計の指示値は2.0Aであった。また、スイッチSを①側に閉じたとき電流計の指示値は2.5A、スイッチSを②側に閉じたとき電流計の指示値は5.0Aであった。このとき、抵抗rの値〔Ω〕として、正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。ただし、電流計の内部抵抗は無視できるものとし、測定誤差はないものとする。

(1)20 (2)30 (3)40 (4)50 (5)60〔Ω〕

図 100V電源・電流計・R<sub class=

出題のポイント:①と②で「rが並列になる」か「R₂が短絡される」かが変わる

切換スイッチの問題は、接点ごとに何が起きるかを図に書き込むところが勝負です。本問のスイッチはR₁とR₂の中点につながっていて、

スイッチ接続有効な回路合成抵抗
どこにもつながらない(rは回路外)R₁とR₂の直列100/2.0 = 50 Ω
②側中点が下側共通線へ直結R₂が短絡されてR₁のみ(rは開放)100/5.0 = 20 Ω
①側中点とrの上端がつながるR₁ と(R₂∥r)の直列100/2.5 = 40 Ω

②側で短絡されるのはR₂だけです。rは①から外れて開放になり、R₁は短絡されません。だから②側がいちばん抵抗が小さく、電流が最大の5.0 Aになります。「②側でrが短絡される」と誤読すると、その後の式が全部崩れます。

そして電流計はR₁より手前にあるので、どの状態でも指示値は全電流です。

100V電源、電流計、R1、R2、切換スイッチS、接点1のr枝、接点2の短絡線を正確に示すGPT Image 2の出題ポイント図
出典:電気技術者試験センター「令和5年度下期 第三種 理論 問7」の回路図をもとに、当サイトが学習用に再構成・改変したGPT Image 2解説図。①はR₂とrの並列、②はR₂の短絡です。

問題の解説:未知数が減る順に片付ける

使う公式:オームの法則と並列合成
$$R_{\text{合成}}=\frac{100}{I},\qquad R_2\parallel r=\frac{R_2\,r}{R_2+r}$$

※電源電圧が一定なので、各状態の全電流から合成抵抗が直読できます。3状態=3つの式が手に入ります。

STEP1 S開でR₁+R₂を求める

$$R_1+R_2=\frac{100}{2.0}=50\;[\Omega]$$
❶ S開
rは回路外。単純な直列

STEP2 S②側でR₁を確定し、R₂を引き算で出す

②側では中点が下側共通線に直結されるので、R₂の両端が同電位になり電流が流れません。残るのはR₁だけ——いきなり値が決まります。

$$R_1=\frac{100}{5.0}=20\;[\Omega]$$
❷ S②側
R₂が短絡、rは開放
$$R_2=50-20=30\;[\Omega]$$
❸ 引き算
❶から差し引く
S開でR1とR2直列、Sを2側でR1のみ、Sを1側でR1とR2並列rを示し、合成抵抗を順に確定するGPT Image 2のポイント解説図
S開ではR₁+R₂=50 Ω、②側ではR₁=20 ΩからR₂=30 Ω、①側では全体40 ΩからR₂∥r=20 Ωと順に確定します。

STEP3 S①側の並列部からrを求める

$$R_1+(R_2\parallel r)=\frac{100}{2.5}=40\;[\Omega]$$
❹ S①側
R₁と並列部の直列
$$R_2\parallel r=40-20=20\;[\Omega]$$
❺ R₁を引く
並列部だけを分離
$$\frac{30\,r}{30+r}=20\;\Rightarrow\;30r=600+20r\;\Rightarrow\;r=60\;[\Omega]$$
❻ 解く

枝電流での検算:①側の全電流2.5 AがR₁=20 Ωを通るので降下は50 V。並列部にも50 Vが加わり、R₂枝は \(50/30=5/3\;\mathrm{A}\)、r枝は \(50/60=5/6\;\mathrm{A}\)。合計 \(5/3+5/6=2.5\;\mathrm{A}\) ✓ r枝から逆算しても \(r=50\div(5/6)=60\;\Omega\) と一致します。

答え\(r=60\;[\Omega]\) → 選択肢(5) (R₁=20 Ω、R₂=30 Ω、30∥60=20 Ω ✓)
R1 20Ωと30Ω並列rの等価回路、30rを30+rで割って20とする式、r60Ωと正答5を示すGPT Image 2の問題解説図
30 Ωとrの並列合成が20 Ωなので、30r/(30+r)=20からr=60 Ωです。30 Ω∥60 Ω=20 Ωとなり、公式正答は(5)です。

選択肢を回路に戻して検算する

R₁=20 Ω、R₂=30 Ωは確定しているので、各選択肢のrで①側の全電流が2.5 Aになるかを確かめます。

選択肢r [Ω]30 ∥ r [Ω]全体 20+並列 [Ω]全電流 100/全体 [A]判定
(1)2012.0032.003.13×
(2)3015.0035.002.86×
(3)4017.1437.142.69×
(4)5018.7538.752.58×
(5)6020.0040.002.50

rを大きくすると並列部の抵抗が増え、電流は単調に減ります。2.5 Aは選択肢が生む電流の中で最小なので、rは最大の(5)——1つ計算すれば方向が読めます。

この問題は平成20年度の再出題です

本問(令和5年度下期 A問題7)は、平成20年度 A問題6とまったく同じ回路・数値・選択肢で出題されています(直流回路62)。約15年ぶりの再登場です。

違いは、本問に「測定誤差はないものとする」という一文が加わっていることだけ。電流計の指示値をそのまま真値として扱ってよい、という念押しで、解法は一切変わりません。古い年度の問題がそのまま出ることがある——過去問を遡って解く価値がここにあります。

本番で使える時間短縮テクニック

⏱️ 本番での進め方
① 切換スイッチは接点ごとに回路図を描き直す。頭の中で処理しない
電源電圧÷全電流=その状態の合成抵抗。状態の数だけ方程式が手に入る
未知数が少ない状態から解く(②側でR₁がいきなり決まる)
④ 「短絡される素子」と「切り離される素子」を混同しない。②側でrは開放のまま

スイッチ切換・合成抵抗の出題履歴

同じ考え方を使う直流回路の問題です。あわせて解くと解法が定着します。

年度記事問われ方
令和5年度下期 A問題7本問(直流回路16)スイッチ3状態の電流計指示から抵抗r
平成20年度 A問題6直流回路62同一問題(「測定誤差はない」の一文が無い)
令和7年度上期 A問題7直流回路7スイッチで全電流が3倍になる抵抗R
平成27年度 A問題6直流回路43スイッチ開閉で電流が不変=平衡ブリッジ
令和3年度 A問題6直流回路27安定化電源のCC/CV切換と電流波形

💡 覚え方
切換スイッチは接点ごとに描き直す100 V÷全電流=合成抵抗で3式を作り、未知数の少ない順(②→開→①)に解く。

⚠️ よくある間違い
②側で短絡されるのはR₂だけ(rは開放、R₁は短絡されません)。①と②を逆に読まないこと。①側の2.5 Aはr枝の電流ではなく全電流です。

まとめ

S開・2.0 AR₁+R₂=100/2.0=50 Ω
S②・5.0 AR₂を短絡、rは開放、R₁=20 Ω
R₂50−20=30 Ω
S①・2.5 AR₁+(R₂∥r)=40 Ω
並列部R₂∥r=20 Ω
抵抗r30r/(30+r)=20より60 Ω
公式正答(5)

▼あわせて解きたい関連問題
・スイッチ切換・合成抵抗の関連問題:【理論】令和7年度上期A問題7

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