静電界12【電験3種 理論】一定電圧の誘電体コンデンサで比誘電率に依存しない量は?令和5年下期 A問題1 完全解説

静電界12【電験3種 理論】一定電圧の誘電体コンデンサで比誘電率に依存しない量は?令和5年下期 A問題1 完全解説

今回は令和5年度下期 理論科目 A問題1を解説します。比誘電率εrの誘電体で満たされた平行平板コンデンサに一定の直流電圧が加えられているとき、記述a〜eのうち誤っているものの組合せを選ぶ論述問題です。

ポイントは「電圧一定」という条件です。電界E=V/dや電位分布はεに依存しません(電圧と間隔だけで決まる)。一方、静電容量C・エネルギー・電荷はεに依存します。この違いを整理すれば解けます。

🔁 この問題は繰り返し出題されています
ほぼ同じ問題が 【理論】平成25年度A問題1 でも出題されています。出題パターンが固定なので、セットで解けば確実な得点源になります。
目次

令和5年度下期 理論科目 A問題1:問題文と選択肢

まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

電験3種 理論科目 静電界 令和5年度下期 A問題1 問題文
令和5年度下期 理論科目 A問題1 問題文

電験3種 理論科目 【電磁気(静電界)】 令和5年度下期 A問題1

 極板間が比誘電率εrの誘電体で満たされている平行平板コンデンサに一定の直流電圧が加えられている。このコンデンサに関する記述a〜eとして、誤っているものの組合せを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。ただし、コンデンサの端効果は無視できるものとする。

a.極板間の電界分布はεrに依存する。
b.極板間の電位分布はεrに依存する。
c.極板間の静電容量はεrに依存する。
d.極板間に蓄えられる静電エネルギーはεrに依存する。
e.極板上の電荷(電気量)はεrに依存する。

(1)a,b (2)a,e (3)b,c (4)a,b,d (5)c,d,e

出題のポイント:最初に電圧一定を確認

一定電圧の平行平板コンデンサで誘電率に依存する量と依存しない量を比較する図
電圧一定ではEと電位分布は不変で、C、Q、Wは誘電率とともに増えます。

電源につながれたままなので極板間電圧Vは一定です。この条件では電界E=V/dと電位分布は誘電率に依存せず、容量C、電荷Q、静電エネルギーWは誘電率に依存します。

ポイント解説:εr依存性を式で分類

電界、電位、容量、電荷、静電エネルギーを比誘電率依存性で分類した表
V、d、S一定のとき、Eと電位分布だけが比誘電率に依存しません。

本問のカギは「一定の直流電圧V」が加えられている点です。電界はE=V/dで、電圧Vと極板間隔dだけで決まり、比誘電率εrには依存しません。電位分布も同様です。

一方、静電容量C=εrε0S/d、静電エネルギーW=½CV2、電荷Q=CVはいずれもCを通じてεrに依存します。

問題の解説:a〜eを判定

記述aからeを判定し誤っているaとbの組合せを選ぶ表
誤っている記述はaとbで、正解は(1)です。

STEP1 各記述のε依存性を判定する

a.電界分布E=V/d → εに依存しない(記述は誤り)。

b.電位分布V(x)=(V/d)x → εに依存しない(記述は誤り)。

c.静電容量C=εrε0S/d → εに依存する(正しい)。

d.静電エネルギーW=½CV2 → Cを通じ依存する(正しい)。

e.電荷Q=CV → Cを通じ依存する(正しい)。

STEP2 誤っている記述の組合せを選ぶ

誤っているのはa と bです。したがって、答えは(1) a,bです。

答え:(1) a,b(電界分布と電位分布はε_rに依存しない)

💡 覚え方
電圧一定なら E=V/d・電位分布はεに無関係。C・エネルギー・電荷はεに依存。『電荷一定』の問題とは逆になるので条件を要確認。

⚠️ よくある間違い
「誘電体を入れれば電界も変わる」と早合点しないこと。電圧一定ならE=V/dは不変。変わるのはC・Q・エネルギーです。

まとめ

a 電界分布V/d → εに依存しない(誤)
b 電位分布εに依存しない(誤)
c,d,e 容量・エネルギー・電荷εに依存する(正)
誤りの組合せa,b …(1)

▼あわせて解きたい関連問題
・誘電体コンデンサの関連問題:【理論】令和7年度下期B問題17

📚 次に解くべき関連問題
【理論】令和5年度上期A問題1(静電界14)
【理論】令和6年度下期B問題17(静電界9)
【理論】令和5年度上期B問題17(静電界16)
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

目次