静電界28【電験3種 理論】電気力線の図から4本の導体円柱の電荷の符号を読み取る!令和2年 A問題2 完全解説

電験3種 理論科目 電磁気(静電界) 令和2年度 A問題2 電気力線の図を読む!4本の円柱の符号は?

今回は令和2年度 理論科目 A問題2を解説します。互いに平行な4本の導体円柱①〜④が+Q又は-Qで帯電しているとき、周囲の電気力線の図から各円柱の電荷の符号を読み取る問題です。①は正電荷と与えられています。

ポイントは、電気力線が正電荷から出て負電荷へ入ることです。同じ電気力線で直接結ばれた2本の円柱は異符号です。ただし、結ばれていないことだけから同符号とは一般には断定せず、本問では実際に結ばれているペアを順にたどります。

目次

令和2年度 理論科目 A問題2:問題文と選択肢

図には力線の向きが描かれていません。それでも符号が決まるのは、「つながった2本は必ず異符号」という性質が向きによらないからです。まずは問題文を確認しましょう。

電験3種 理論科目 静電界 令和2年度 A問題2 問題文
令和2年度 理論科目 A問題2 問題文

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「令和2年度 第三種電気主任技術者試験」理論科目 A問題2

電験3種 理論科目 【電磁気(静電界)】 令和2年度 A問題2

 四本の十分に長い導体円柱①〜④が互いに平行に保持されている。①〜④は等しい直径を持ち、図の紙面を貫く方向に単位長さあたりの電気量+Q〔C/m〕又は-Q〔C/m〕で均一に帯電している。ただし、Q>0とし、①の帯電電荷は正電荷とする。円柱の中心軸と垂直な面内の電気力線の様子を図に示す。ただし、電気力線の向きは示していない。このとき、①〜④が帯びている単位長さあたりの電気量の組合せとして、正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

(1)+Q+Q+Q+Q
(2)+Q+Q-Q-Q
(3)+Q-Q+Q+Q
(4)+Q-Q-Q-Q
(5)+Q+Q+Q-Q
図 4本の導体円柱①〜④の周囲の電気力線(問題図)
図 4本の導体円柱①〜④の周囲の電気力線(問題図)

出題のポイント:力線でつながった2本は、必ず異符号

4本の導体円柱の符号を、電気力線の図だけから読み取る問題です。図には力線の向きが描かれていませんが、それでも符号が決まります。

使う性質はただ一つ。電気力線は正電荷から出て負電荷へ入る——だから、

$$(\text{同じ力線でつながる2本})\;\Rightarrow\;(\text{必ず異符号})$$
❶ 唯一の判定基準
向きが分からなくても使える

向きが描かれていなくてよい理由がここにあります。力線が「①から③へ」なのか「③から①へ」なのかは分かりませんが、どちらにせよ2本は異符号だからです。①が正と与えられているので、そこを起点に芋づる式に決まります。

電気力線が正電荷から出て負電荷へ入る基本原則を示す図
同じ電気力線で結ばれた導体は異符号です。

問題の解説:①を起点に接続をたどる

STEP1 どのペアがつながっているかを図から読む

ペア力線でつながっているかそこから分かること
①-③つながっている異符号
①-④つながっている異符号
②-③つながっている異符号
②-④つながっている異符号
①-②つながっていない(同符号の可能性が高い)
③-④つながっていない(同符号の可能性が高い)

「密な力線の束があるか」を見ます。力線が2本の円柱の間を橋渡しするように描かれていれば、そのペアはつながっています。

STEP2 ①=+Qから順に決める

$$\text{①}=+Q\;(\text{与えられている})$$
❷ 起点
$$\text{①-③がつながる}\;\Rightarrow\;\text{③}=-Q$$
❸ 異符号
$$\text{①-④がつながる}\;\Rightarrow\;\text{④}=-Q$$
❹ 異符号
$$\text{②-③がつながる}\;\Rightarrow\;\text{②}=+Q$$
❺ ③と異符号
②-④からも同じ結論

②は2通りの経路から確認できます。②-③(③が−Qなので②は+Q)と②-④(④が−Qなので②は+Q)——どちらからも+Qで一致します。矛盾がないことの確認になります。

STEP3 整合性を確認する

つながっていないペアが同符号になっているかを最後に見ます。

つながっていないペア求めた符号整合性
①-②+Q と +Q同符号 ◎
③-④−Q と −Q同符号 ◎

同符号どうしの間には力線が引けません(正から正へは入らない)。図でつながっていないことと矛盾しません ✓

導体円柱1から3と4、導体円柱2から3と4の接続を使って符号を判定する図
①=+Qを起点に、結ばれた相手が異符号になることを順に使います。
答え①=+Q、②=+Q、③=−Q、④=−Q → 選択肢(2)
導体円柱1と2が正Q、3と4が負Qとなり選択肢2を導く判定図
①=②=+Q、③=④=−Qとなるため、正答は(2)です。

誤答の正体:図の接続と矛盾するかを確かめる

選択肢①②③④図との矛盾判定
(1)+ + + +全部同符号なら力線でつながるペアが存在できない。図に束があることと矛盾×
(2)+ + − −矛盾なし
(3)+ − + +①-③が同符号になり、つながっている図と矛盾×
(4)+ − − −②-③、②-④が同符号になり、つながっている図と矛盾×
(5)+ + + −①-③が同符号になり、つながっている図と矛盾×

(1)の「全部+Q」が最も分かりやすい誤りです。すべて同符号なら、どの2本の間にも力線は引けません。図に力線の束が描かれている時点で、(1)は即座に消せます

「電荷の総和が0だから(2)」という理由づけは弱い点にも注意してください。総和が0になるのは結果であって根拠ではありません。実際、無限遠へ抜ける力線が図にあれば総和は0になりません。符号を決める直接の根拠は、あくまで「つながったペアは異符号」です。

なぜ同符号どうしは力線でつながれないのか

この性質は力線の向きの一意性から出てきます。

状況力線の向き成立するか
正 → 負正から出て負へ入る成立
正 → 正両端から出ようとする不成立(線が途中で衝突する)
負 → 負両端へ入ろうとする不成立(線の出発点がない)

力線には必ず出発点(正電荷)と終着点(負電荷、または無限遠)が必要です。正と正の間に線を引こうとすると、両端が「出発点」になってしまい、線として成立しません。

実際に同符号の電荷を2つ並べると、力線は互いを避けるように外側へ膨らみます。その中間には力線が0になる点(中和点)が生じ、そこで電界が消えます。「線が途切れる」のではなく「そもそも間を通らない」のです。

本番で使える時間短縮テクニック

⏱️ 本番での進め方
「つながったペアは異符号」——これ1つで全部決まる
② 力線の向きが描かれていなくても解ける(異符号であることは向きによらない)
③ 与えられた符号(本問は①)を起点に芋づる式にたどる
④ 最後につながっていないペアが同符号になっているかを確認
全部同符号の選択肢は即消去(力線が引けなくなる)

💡 覚え方
「線でつながる=異符号」。電気力線は正から負へしか流れないので、線で結ばれた2本は必ず反対の符号です。向きが分からなくても判定できるのがこの性質の強みです。

⚠️ よくある間違い
力線の本数だけを数えて判断するのが典型的なミスです。大事なのは「どの円柱どうしが結ばれているか」という接続関係です。また「総和が0になるから」という理由で選ぶのも根拠として不十分——総和が0なのは結果にすぎません。

まとめ

つながるペア①③・①④・②③・②④(異符号)
つながらないペア①②・③④(同符号)
符号①②=+Q、③④=−Q
答え(2)

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