直流回路33【電験3種 理論】電流計の指示から抵抗Rの消費電力を求める!令和元年度 A問題6 完全解説

電験3種 理論科目 電気回路(直流回路) 令和元年度 A問題6 指示値から回路を読み解く!Rの消費電力は何W?

今回は令和元年度 理論科目 A問題6を解説します。100 V直流電源に、内部抵抗を無視できる電流計と10 Ωを直列接続し、その先に抵抗Rと50 Ωを並列接続した回路です。電流計が5 Aを示すときの抵抗Rの消費電力〔W〕を求めます。

電流計の5 Aは、分岐前の10 Ωを流れる全電流です。まず10 Ωの電圧降下を求めて並列部の端子電圧を確定します。次に50 Ω枝の電流を求め、節点の電流則からR枝の電流を出し、P=VIで電力を計算します。

目次

令和元年度 理論科目 A問題6:問題文と選択肢

電気技術者試験センター公表の問題図を確認します。接続順は100 V源-理想電流計-10 Ω-(R∥50 Ω)です。Rと50 Ωは同じ上下2点に接続された並列抵抗であり、両者の端子電圧は等しくなります。

電験3種 理論科目 直流回路 令和元年度 A問題6 問題文
令和元年度 理論科目 A問題6 問題文

電験3種 理論科目 【電気回路(直流回路)】 令和元年度 A問題6

 図に示す直流回路は、100Vの直流電圧源に直流電流計を介して10Ωの抵抗が接続され、50Ωの抵抗と抵抗R〔Ω〕が接続されている。電流計は5Aを示している。抵抗R〔Ω〕で消費される電力の値〔W〕として、最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。なお、電流計の内部抵抗は無視できるものとする。

(1)2 (2)10 (3)20 (4)100 (5)200〔W〕

図 100V電源・電流計・10Ω・R・50Ωからなる直流回路(問題図)
図 100V電源・電流計・10Ω・R・50Ωからなる直流回路(問題図)

出題のポイント:電流計の指示は「分岐前の全電流」

回路を左から追うと、100 V電源 → 電流計 → 10 Ω → そこから R と50 Ωへ分岐、という構成です。電流計は分岐より手前にあるので、指示値5 Aは全電流。Rだけの電流ではありません。ここを取り違えて \(P=50\times5=250\;\mathrm{W}\) としてしまうのが最頻出のミスです。

「電流計の内部抵抗は無視できる」という但し書きも意味があります。内部抵抗0=電圧降下0なので、電流計はただの導線として消してよいということ。回路図から電流計を取り除けば、100 V + 10 Ω直列 +(R∥50 Ω)という素直な形が見えます。

電流計5 A、10 Ωの電圧降下から並列部50 V、50 Ω枝1 AとR枝4 A、Rの電力200 Wを3段階で示すGPT Image 2の出題ポイント図
5 Aは全電流です。並列部50 Vから50 Ω枝1 A、R枝4 Aを求め、Rの電力を計算します。

問題の解説:直列の降下 → 並列部の電圧 → 既知枝 → 引き算

使う公式:オームの法則・電圧則・電力の3表現
$$V=RI,\qquad P=VI=I^2R=\frac{V^2}{R}$$

※未知抵抗Rを先に求める必要はありません。Rの端子電圧とRの電流が分かれば \(P=VI\) で直行できます。

STEP1 10 Ωの降下から並列部の電圧を求める

$$V_{10}=5\times10=50\;[\mathrm{V}]$$
❶ オームの法則
10 Ωには全電流5 Aが流れる
$$V_p=100-50=50\;[\mathrm{V}]$$
❷ 電圧則
電源から直列分を引く

STEP2 既知の50 Ω枝を先に処理し、引き算でR枝へ

並列部にはRにも50 Ωにも同じ50 Vが加わります。抵抗値が分かっている枝から片付けるのが定石です。

$$I_{50}=\frac{50}{50}=1\;[\mathrm{A}]$$
❸ 既知枝
電圧÷抵抗
$$I_R=5-1=4\;[\mathrm{A}]$$
❹ 電流則
全電流から既知枝を引く
同じ上下端子に接続されたR枝と50 Ω枝に50 Vが加わり、全電流5 Aが4 Aと1 Aへ分流することを示すGPT Image 2のポイント解説図
並列の両枝には同じ50 Vが加わり、5 A=4 A+1 Aです。

STEP3 電力を求め、電力収支で検算する

$$P_R=V_pI_R=50\times4=200\;[\mathrm{W}]$$
❺ P=VI
Rの値を求めなくても電力は出る
$$R=\frac{50}{4}=12.5\;[\Omega]\;\Rightarrow\;P=I_R^2R=4^2\times12.5=200\;[\mathrm{W}]$$
❻ 別式で確認
同じ値になる

電力収支での検算:電源が供給するのは \(100\times5=500\;\mathrm{W}\)。内訳は10 Ωが \(5^2\times10=250\;\mathrm{W}\)、50 Ωが \(50^2/50=50\;\mathrm{W}\)、Rが200 W。合計 \(250+50+200=500\;\mathrm{W}\) でぴったり一致します。供給と消費が合うことを確かめれば、途中のどこかで取り違えていないと確信できます。

答え\(P_R=200\;[\mathrm{W}]\) → 選択肢(5) (電力収支:250+50+200=500 W ✓)
並列部50 V、R枝4 A、Rが12.5 Ω、Rの電力200 W、電源500 Wと各抵抗電力の収支、正解5を示すGPT Image 2の問題解説図
R=50/4=12.5 Ω、P₍R₎=50×4=200 W。全消費電力500 Wは電源供給電力と一致します。

選択肢を回路に戻して検算する

並列部の電圧は50 Vで確定しているので、各選択肢の電力からR枝の電流を \(I_R=P/50\) と逆算し、50 Ω枝の1 Aと足して電流計の5 Aに戻るかを見ます。

選択肢PR [W]R枝の電流 P/50 [A]全電流 IR+1 [A]判定
(1)20.041.04×
(2)100.201.20×
(3)200.401.40×
(4)1002.003.00×
(5)2004.005.00

この問題は令和5年度下期 A問題5と完全に同じ内容で出題されています(直流回路14)。数値も選択肢も同一なので、片方を理解すればもう片方は確実に得点できます。過去問がそのまま再出題される好例です。

本番で使える時間短縮テクニック

⏱️ 本番での進め方
① 計器の但し書きを読む——電流計は内部抵抗0なら導線、電圧計は無限大なら開放として図から消す
② 電流計が分岐の前か後かを確認する(本問は前=全電流)
③ 電力はRを求めなくても \(P=VI\) で出せる。遠回りしない
④ 最後に電力収支(各素子の和=電源の供給)で検算する

電流計・消費電力の出題履歴

同じ考え方を使う直流回路の問題です。あわせて解くと解法が定着します。

年度記事問われ方
令和元年度 A問題6本問(直流回路33)電流計の指示からRの消費電力
令和5年度下期 A問題5直流回路14同一問題(数値・選択肢まで同じ)
令和5年度下期 A問題7直流回路16スイッチ切換の電流計指示から抵抗r
平成20年度 A問題6直流回路62スイッチ切換の電流計指示から抵抗r
令和7年度下期 A問題5直流回路13つの抵抗の消費電力の大小

💡 覚え方
電流計は分岐前なら全電流。直列の降下を引いて並列部の電圧を出し、既知枝から引き算で未知枝へ。電力は \(P=VI\) で直行、検算は電力収支

⚠️ よくある間違い
5 AをR枝の電流としないこと。Rに100 Vが直接かかるわけでもありません(10 Ωで50 V降下した後の50 V)。並列部の合成抵抗10 ΩとR=12.5 Ωの混同にも注意しましょう。

まとめ

確認項目結果
全電流5 A(電流計の指示値)
10 Ωの電圧降下5×10=50 V
並列部電圧100−50=50 V
50 Ω枝電流50/50=1 A
R枝電流5−1=4 A
R50/4=12.5 Ω
Rの消費電力50×4=200 W
電力収支250+50+200=500 W=100×5 W
正答(5)

▼あわせて解きたい関連問題
・同一問題(令和5年度下期)の解説:【理論】令和5年度下期A問題5

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