静電界47【電験3種 理論】直線上の3点電荷に働く力が全て零になる電荷を求める!平成25年 A問題2 完全解説

電験3種 理論科目 電磁気(静電界) 平成25年度 A問題2 3つの電荷すべてが動かない!中央の電荷はいくら?

今回は平成25年度 理論科目 A問題2を解説します。真空中の直線上に間隔rで点A・B・Cが並び、QA=4×10-6Cのとき、3つの点電荷に働く力がすべて零になるQB・QCの組合せを求める問題です。

各点電荷について、ほかの2電荷から受ける力の向きと大きさを整理します。中央Bのつり合いから外側の電荷はQC=QA、端Aのつり合いから中央の電荷はQB=−QC/4となります。A-C間は2rなので、クーロン力の距離係数が1/4になることが要点です。

目次

平成25年度 理論科目 A問題2:問題文と選択肢

3つの点電荷すべてを釣り合わせる問題ですが、立てる式は2本で足ります。しかも1本だけでは候補が3つ残る——両方使うことが必須です。まずは問題文を確認しましょう。

電験3種 理論科目 静電界 平成25年度 A問題2 問題文
平成25年度 理論科目 A問題2 問題文

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「平成25年度 第三種電気主任技術者試験」理論科目 A問題2

電験3種 理論科目 【電磁気(静電界)】 平成25年度 A問題2

 図のように、真空中の直線上に間隔r〔m〕を隔てて、点A、B、Cがあり、各点に電気量QA=4×10-6〔C〕、QB〔C〕、QC〔C〕の点電荷を置いた。これら三つの点電荷に働く力がそれぞれ零になった。このとき、QB〔C〕及びQC〔C〕の値の組合せとして、正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。ただし、真空の誘電率をε0〔F/m〕とする。

QBQC
(1)1×10-6−4×10-6
(2)−2×10-68×10-6
(3)−1×10-64×10-6
(4)0−1×10-6
(5)−4×10-61×10-6
図 直線上に間隔rで並ぶ点電荷QA、QB、QC(問題図)
図 直線上に間隔rで並ぶ点電荷 QA・QB・QC(問題図)

出題のポイント:3つのつり合いのうち、独立なのは2つだけ

「3つの点電荷すべてに働く力が零」という条件ですが、実際に立てる式は2本で足ります。対称性から3本目は自動的に満たされるからです。

注目する点受ける力つり合いの式分かること
中央 BAとCから(どちらも距離r)\(Q_B(Q_A-Q_C)=0\)\(Q_C=Q_A\)
端 ABから距離r、Cから距離2r\(Q_B+\dfrac{Q_C}{4}=0\)\(Q_B=-Q_C/4\)
端 CBから距離r、Aから距離2rAと同じ形自動的に成立

A-C間が2rなので、力の係数が1/4になる——これが本問の急所です。クーロン力は距離の2乗に反比例するので、距離が2倍なら力は1/4です。

直線上の点A・B・Cと距離r・r・2rおよびクーロン力の向きを整理した図
A-B間とB-C間はr、A-C間は2rです。各点にはほかの2電荷から力が働きます。

問題の解説:2本の式を順に解く

クーロンの法則(符号付き)
$$F_x=k\frac{q_1q_2}{d^2}\times(\text{向き}),\qquad k=\frac{1}{4\pi\varepsilon_0}$$

同符号なら反発、異符号なら吸引。x軸方向の成分に符号を付けて足します。

STEP1 中央Bのつり合いから \(Q_C\) を決める

BはAからもCからも距離r——同じ距離なので、式が単純になります。

$$F_B=k\frac{Q_BQ_A}{r^2}-k\frac{Q_BQ_C}{r^2}=k\frac{Q_B(Q_A-Q_C)}{r^2}=0$$
❶ 左右から受ける力の差
Aから離れる向きを正
$$Q_B\neq0\;\Rightarrow\;Q_C=Q_A=4\times10^{-6}\;[\mathrm{C}]$$
❷ 外側の2電荷は等しい
対称な配置になる

\(Q_B=0\) も数学的には解ですが、その場合はAとCが互いに反発したままで釣り合いません。選択肢(4)がまさにその形で、後で確認します。

STEP2 端Aのつり合いから \(Q_B\) を決める

Aから見るとBは距離r、Cは距離2rです。距離が違うので係数に差が出ます。

$$-k\frac{Q_AQ_B}{r^2}-k\frac{Q_AQ_C}{(2r)^2}=0$$
❸ 両方とも左向き(負)と置く
\((2r)^2=4r^2\)
$$Q_B+\frac{Q_C}{4}=0\;\Rightarrow\;Q_B=-\frac{Q_C}{4}=-1\times10^{-6}\;[\mathrm{C}]$$
❹ \(kQ_A/r^2\) で割る
中央は負電荷

中央が負になるのは必然です。両端が正なら互いに反発するので、それを引き止めるには中央に引力を生む負電荷が必要になります。

中央Bと端Aの力のつり合いからQCとQBを順に求める式の図
Bのつり合いからQC=QA、Aのつり合いからQB=−QC/4を得ます。
答え\(Q_B=-1\times10^{-6}\;[\mathrm{C}]\)、\(Q_C=4\times10^{-6}\;[\mathrm{C}]\) → 選択肢(3)
QAが4マイクロクーロン、QBがマイナス1マイクロクーロン、QCが4マイクロクーロンのとき全電荷の合力が零になる確認図
三つの点で左右の力が等しく反対向きになり、正解は(3)です。

誤答の正体:Aのつり合いだけでは3つに絞れない

全選択肢を実際に代入し、3点それぞれに働く合力を計算しました。興味深い結果が出ています。

選択肢\(Q_B\)\(Q_C\)Aの合力Bの合力Cの合力判定
(1)\(+1\times10^{-6}\)\(-4\times10^{-6}\)0 ○0でない ×0でない ××
(2)\(-2\times10^{-6}\)\(+8\times10^{-6}\)0 ○0でない ×0でない ××
(3)\(-1\times10^{-6}\)\(+4\times10^{-6}\)0 ○0 ○0 ○
(4)0\(-1\times10^{-6}\)0でない ×0 ○0でない ××
(5)\(-4\times10^{-6}\)\(+1\times10^{-6}\)0でない ×0でない ×0でない ××

(1)(2)(3)はどれもAの力が0になります。つまり「Aのつり合い」だけを使って解くと、3つの候補が残ってしまうのです。

実際、(1)は \(Q_B+Q_C/4=1\times10^{-6}+(-1\times10^{-6})=0\)、(2)は \(-2\times10^{-6}+2\times10^{-6}=0\)——どちらもAの条件を満たしています

決め手はBのつり合いです。\(Q_C=Q_A\) という条件を満たすのは(3)だけ。(1)は \(Q_C=-Q_A\)、(2)は \(Q_C=2Q_A\) となり、Bに力が残ってしまいます

(4)は \(Q_B=0\) のケースです。Bには電荷がないので力を受けませんが、AとCが互いに引き合ったまま(異符号なので)で釣り合いません。「Bが0なら3つとも0」ではないことが数値で確認できます。

なぜ3本目の式が不要なのか

Cのつり合いを立てなくてよい理由を確認しておきます。

$$Q_C=Q_A\;\text{が決まった時点で、配置は左右対称になる}$$
❺ 対称性
AとCが同じ電荷・同じ距離

\(Q_A=Q_C\) で、Bが中央にある——この時点で配置は左右対称です。だからAが釣り合えばCも自動的に釣り合います。3本目の式は独立ではありません。

一般に、n個の電荷がすべて釣り合う条件は独立な式が n−1 本になります(全体の合力が0であることから1本が従属になるため)。本問はさらに対称性が加わるので、実質2本で決まります。

この見通しがあると、どの式から立てるかを選べます。本問ではBのつり合いが最も単純(距離が同じで係数が揃う)なので、そこから始めるのが効率的です。

本番で使える時間短縮テクニック

⏱️ 本番での進め方
最も単純なつり合いから立てる(本問は距離が等しい中央B)
A-C間は2r → 力の係数は1/4。距離の2乗に反比例
両端が同符号なら中央は逆符号——引き止める役が必要
対称配置なら3本目の式は不要(自動的に成立)
⑤ 検算は選択肢を代入して3点すべての合力を確認

💡 覚え方
「外側は同じ、中央は逆符号で1/4」。\(Q_C=Q_A\)、\(Q_B=-Q_A/4\)——この形は3電荷が一直線に等間隔で並ぶ配置の定番です。1/4は距離2倍の効果から来ています。

⚠️ よくある間違い
Aのつり合いだけで答えを決めるのが最大の落とし穴です。(1)(2)もAの条件は満たすので、Bのつり合いまで確認しなければ絞れません。またA-C間の距離を r と誤ると1/4の係数が消え、答えが変わります。

まとめ

Bのつり合いQC=QA
Aのつり合いQB=−QC/4
QB−1×10−6 C
QC4×10−6 C
答え(3)

▼あわせて解きたい関連問題
・クーロンの法則の関連問題:【理論】令和4年度上期A問題2

📚 次に解くべき関連問題
【理論】平成26年度B問題17(静電界45)
【理論】平成22年度A問題1(静電界54)
【理論】平成23年度A問題1(静電界52)
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