静電界49【電験3種 理論】帯電した2個のコンデンサを同極性・逆極性で並列接続|平成24年 A問題1

静電界49【電験3種 理論】極性の異なる2コンデンサをスイッチで接続したときの電圧比!平成24年 A問題1 完全解説

今回は平成24年度 理論科目 A問題1を解説します。初期電荷を蓄えた2つのコンデンサC1(4μF・2μC)とC2(2μF・4μC)をスイッチで接続したとき、図1(同極性)と図2(逆極性)でのC1の端子電圧の比|V1/V2|を求める問題です。

スイッチを閉じると2つのコンデンサは並列になり、上側に接続される極板と配線からなる導体群の正味電荷が保存されます。図1では上側電荷が+2+4=+6μC、図2では+2−4=−2μCです。共通電圧をV=Vtop−Vbottomと定義すると、V=(上側導体群の保存電荷)/(合成容量6μF)で求められます。

目次

平成24年度 理論科目 A問題1:問題文と選択肢

まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

電験3種 理論科目 静電界 平成24年度 A問題1 問題文
平成24年度 理論科目 A問題1 問題文

電験3種 理論科目 【電磁気(静電界)】 平成24年度 A問題1

 図1及び図2のように、静電容量がそれぞれ4〔μF〕と2〔μF〕のコンデンサC1及びC2、スイッチS1及びS2からなる回路がある。コンデンサC1とC2には、それぞれ2〔μC〕と4〔μC〕の電荷が図のような極性で蓄えられている。

この状態から両図ともスイッチS1及びS2を閉じたとき、図1のコンデンサC1の端子電圧をV1〔V〕、図2のコンデンサC1の端子電圧をV2〔V〕とすると、電圧比|V1/V2|の値として、正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

(1)1/3 (2)1 (3)3 (4)6 (5)9

図1と図2のコンデンサC1・C2とスイッチS1・S2からなる回路
図 コンデンサC1・C2とスイッチS1・S2からなる回路(図1・図2)(問題図)

出題のポイント:接続ノードの符号付き電荷を保存する

帯電した二つのコンデンサを同極性と逆極性で並列接続したときの上側ノード電荷を比較する図
接続後の共通電圧は、上側導体群の符号付き保存電荷をC₁+C₂で割って求めます。

S₁・S₂を閉じると、C₁とC₂は同じ二つのノードを共有する並列接続になります。外部へ電荷が逃げないため、上側に接続される極板と配線からなる導体群の正味電荷を符号付きで保存します。図1は+2+4=+6 μC、図2は+2−4=−2 μCです。合成容量は両図とも6 μFなので、V₁=1 V、V₂=−1/3 V、したがって|V₁/V₂|=3です。

ポイント解説:上側導体群の電荷保存から共通電圧を求める

コンデンサ並列接続後の上側導体群について初期電荷と最終電荷の保存式を示す図
上側導体群ではQtop=(C₁+C₂)Vが成立し、初期極性によってQtopの符号が変わります。

スイッチS1・S2を閉じると、C1とC2は同じ上側ノードと下側ノードを共有する並列接続になります。外部へ電荷が移動する経路はないため、上側の極板と配線からなる導体群の符号付き正味電荷が保存されます。下側導体群には、その反対符号の電荷が保存されます。

共通電圧をV=Vtop−Vbottomとすると、接続後の上側電荷はC1V+C2V=(C1+C2)Vです。したがって、V=Qtop/(C1+C2)となります。Qtopは極板の初期極性を反映して符号付きで合計します。

問題の解説:V₁=1 V、V₂=−1/3 Vから比3を得る

図1と図2の符号付き共通電圧を計算し絶対値の電圧比3を導く解説図
V₁=1 V、V₂=−1/3 Vなので、|V₁/V₂|=3、答えは選択肢(3)です。

STEP1 図1(同極性)の電圧V₁

図1では、上側導体群の初期電荷は+2+4=+6μCです。並列合成容量は4+2=6μFなので、$$V_1=\frac{+6\,\mu\mathrm{C}}{6\,\mu\mathrm{F}}=+1\;[\mathrm{V}]$$となります。

STEP2 図2(逆極性)の電圧V₂

図2ではC2の上側極板が負なので、上側導体群の初期電荷は+2−4=−2μCです。したがって、$$V_2=\frac{-2\,\mu\mathrm{C}}{6\,\mu\mathrm{F}}=-\frac13\;[\mathrm{V}]$$となります。負号は接続後の上側ノードが下側ノードより低電位となり、C1の最終極性が初期状態から反転することを示します。

STEP3 電圧比を求める

問題では電圧比の絶対値を求めるため、V2の負号は絶対値を取る段階で外れます。$$\left|\frac{V_1}{V_2}\right|=\left|\frac{1}{-1/3}\right|=3$$したがって(3)です。

答え:(3)(|V_1/V_2|=3)

💡 覚え方
スイッチ接続後は並列・共通電圧・導体群の電荷保存です。上側導体群の初期電荷を符号付きで合計し、V=Qtop/(C1+C2)を使います。

⚠️ よくある間違い
図2で電荷の大きさだけを足さず、上側極板の極性を見て+2−4=−2μCと計算します。また、再分配前後で保存されるのは電荷であり、コンデンサに蓄えられた静電エネルギーを保存して解く問題ではありません。

まとめ

合成容量C1+C2=6μF
図1の上側保存電荷+2+4=+6μC → V1=+1V
図2の上側保存電荷+2−4=−2μC → V2=−1/3V
電圧比/答え|V1/V2|=3、答え(3)

▼あわせて解きたい関連問題
・コンデンサ接続と電荷の関連問題:【理論】令和4年度上期A問題10

📚 次に解くべき関連問題
【理論】平成24年度B問題15(静電界51)
【理論】平成25年度A問題1(静電界46)
【理論】平成24年度A問題2(静電界50)
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

目次