静電界63【電験3種 理論】導体球間のクーロン力の比例定数と、接触後に力が釣り合う位置!平成20年 B問題17 完全解説

静電界63【電験3種 理論】導体球間のクーロン力の比例定数と、接触後に力が釣り合う位置!平成20年 B問題17 完全解説

今回は平成20年度 理論科目 B問題17を解説します。導体球A(+2×10-8C)とB(+3×10-8C)が0.3m離れて6×10-5Nの反発力で働くとき、(a)クーロンの比例定数、(b)帯電していない導体球Cを順に接触させた後にCが受ける力が釣り合う位置を求める問題です。

(a)は、両球の大きさが中心間距離に比べて極めて小さいという条件から各球を点電荷として扱い、F=kqAqB/r2をkについて解きます。(b)は接触順に注意して電荷を追跡し、最終的な電荷A=1×10-8C、B=C=2×10-8Cを用いて、A・BからCへの反発力が釣り合う位置を求めます。

目次

平成20年度 理論科目 B問題17:問題文と選択肢

まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

電験3種 理論科目 静電界 平成20年度 B問題17 問題文
平成20年度 理論科目 B問題17 問題文

電験3種 理論科目 【電磁気(静電界)】 平成20年度 B問題17

 大きさが等しい二つの導体球A、Bがある。両導体球に電荷が蓄えられている場合、両球の間に働く力は電荷の積に比例し、中心間距離の2乗に反比例する。Aに+2×10-8〔C〕、Bに+3×10-8〔C〕の電荷を与え、中心間距離0.3〔m〕を隔てて置いたところ、6×10-5〔N〕の反発力が働いた。ただし、A、Bの初期電荷は零で、両球の大きさは0.3〔m〕に比べて極めて小さいものとする。

(a)クーロンの法則における比例定数〔N·m2/C2〕の値として、正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

(1)3×109 (2)6×109 (3)8×109 (4)9×109 (5)15×109

(b)A、Bを電荷を保持したまま中心間距離0.3〔m〕で固定する。A、Bと大きさが等しく電荷を持たない導体球Cを、まずAに接触させ、次にBに接触させる。このCをAとBの間の直線上に置いたとき、Cが受ける力が釣り合う位置をAとの中心間距離〔m〕で表した値として、最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

(1)0.095 (2)0.105 (3)0.115 (4)0.124 (5)0.135

図 導体球A(+2×10⁻⁸C)と導体球B(+3×10⁻⁸C)、中心間距離0.3m(自作図)
図 導体球A(+2×10⁻⁸C)と導体球B(+3×10⁻⁸C)、中心間距離0.3m(自作図)

出題のポイント:接触順ごとの電荷分配を追い、最後に力を釣り合わせる

同じ大きさの導体球CをA、次にBへ接触させたときの電荷分配の推移
CをAに接触させるとA=C=1×10⁻⁸C、そのCをBに接触させるとB=C=2×10⁻⁸Cです。

(a)は、球の大きさが中心間距離に比べて極めて小さいという条件から各球を点電荷として扱い、クーロンの法則をkについて解きます。(b)は接触順が重要です。電荷0のCをAに接触させるとA=C=1×10⁻⁸Cとなり、そのCをBに接触させるとB=C=2×10⁻⁸Cになります。最後にAとBからCが受ける反発力を釣り合わせます。

ポイント解説:等しい導体球は接触時の全電荷を半分ずつ持つ

導体球AとBの間に置いたCに働く左右の反発力と距離dおよび0.3マイナスdを示す図
Cは正電荷をもつため、Aから右向き、Bから左向きの反発力を受け、その大きさが等しい位置で釣り合います。

(a)は、両導体球の大きさが0.3mに比べて極めて小さいため、各球の電荷が中心に集中した点電荷として扱えます。クーロンの法則F=kqAqB/r2をkについて解き、与えられた力・電荷・中心間距離を代入します。

(b)は接触順が重要です。同じ大きさの二つの導体球を接触させると等電位になり、接触した二球の全電荷を半分ずつ持ちます。CをAに接触させた結果を使って、次のBとの接触時の電荷を計算し、その後にCへ働く左右の反発力を釣り合わせます。

問題の解説:k=9×10⁹と釣り合い距離0.124 mを求める

平成20年度理論B問題17のクーロン比例定数と接触後の釣り合い位置を求める計算まとめ
比例定数は9×10⁹N·m²/C²、Aから釣り合い位置までの距離は約0.124mで、どちらも選択肢(4)です。

STEP1 (a)比例定数を求める

クーロンの法則をkについて解くと、$$k=\frac{Fr^2}{q_Aq_B}$$です。数値を代入すると、$$k=\frac{6\times10^{-5}\times(0.3)^2}{(2\times10^{-8})(3\times10^{-8})}=9\times10^{9}\;[\mathrm{N\cdot m^2/C^2}]$$となるため、(a)は(4)です。

STEP2 (b)接触後の電荷を求める

最初にCをAへ接触させると、AとCの全電荷2×10-8Cを等分するため、A=C=1×10-8Cになります。次に、このCをBへ接触させると、接触直前の全電荷は1×10-8+3×10-8=4×10-8Cなので、B=C=2×10-8Cになります。最終電荷はA=1×10-8C、B=2×10-8C、C=2×10-8Cです。

STEP3 (b)釣り合い位置を求める

CをAとBの間に置き、A-C間をd、B-C間を0.3−dとします。AとBはともに正電荷なので、CにはAから右向き、Bから左向きの反発力が働きます。釣り合い条件は、$$k\frac{q_Aq_C}{d^2}=k\frac{q_Bq_C}{(0.3-d)^2}$$です。kとqCを消去し、0<d<0.3で両距離が正であることを用いると、$$\frac{0.3-d}{d}=\sqrt{\frac{q_B}{q_A}}=\sqrt2$$となります。したがって、$$d=\frac{0.3}{1+\sqrt2}=0.3(\sqrt2-1)\approx0.1243\;[\mathrm{m}]$$です。Aの電荷の方が小さいため中点よりA側になることとも一致し、(b)は(4)です。

答え:(a)(4)、(b)(4)(Aからの距離d≒0.124m)

💡 覚え方
同じ大きさの導体球を接触させたら、その時点の二球の全電荷を半分ずつにします。本問では接触順がA、Bなので、A=C=1×10-8C、続いてB=C=2×10-8Cです。釣り合い位置では、電荷が小さいA側へ近づきます。

⚠️ よくある間違い
CをBへ接触させるとき、Cは既に1×10-8Cを持っています。Bの3×10-8Cだけを半分にしてはいけません。また、力の式ではqCが両辺に共通なので消去でき、釣り合い位置はAとBの電荷比で決まります。

まとめ

(a)比例定数k=9×109N·m2/C2 → (4)
CとAの接触後A=C=1×10-8C
続いてCとBの接触後A=1×10-8C、B=C=2×10-8C
釣り合い条件(0.3−d)/d=√2
(b)Aからの距離d=0.3/(1+√2)≒0.124m → (4)

▼あわせて解きたい関連問題
・導体球間の力の関連問題:【理論】令和7年度上期B問題17

📚 次に解くべき関連問題
【理論】平成20年度A問題1(静電界61)
【理論】平成21年度A問題2(静電界58)
【理論】平成19年度A問題3(静電界64)
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

目次