直流回路52【電験3種 理論】電圧源をノートン等価(電流源+コンダクタンス)に変換する!平成24年度 A問題5 完全解説

電験3種 理論科目 直流回路・ノートン等価回路 平成24年度 A問題5 電圧源を電流源に変える!ノートン等価回路は?

今回は平成24年度 理論科目 A問題5を解説します。電圧源EとR1・R2・R3からなる回路をノートン等価回路へ変換し、電流源INとコンダクタンスGNを求めます。短絡電流と端子抵抗を別々に求め、開放電圧・単位・数値代入で検算します。

ノートン等価の基本は、IN=端子a-bを短絡したときの電流の大きさ、GN=電源を零にして端子から見た抵抗RNの逆数です。短絡線ではa→bに電流が流れ、等価電流源の内部矢印はその戻りを供給するb→aです。

目次

平成24年度 理論科目 A問題5:問題文と選択肢

電気技術者試験センター公表の平成24年度公式問題PDF(理論・問5、PDF 8ページ、冊子表示-5-、管理記号T1-R008)と公式解答PDFを照合して進めます。下の再構成画像は図1の接続・極性、式と選択肢は公式と一致しますが、図2右端の丸端子とa・b表示が画像端で見切れています。二端子回路であることは公式PDFと新しい解説図で補って確認してください。

電験3種 理論科目 直流回路 平成24年度 A問題5 問題文
平成24年度 理論科目 A問題5 問題文

電験3種 理論科目 【直流回路・ノートン等価回路】 平成24年度 A問題5

 図1のように電圧がE〔V〕の直流電圧源で構成される回路を、図2のように電流がI〔A〕の直流電流源(内部抵抗が無限大で、負荷変動があっても定電流を流出する電源)で構成される等価回路に置き替えることを考える。この場合、電流I〔A〕の大きさは図1の端子a-bを短絡したとき、そこを流れる電流の大きさに等しい。また、図2のコンダクタンスG〔S〕の大きさは図1の直流電圧源を短絡し、端子a-bからみたコンダクタンスの大きさに等しい。I〔A〕とG〔S〕の値を表す式の組合せとして、正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

下記でD=R1R2+R2R3+R3R1とする。I〔A〕とG〔S〕の値を表す式の組合せとして、正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

I〔A〕G〔S〕
(1)R1E/D(R2+R3)/D
(2)R2E/D(R1+R2)/D
(3)R2E/D(R2+R3)/D
(4)R1E/D(R1+R2)/D
(5)R3E/D(R1+R2)/D
図1 電圧源Eの回路/図2 等価な電流源I・コンダクタンスGの回路(問題図)
図1 電圧源Eの回路/図2 等価な電流源I・コンダクタンスGの回路(問題図)

出題のポイント:2つの操作を混ぜないこと

ノートン等価回路は「電流源1個+コンダクタンス1個の並列」で複雑な回路を置き換える手法です。求めるものは2つだけ——

求めるもの操作残すもの・消すもの
IN(電流源)端子a-bを短絡して、そこを流れる電流を測る電源Eは残す
GN(コンダクタンス)端子から見た抵抗RNを求めて逆数を取る電源Eを短絡して消す

この2つの操作を混ぜてはいけません。INを求めるときは電源を生かしたまま端子を短絡、GNを求めるときは端子を開いたまま電源を短絡——短絡する場所が正反対です。ここを取り違えるのが最頻出のミスになります。

なお共通分母 \(D=R_1R_2+R_2R_3+R_3R_1\) の単位はΩ²。これを覚えておくと、\(R_2E/D\) が \(\Omega\cdot\mathrm{V}/\Omega^2=\mathrm{A}\)、\((R_1+R_2)/D\) が \(\Omega/\Omega^2=\mathrm{S}\) と単位だけで組合せを検証できます。

電圧源Eと抵抗R1、R2、R3の元回路を、端子aとbを備えたノートン等価回路へ変換し、電流源INの矢印をbからaへ上向き、コンダクタンスGNを並列に示す出題のポイント図
Iₙは短絡電流の大きさ、Gₙ=1/Rₙです。等価回路の電流源矢印はb→a、外部短絡線の戻り電流はa→bです。

問題の解説:短絡電流と端子抵抗を別々に求める

使う公式:ノートン等価回路
$$I_N=I_{\text{短絡}},\qquad G_N=\frac{1}{R_N},\qquad \frac{I_N}{G_N}=V_{\text{開放}}$$

※最後の関係が強力な検算になります。\(I_N/G_N\) は端子を開放したときの電圧(テブナン電圧)に一致するはずです。

STEP1 端子を短絡して IN を求める

a-bを短絡すると、R₂とR₃が並列になります。電源から流れ出た電流がこの並列部で分かれ、R₃側が短絡線へ続くので、その分だけがINです。

$$R_{23}=\frac{R_2R_3}{R_2+R_3}$$
❶ 並列合成
短絡でR₂とR₃が並列になる
$$I_{\text{total}}=\frac{E}{R_1+R_{23}}=\frac{E(R_2+R_3)}{D}$$
❷ 全電流
分母を通分するとDが現れる
$$I_N=I_{\text{total}}\times\frac{R_2}{R_2+R_3}=\frac{R_2E}{D}$$
❸ 分流則
相手のR₂が分子

STEP2 電源を短絡して GN を求める

今度は端子を開いたまま、理想電圧源Eを短絡(導線に置換)します。するとR₁とR₂が並列になり、それにR₃が直列でつながって見えます。

$$R_N=R_3+(R_1\parallel R_2)=R_3+\frac{R_1R_2}{R_1+R_2}=\frac{D}{R_1+R_2}$$
❹ 端子抵抗
通分するとDが分子に来る
$$G_N=\frac{1}{R_N}=\frac{R_1+R_2}{D}$$
❺ 逆数
コンダクタンスは抵抗の逆数
端子a-b短絡時にR2とR3を並列として分流からINイコールR2E割るDを求め、電圧源短絡時にR3とR1並列R2からGNイコールR1足すR2割るDを求めるポイント解説図
短絡時はR₃枝電流を分流係数R₂/(R₂+R₃)で求め、電源短絡時はRₙ=R₃+(R₁∥R₂)の逆数を取ります。

STEP3 開放電圧で検算する

端子を開放するとR₃には電流が流れないので、電圧はR₁とR₂の単純な分圧になります。

$$V_{\text{開放}}=\frac{R_2E}{R_1+R_2}$$
❻ 分圧
R₃は無関係
$$\frac{I_N}{G_N}=\frac{R_2E/D}{(R_1+R_2)/D}=\frac{R_2E}{R_1+R_2}$$
❼ 一致 ✓
Dが約分されて同じ式に
答え\(I_N=\dfrac{R_2E}{D},\quad G_N=\dfrac{R_1+R_2}{D}\) → 選択肢(2)
ノートン電流INイコールR2E割るD、コンダクタンスGNイコールR1足すR2割るD、正解2を示し、開放電圧IN割るGNとの一致と単位を検算する問題の解説図
Iₙ/Gₙ=R₂E/(R₁+R₂)は端子開放電圧と一致します。正しい組合せは(2)です。

選択肢に数値を入れて検算する

\(E=12\;\mathrm{V}\)、\(R_1=3\;\Omega\)、\(R_2=6\;\Omega\)、\(R_3=2\;\Omega\) として実際に計算すると、\(D=36\;\Omega^2\)、\(I_N=2.00\;\mathrm{A}\)、\(R_N=4\;\Omega\) なので \(G_N=0.25\;\mathrm{S}\) です。開放電圧は \(12\times6/9=8\;\mathrm{V}\) で、\(I_N/G_N=2/0.25=8\;\mathrm{V}\) ——一致します ✓

選択肢I [A]G [S]判定
(1)R₁E/D = 1.00(R₂+R₃)/D = 0.222×(両方とも違う)
(2)R₂E/D = 2.00(R₁+R₂)/D = 0.250
(3)R₂E/D = 2.00(R₂+R₃)/D = 0.222×(Gが誤り)
(4)R₁E/D = 1.00(R₁+R₂)/D = 0.250×(Iが誤り)
(5)R₃E/D = 0.67(R₁+R₂)/D = 0.250×(Iが誤り)

選択肢の構造がよくできています。Iは3通り(R₁E/D、R₂E/D、R₃E/D)、Gは2通りの組み合わせで、片方だけ正しい選択肢が2つずつ用意されています。IとGを別々に確定してから組合せを選ぶ——これが確実な手順です。

Gの誤答 \((R_2+R_3)/D\) は、電源を短絡したあとの構成を「R₂とR₃が並列でR₁が直列」と読み違えた場合に出ます。端子a-bはR₃の先にあるので、端子から見るとまずR₃を通り、その先でR₁とR₂が並列——順序を図で確認してください。

ノートンとテブナンは同じものの裏表

テブナン等価は「電圧源+直列抵抗」、ノートン等価は「電流源+並列コンダクタンス」。同じ回路を電圧側から見るか電流側から見るかの違いで、次の関係で行き来できます。$$V_{\mathrm{th}}=\frac{I_N}{G_N}=I_NR_N,\qquad R_{\mathrm{th}}=R_N=\frac{1}{G_N}$$内部抵抗はどちらも同じで、電源だけが電圧源⇔電流源に入れ替わります。

使い分けの目安は負荷のつなぎ方です。負荷が直列に入る計算ならテブナン、並列に入る計算(コンダクタンスを足していく形)ならノートンが楽になります。本問のように「電流源とコンダクタンスの組」を問われたらノートン、「電圧源と抵抗の組」ならテブナン——問題文が指定してくれるので迷う必要はありません。

本番で使える時間短縮テクニック

⏱️ 本番での進め方
INとGNの操作を混ぜない(Iは端子短絡・電源残す/Gは端子開放・電源短絡)
② 共通分母Dの単位はΩ²。単位を追えばIとGの形が正しいか即座に分かる
③ 検算は\(I_N/G_N=V_{\text{開放}}\)。開放電圧は単純な分圧なので暗算できる
④ 組合せ問題はIとGを別々に確定してから選ぶ。片方だけ合う選択肢が用意されている

等価回路変換の出題履歴

同じ考え方を使う直流回路の問題です。あわせて解くと解法が定着します。

年度記事問われ方
平成24年度 A問題5本問(直流回路52)電圧源をノートン等価に変換
令和2年度 A問題7直流回路31非平衡ブリッジをテブナンの定理で解く
令和7年度上期 A問題6直流回路63状態から短絡電流を求める
令和6年度上期 A問題7直流回路12最大電力の条件(テブナン抵抗)
令和5年度上期 A問題6直流回路19電圧源と電流源を含む回路

💡 覚え方
IN=端子を短絡した電流(電源は残す)、GN=電源を短絡した端子抵抗の逆数。検算は \(I_N/G_N=\) 開放電圧。Dの単位はΩ²。

⚠️ よくある間違い
2つの操作を混ぜないこと(短絡する場所が正反対)。GNを求めるとき、端子から見るとR₃が直列でその先にR₁∥R₂です(R₂∥R₃ではありません)。組合せ問題は片方だけ合う誤答が仕込まれています。

まとめ

短絡電流INR2E/D、短絡線ではa→b
端子抵抗RNR3+(R1∥R2)=D/(R1+R2)
コンダクタンスGN(R1+R2)/D
開放電圧検算IN/GN=R2E/(R1+R2)
正答(2)

▼あわせて解きたい関連問題
・等価電源・テブナンの関連問題:【理論】令和2年度A問題7

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