直流回路55【電験3種 理論】2つの接続点の電位が等しくなる抵抗r・Rを求める!平成23年度 A問題6 完全解説

電験3種 理論科目 直流回路・分圧と並列枝電流 平成23年度 A問題6 2点の電位が等しくなる条件!rとRを求める

今回は平成23年度 理論科目 A問題6を解説します。200 V電源に二つの直列抵抗枝が並列接続され、電源電流が25 A、二つの中点電位がVa=Vbとなるときの抵抗r・Rの組合せを求めます。分圧条件と全電流条件を分けて整理し、枝電流・電位・合成抵抗・電力で検算します。

左枝を16 Ω+r、右枝を8 Ω+Rと見ます。下端が接地されているため、Vaはrの電圧、VbはRの電圧です。まずVa=Vbからr=2Rを導き、次に二つの枝電流の和が25 Aという条件へ代入します。

目次

平成23年度 理論科目 A問題6:問題文と選択肢

電気技術者試験センター公表の平成23年度公式問題PDF(理論・問6、PDF 8ページ、冊子表示-5-、管理記号T1-R008)と公式解答PDFを照合して進めます。下の問題画像はサイト独自の科目見出しを加え、公式のページ番号と管理記号を省いていますが、問題文、電源値、回路、記号、単位、五つの選択肢は公式内容と一致するため保持しています。

電験3種 理論科目 直流回路 平成23年度 A問題6 問題文
平成23年度 理論科目 A問題6 問題文

電験3種 理論科目 【直流回路・分圧と並列枝電流】 平成23年度 A問題6

 図の直流回路において、200〔V〕の直流電源から流れ出る電流が25〔A〕である。16〔Ω〕とr〔Ω〕の抵抗の接続点aの電位をVa〔V〕、8〔Ω〕とR〔Ω〕の抵抗の接続点bの電位をVb〔V〕とする。Va=Vbとなるr〔Ω〕とR〔Ω〕の値の組合せとして、正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

r〔Ω〕R〔Ω〕
(1)2.95.8
(2)4.08.0
(3)5.82.9
(4)8.04.0
(5)8.016
図 200V電源と2つの分圧枝(16Ω・r/8Ω・R)の回路(問題図)
図 200V電源と2つの分圧枝(16Ω・r/8Ω・R)の回路(問題図)

出題のポイント:条件が2つある問題は、2つとも使わないと解けない

この問題には条件が2つあります。ひとつは「電源から流れ出る電流が25 A」、もうひとつは「Vₐ=V_b」。未知数もr・Rの2つなので、条件2つ・未知数2つでちょうど解けます。

ところが受験者の多くは、どちらか片方だけを使って手が止まります。2つの条件を別々の式にして、順番に使う——それがこの問題の骨格です。

条件式にすると何が分かるか
Vₐ=V_b(電位の条件)\(\dfrac{200r}{16+r}=\dfrac{200R}{8+R}\)r と R の比(r=2R)
I=25 A(電流の条件)\(\dfrac{200}{16+r}+\dfrac{200}{8+R}=25\)r と R の大きさ

比を先に出してから大きさを決める。この順番なら、2つ目の式に代入した時点で未知数が1つになり、一気に解けます。逆順だと2元連立のまま重くなります。

200ボルト電源に16オームとrオームの直列枝、8オームとRオームの直列枝が並列接続され、中点aとbの電位が等しく枝電流I1とI2の和が25アンペアであることを示す出題のポイント回路図
2本の直列枝は200 V電源に並列。Vₐ=VᵦとI₁+I₂=25 Aを別々の条件として使います。

なぜ「下側の抵抗の電圧=節点電位」なのか

Vₐ、V_bは「点aの電位」「点bの電位」です。電位は必ず基準点との差で測ります。この回路では下端が接地(0 V)なので、

$$V_a=(\text{点aの電位})-(\text{下端の電位})=V_a-0$$
❶ 定義どおり書く
基準が0 Vだから、そのままVₐ
$$V_a=r\,I_1$$
❷ 点aと下端の間にあるのは r だけ
下側抵抗の端子電圧=節点電位

同じ理由で \(V_b=R\,I_2\) です。つまり「aから下を見て、地面までにある抵抗の電圧を書く」だけ。上側の16 Ωや8 Ωは、この時点では出てきません。

これを分圧の式で書けば、左枝は16 Ωとrの直列なので \(V_a=200\times\dfrac{r}{16+r}\)、右枝は \(V_b=200\times\dfrac{R}{8+R}\) となります。

問題の解説:比を出してから大きさを決める

使う公式:分圧則とキルヒホッフの電流則
$$V_{\text{下}}=E\cdot\frac{R_{\text{下}}}{R_{\text{上}}+R_{\text{下}}},\qquad I_{\text{電源}}=I_1+I_2$$

※並列の枝はそれぞれ独立に分圧でき、電源電流は枝電流のになります。

STEP1 Vₐ=V_b から r=2R を導く

$$\frac{200r}{16+r}=\frac{200R}{8+R}$$
❶ 2つの節点電位を等置
200は両辺に共通なので消える
$$r(8+R)=R(16+r)$$
❷ たすき掛け
分母を払う
$$8r+rR=16R+rR$$
❸ 展開
rR が両辺に現れて消える
$$8r=16R\;\Rightarrow\;r=2R$$
❹ 比が確定
積の項が消えるので一次式になる

ここでrR が消えるのが決定的です。もし残っていれば2次方程式になりますが、消えるおかげで「rはRの2倍」という単純な比だけが残ります。

STEP2 電流の条件に r=2R を代入する

$$\frac{200}{16+r}+\frac{200}{8+R}=25$$
❺ 電流則
電源電流は2枝の和
$$16+r=16+2R=2(8+R)$$
❻ 左枝の分母を書き換え
右枝の分母のちょうど2倍になる
$$\frac{100}{8+R}+\frac{200}{8+R}=\frac{300}{8+R}=25$$
❼ 分母が揃って合体
300は100+200。電源が300 Vという意味ではない

STEP3 R、r の順に求める

$$8+R=\frac{300}{25}=12\;\Rightarrow\;R=4\;[\Omega]$$
❽ Rが確定
$$r=2R=8\;[\Omega]$$
❾ 比からrを戻す
選択肢はr、Rの順に並ぶことに注意
分圧式Vaイコール200r割る16足すr、Vbイコール200R割る8足すRからrイコール2Rを導き、二つの枝電流の和を25アンペアとするポイント解説図
下側抵抗の電圧が節点電位です。Vₐ=Vᵦからr=2Rを先に求め、全電流式へ代入します。
答え\(r=8\;[\Omega]\)、\(R=4\;[\Omega]\) → 選択肢(4)

3通りの検算:①枝電流は \(I_1=200/24=25/3\;\mathrm{A}\)、\(I_2=200/12=50/3\;\mathrm{A}\)、和は25 A ✓ ②節点電位は \(V_a=8\times25/3=200/3\;\mathrm{V}\)、\(V_b=4\times50/3=200/3\;\mathrm{V}\) で一致 ✓ ③合成抵抗は \(24\parallel12=8\;\Omega\)、\(200/8=25\;\mathrm{A}\) ✓

rイコール2Rを全電流式に代入してRイコール4オーム、rイコール8オームを求め、枝電流、節点電位、合成抵抗で正答4を検算する問題の解説図
r=8 Ω、R=4 Ωなら、枝電流の和は25 A、Vₐ=Vᵦ=200/3 V、合成抵抗は8 Ωとなり、すべての条件が一致します。

誤答の正体:条件を「片方だけ」使うとどこに着地するか

5つの選択肢を実際に回路へ代入し、2つの条件それぞれを満たすかを確認しました。結果が誤答の設計意図をそのまま語っています。

選択肢r, R [Ω]I₁+I₂ [A]Vₐ, V_b [V]判定
(1)2.9, 5.825.07(ほぼ25)30.7, 84.1(不一致)電流だけ○ ×
(2)4.0, 8.022.5040.0, 100.0(不一致)両方× ×
(3)5.8, 2.927.5253.2, 53.2(一致)電位だけ○ ×
(4)8.0, 4.025.0066.7, 66.7(一致)両方○ ○
(5)8.0, 16.016.6766.7, 133.3(不一致)両方× ×

見事な作りです。(3)は電位条件だけを満たし、(1)はその(3)のr・Rを入れ替えたもので電流条件だけを満たす。片方の条件で満足して手を止めた人が、ちょうど引っかかるように配置されています。

そして(2)は正解(4)のr・Rを入れ替えたものです。計算は正しくてもR=4、r=8と求めた順のまま「4.0、8.0」を選ぶと(2)を掴みます。選択肢の見出しは「r、R」の順——最後の1秒で確認する価値があります。

同じ手が効く問題のパターン

「2枝の中点電位が等しい」という条件は、実はブリッジ回路の平衡条件そのものです。ホイートストンブリッジで中央の検流計に電流が流れない状態は、まさに左右の中点電位が等しい状態。この問題は、ブリッジの平衡条件を分圧の言葉で書き直したものと見ることができます。

$$\frac{r}{16+r}=\frac{R}{8+R}\;\Longleftrightarrow\;\frac{16}{r}=\frac{8}{R}$$
❿ 分圧比の一致=抵抗比の一致
上下の比が左右で等しい
$$16R=8r\;\Rightarrow\;r=2R$$
⓫ ブリッジ平衡条件
「対角の積が等しい」と同じ式

実際に \(16\times R=8\times r\) は「たすきに掛けた積が等しい」というブリッジ平衡そのものです。ここに気づけば、STEP1は式変形なしで暗算で r=2R と書けます。

本番で使える時間短縮テクニック

⏱️ 本番での進め方
① 条件が2つある問題は、条件2つ・未知数2つを最初に確認。どちらも使う前提で立式する
② 比が出る条件(電位・平衡)を先に処理し、大きさが出る条件(電流・電力)に代入する
③ 節点電位は「そこから接地までにある抵抗の電圧」。上側の抵抗は書かない
④ ブリッジ形なら \(16R=8r\)(たすき掛けの積)で1行で比が出る
⑤ 答えを書く直前に選択肢の並び順(r、Rか R、rか)を必ず確認

💡 覚え方
「電位はタテ、電流はヨコ」。Vₐ=V_bは各枝をタテに見て分圧、I=25 Aは枝をヨコに足す。見る向きが違う2つの条件だと意識すれば混ざりません。

⚠️ よくある間違い
25 Aを片方の枝電流だと思い込むのが最頻出のミスです。問題文は「電源から流れ出る電流」=全電流。また、300/(8+R)=25 の300を電源電圧と勘違いしないこと。これは100+200をまとめた数値にすぎません。

まとめ

電位条件Va=Vb → r=2R
全電流条件200/(16+r)+200/(8+R)=25 A
枝電流I1=25/3 A、I2=50/3 A
節点電位Va=Vb=200/3 V
合成抵抗24||12=8 Ω
正答r=8 Ω、R=4 Ω、(4)

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