直流回路19【電験3種 理論】電圧源と電流源を含む回路で3Ωの電流を求める!令和5年度上期 A問題6 完全解説

電験3種 理論科目 電気回路(直流回路) 令和5年度上期 A問題6 電圧源と電流源が同居!3Ωに流れる電流は?

今回は令和5年度上期 理論科目 A問題6を解説します。4 Vの電圧源と2 Aの電流源、3 Ω・5 Ωの抵抗からなる直流回路で、3 Ωの抵抗を流れる電流の値〔A〕を求める問題です。

下側・右側を0 V、中央節点をVとすると、電流源が注入する2 Aは3 Ω枝と5 Ω枝へ分かれます。2本の流出電流を同じ符号規則で表す節点法なら1本の式で解け、求めた電位差から3 Ω電流の大きさと実方向を確認できます。

目次

令和5年度上期 理論科目 A問題6:問題文と選択肢

電気技術者試験センター公表の問題図で、4 V電圧源は上端が正、2 A電流源の矢印は下から上、3 Ωは左上と中央節点の間、5 Ωは中央節点と0 Vノードの間に接続されていることを確認します。

電験3種 理論科目 直流回路 令和5年度上期 A問題6 問題文
令和5年度上期 理論科目 A問題6 問題文

電験3種 理論科目 【電気回路(直流回路)】 令和5年度上期 A問題6

 図のような直流回路において、3Ωの抵抗を流れる電流の値〔A〕として、最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

(1)0.35 (2)0.45 (3)0.55 (4)0.65 (5)0.75〔A〕

図 4Vの電圧源と2Aの電流源、3Ω・5Ωの抵抗からなる直流回路(問題図)
図 4Vの電圧源と2Aの電流源、3Ω・5Ωの抵抗からなる直流回路(問題図)

出題のポイント:電流源は「流れる電流が決まっている素子」

電圧源に慣れていると、電流源は扱いにくく感じます。しかし性質はきわめて単純で、電流源はつながれた枝に決まった電流を流し込む素子——両端の電圧がいくつになるかは外の回路が決める、という点だけが電圧源と逆になっています。

だから電流源のある回路では節点電圧法が圧倒的に有利です。「この節点に2 Aが入ってくる」という情報を、そのまま電流則の右辺に置けるからです。逆にループを回る方法(電圧則)を使うと、電流源の両端電圧が未知数として増えてしまい、かえって面倒になります。

もう一点、3 Ωと5 Ωを直列8 Ωとまとめてはいけません。中央ノードで電流源が枝分かれを作っているので、2本の抵抗を流れる電流は別々です。「一直線に描いてある=直列」ではなく、間に分岐がないことが直列の条件です。

4V電圧源の上端が正、2A電流源が下から上へ中央節点に注入し、3Ωと5Ωが中央節点で分岐する正確な回路を示すGPT Image 2の出題ポイント図
下側・右側を0 V、左上を+4 V、中央節点をVとします。2 A電流源は中央節点へ上向きに注入します(令和5年度上期 第三種 理論 問6)。

問題の解説:注入される2 Aを2本の枝に分配する

使う公式:節点電圧法(電流源がある場合)
$$\sum_{\text{抵抗枝}}\frac{V_{\text{節点}}-V_{\text{相手}}}{R}=I_{\text{注入}}$$

※電流源から流れ込む電流を右辺に置くだけ。電流源の両端電圧を未知数にする必要がありません。

STEP1 節点方程式を立てる

下側・右側の導線を0 Vとします。左上ノードは電圧源により+4 Vに固定。中央ノードの電位を \(V_A\) と置き、そこから流出する電流の合計が、電流源から流入する2 Aに等しいとします。

$$\frac{V_A-4}{3}+\frac{V_A-0}{5}=2$$
❶ 流出=流入
3 Ω枝と5 Ω枝への流出を左辺に

STEP2 節点電位を求める

$$5(V_A-4)+3V_A=30$$
❷ 両辺を15倍
分母を払う
$$8V_A=50\;\Rightarrow\;V_A=6.25\;[\mathrm{V}]$$
❸ 解く
中央は左上(4 V)より2.25 V高い
中央節点の流出電流を(V-4)/3とV/5で表し、その合計を注入電流2Aに等置してV=6.25Vを求めるGPT Image 2のポイント解説図
流出電流の合計を2 Aに合わせると、(V−4)/3+V/5=2から中央節点電位V=6.25 Vが求まります。

STEP3 3 Ωの電流を求める

中央ノードのほうが左上より電位が高いので、電流は中央から左へ流れます。

$$I_{3\Omega}=\frac{V_A-4}{3}=\frac{6.25-4}{3}=0.75\;[\mathrm{A}]$$
❹ 中央→左を正とする
大きさ0.75 A
$$I_{5\Omega}=\frac{6.25}{5}=1.25\;[\mathrm{A}]$$
❺ もう一方の枝
中央→0 Vへ

検算:\(0.75+1.25=2.00\;\mathrm{A}\) で、電流源が注入する2 Aとぴったり一致します。2本の枝に分かれた電流を足して電流源の値に戻る——これが電流源のある回路で最も強力な検算です。

答え\(I_{3\Omega}=0.75\;[\mathrm{A}]\)(実際の向きは中央から左) → 選択肢(5) (検算:0.75+1.25=2.00 A ✓)
3Ω抵抗の実電流が中央6.25Vから左4Vへ0.75A流れることを示し、5Ω枝1.25AとのKCLと重ね合わせで正答5を検算するGPT Image 2の解答図
3 Ωの実電流は中央から左へ0.75 A。5 Ω枝の1.25 Aとの合計は電流源の2 Aに一致し、正答は(5)です。

選択肢を回路に戻して検算する

各選択肢の3 Ω電流から中央ノードの電位を \(V_A=4+3I\) と逆算し、5 Ω枝の電流を求めて合計が電流源の2 Aになるかを確かめます。

選択肢3 Ωの電流 [A]節点電位 VA=4+3I [V]5 Ωの電流 VA/5 [A]合計 [A]判定
(1)0.355.051.0101.36×
(2)0.455.351.0701.52×
(3)0.555.651.1301.68×
(4)0.655.951.1901.84×
(5)0.756.251.2502.00

合計は選択肢の値に対して単調に増えるので、2 Aに届くのは最大の(5)だけです。表の一番下から確認すれば1回の計算で終わります。

別解:重ね合わせの理で確かめる

電源が2種類あるときは重ね合わせの理も使えます。「電源を1つずつ生かして、残りは殺す」——電圧源は短絡、電流源は開放に置き換えるのがルールです。

4 V電圧源だけを生かすと(電流源を開放=切り離す)、4 Vが3 Ωと5 Ωの直列8 Ωに加わるので \(4/8=0.50\;\mathrm{A}\) が左から中央へ流れます。2 A電流源だけを生かすと(電圧源を短絡)、2 Aが3 Ωと5 Ωの並列に分かれ、3 Ω側には分流則から \(2\times5/(3+5)=1.25\;\mathrm{A}\) が中央から左へ流れます。

$$I=0.50-1.25=-0.75\;[\mathrm{A}]$$
重ね合わせ
左→中央を正としたので負=実際は中央→左

節点法と同じ0.75 Aが得られました。重ね合わせは計算量こそ増えますが、「どちらの電源がどれだけ寄与しているか」が見えるので、理解を確かめるのに向いています。

本番で使える時間短縮テクニック

⏱️ 本番での進め方
① 電流源を見たら節点電圧法。注入電流を電流則の右辺に置くだけで済む
② 電流源の両端電圧は未知——外の回路が決める。ループを回る解法は避ける
③ 分岐をまたぐ抵抗を直列とまとめない(本問の3 Ωと5 Ωは8 Ωにできない)
④ 検算は枝電流の合計=電流源の値。一瞬で確信が持てる

電流源・重ね合わせの出題履歴

同じ考え方を使う直流回路の問題です。あわせて解くと解法が定着します。

年度記事問われ方
令和5年度上期 A問題6本問(直流回路19)電圧源と電流源を含む回路で3 Ωの電流
平成30年度 A問題7直流回路35定電圧源と定電流源を含む回路で抵抗R
平成24年度 A問題5直流回路52電圧源をノートン等価(電流源)に変換する
令和6年度上期 A問題5直流回路102電源はしご回路を節点法で解く
令和2年度 A問題7直流回路31ブリッジ回路にテブナンの定理

💡 覚え方
電流源は電流が決まっていて電圧は外が決める素子。節点電圧法で「抵抗枝への流出の合計=注入電流」と書けば一発。重ね合わせでは電圧源は短絡・電流源は開放

⚠️ よくある間違い
2 Aは3 Ωだけの電流ではなく、2本の枝に分かれます。3 Ωと5 Ωは分岐を挟むので直列8 Ωにまとめられません。節点電位が4 Vより高いので、3 Ωの電流は中央から左へ流れます。

まとめ

基準と既知電位下側・右側=0 V、左上=+4 V
電流源下から中央節点へ2 Aを注入
節点式(VA−4)/3+VA/5=2
中央節点VA=6.25 V
3 Ω枝中央→左へ0.75 A
5 Ω枝中央→0 Vへ1.25 A
検算0.75+1.25=2.00 A
正答(5) 0.75 A

▼あわせて解きたい関連問題
・電流源・節点方程式の関連問題:【理論】令和6年度上期A問題5

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