静電界48【電験3種 理論】帯電した金属球の表面電界と絶縁破壊で帯びられる最大電荷!平成25年 B問題17 完全解説

静電界48【電験3種 理論】帯電した金属球の表面電界と絶縁破壊で帯びられる最大電荷!平成25年 B問題17 完全解説

今回は平成25年度 理論科目 B問題17を解説します。空気中の半径r=0.01mの金属球について、(a)電荷Qを帯びたときの球表面の電界の強さの式、(b)空気の絶縁破壊(3×106V/m)に達するときの最大電荷Qを求める問題です。

金属球の余剰電荷は実際には球表面に分布しますが、球外の電界は、中心に同じ総電荷Qを置いた点電荷の電界と数学的に等価です。球表面直外ではE=Q/(4πε0r2)となります。(b)は、この電界を問題で与えられた空気の絶縁破壊電界に等しいとおき、Q=E×4πε0r2から最大電荷を計算します。

目次

平成25年度 理論科目 B問題17:問題文と選択肢

まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

電験3種 理論科目 静電界 平成25年度 B問題17 問題文
平成25年度 理論科目 B問題17 問題文

電験3種 理論科目 【電磁気(静電界)】 平成25年度 B問題17

 空気中に半径r〔m〕の金属球がある。次の(a)及び(b)の問に答えよ。ただし、r=0.01〔m〕、真空の誘電率をε0=8.854×10-12〔F/m〕、空気の比誘電率を1.0とする。

(a)この金属球が電荷Q〔C〕を帯びたときの金属球表面における電界の強さ〔V/m〕を表す式として、正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

(1)Q/(4πε0r2) (2)3Q/(4πε0r3) (3)Q/(4πε0r) (4)Q2/(8πε0r) (5)Q2/(2πε0r2)

(b)空気の絶縁破壊の強さを3×106V/mとして、金属球表面における電界の強さが空気の絶縁破壊の強さと等しくなるようなQ〔C〕の値として、最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

(1)2.1×10-10 (2)2.7×10-9 (3)3.3×10-8 (4)2.7×10-7 (5)3.3×10-6

出題のポイント:電荷は表面、球外電界は中心の点電荷と等価

帯電した金属球の表面電荷と球表面直外の放射状電界
余剰電荷は球表面に分布し、球表面直外の電界はQ/(4πε₀r²)です。

静電平衡にある金属球では、余剰電荷Qは球の表面に分布し、導体内部の電界は0です。一方、球外の電界は、中心に同じ総電荷Qを置いた点電荷の電界と数学的に等価です。したがって球表面直外ではE=Q/(4πε0r2)となります。(b)は、この電界を問題で与えられた空気の絶縁破壊電界3×106V/mに等しいとおいてQを逆算します。

ポイント解説:ガウスの法則から球表面直外の電界を求める

球形ガウス面にガウスの法則を適用して球外電界を導く図
球形ガウス面ではE×4πR²=Q/ε₀となり、表面ではR=rとします。

静電平衡にある孤立金属球では、余剰電荷Qは球表面に分布し、導体内部の電界は0です。球外の電界は、中心に同じ総電荷Qを置いた点電荷の電界と数学的に等価です。したがって、球表面直外での電界はE=Q/(4πε0r2)です。

(b)は球表面直外の電界を、問題で与えられた空気の絶縁破壊電界3×106V/mに等しいとおきます。Q=4πε0r2Eを使えば、この理想化条件で金属球が帯びられる最大電荷を逆算できます。

問題の解説:絶縁破壊電界から最大電荷を逆算する

空気の絶縁破壊電界と半径から金属球の最大電荷を求める計算手順
Q=4πε₀r²Eに数値を代入すると、最大電荷は約3.3×10⁻⁸Cです。

STEP1 (a)球表面の電界の式

半径Rの球形ガウス面を金属球と同心にとると、対称性により電界の大きさE(R)はガウス面上で一定です。ガウスの法則E(R)・4πR2=Q/ε0より、球表面直外R=rでは、$$E(r^+)=\frac{Q}{4\pi\varepsilon_0 r^2}\;[\mathrm{V/m}]$$となります。したがって(a)は(1)です。

STEP2 (b)最大電荷Qを求める

絶縁破壊直前ではE=3.0×106V/mです。r=0.01m=1.0×10-2m、4πε0≒1.1126×10-10を代入すると、$$Q=4\pi\varepsilon_0 r^2E=(1.1126\times10^{-10})\times(1.0\times10^{-2})^2\times(3.0\times10^6)$$となります。

STEP3 (b)計算する

半径の二乗は(1.0×10-2)2=1.0×10-4なので、$$Q\approx3.3378\times10^{-8}\;[\mathrm{C}]\approx3.3\times10^{-8}\;[\mathrm{C}]$$となります。最も近い値は(b)の(3)です。

答え:(a)-(1)、(b)-(3)(Q≒3.3×10⁻⁸C)

💡 覚え方
帯電球の表面電界は点電荷と同じE=Q/(4πε0r2)。最大電荷はE=絶縁破壊電界とおいてQ=E×4πε0r2

⚠️ よくある間違い
電荷Qが金属球の中心に集まっているわけではありません。余剰電荷は表面に分布し、球外の電界だけが中心の点電荷と等価です。また、r=0.01mを二乗してr2=10-4m2とする点にも注意します。

まとめ

(a)表面電界E=Q/(4πε0r2) …(1)
(b)条件E=3×106V/m
(b)最大電荷Q=E×4πε0r2
(b)答え≒3.3×10-8C …(3)

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