静電界9【電験3種 理論】並列接続した2つの空気コンデンサの合計電荷と絶縁破壊電圧!令和6年下期 B問題17 完全解説

静電界9【電験3種 理論】並列接続した2つの空気コンデンサの合計電荷と絶縁破壊電圧!令和6年下期 B問題17 完全解説

今回は令和6年度下期 理論科目 B問題17を解説します。金属床と2枚の平板電極でつくる2つの空気コンデンサ(並列接続)について、(a)スイッチを閉じてから開いたときの合計電荷、(b)片側の電極間隔を広げていったときに生じる絶縁破壊電圧を求める計算問題です。

(a)は並列合成容量とV0から電荷Q=CV0を求めます。(b)はスイッチを開いた後は電荷が一定に保たれる点がカギです。間隔xを広げると容量が減り、電荷一定なので電圧V=Q/Cが上がり、やがて絶縁破壊します。

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目次

令和6年度下期 理論科目 B問題17:問題文と選択肢

まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

電験3種 理論科目 静電界 令和6年度下期 B問題17 問題文
令和6年度下期 理論科目 B問題17 問題文

電験3種 理論科目 【電磁気(静電界)】 令和6年度下期 B問題17

 図のように、十分大きい平らな金属板で覆われた床と平板電極とで作られる空気コンデンサが二つ並列接続されている。二つの電極は床と平行であり、それらの面積は左側がA1=10-3m2、右側がA2=10-2m2である。床と各電極の間隔は左側がd=10-3mで固定、右側がx〔m〕で可変、直流電源電圧はV0=1000Vである。次の(a)及び(b)の問に答えよ。ただし、空気の誘電率をε=8.85×10-12F/mとし、静電容量を考える際にコンデンサの端効果は無視できるものとする。

(a)まず、右側のx〔m〕をd〔m〕と設定し、スイッチSを一旦閉じてから開いた。このとき、二枚の電極に蓄えられる合計電荷Qの値〔C〕として、最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

(1)8.0×10-9 (2)1.6×10-8 (3)9.7×10-8 (4)1.9×10-7 (5)1.6×10-6

(b)上記(a)の操作の後、徐々にxを増していったところ、x=3.0×10-3mのときに左側の電極と床との間に火花放電が生じた。左側のコンデンサの空隙の絶縁破壊電圧Vの値〔V〕として、最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

(1)3.3×102 (2)2.5×103 (3)3.0×103 (4)5.1×103 (5)3.0×104

図 金属床と2枚の平板電極でつくる2つの並列空気コンデンサ(問題図)
図 金属床と2枚の平板電極でつくる2つの並列空気コンデンサ(問題図)

出題のポイント:開放後は合計電荷一定

二つの並列コンデンサを電源で充電した状態とスイッチ開放後の回路を比較する図
開放後も二つのコンデンサは並列のままで、合計電荷が保存されます。

充電後にスイッチを開くと電源から切り離されるため、二つのコンデンサの合計電荷は一定です。二つは並列接続のままなので電圧は共通で、可変間隔xを広げるほど合成容量が減って電圧が上がります。

ポイント解説:(a) 初期の合計電荷

二つの空気コンデンサの初期容量と合計電荷を求める計算図
初期の合計電荷は9.735×10のマイナス8乗Cで、(a)は(3)です。

2つの空気コンデンサは並列接続で、電圧が共通です。(a)はスイッチを閉じてV0で充電した状態の合計電荷なので、並列合成容量×V0で求まります。

(b)はスイッチを開いた後なので合計電荷が一定に保たれます。間隔xを広げると右側の容量が減り、電荷一定のため電圧V=Q/Cが上昇し、やがて左側の空隙が絶縁破壊します。

問題の解説:(b) 保存電荷から電圧を求める

保存電荷と間隔3mm時の合成容量から絶縁破壊電圧を求める図
電圧は約2.54×10の3乗Vとなり、(b)は(2)です。

STEP1 (a)x=dのときの合計電荷を求める

各コンデンサの容量は、$$C_1=\frac{\varepsilon A_1}{d}=\frac{8.85\times10^{-12}\times10^{-3}}{10^{-3}}=8.85\times10^{-12}\;[\mathrm{F}]$$

$$C_2=\frac{\varepsilon A_2}{x}=\frac{8.85\times10^{-12}\times10^{-2}}{10^{-3}}=8.85\times10^{-11}\;[\mathrm{F}]$$

並列合成はC=C1+C2=9.735×10-11F。合計電荷は$$Q=CV_0=9.735\times10^{-11}\times1000\fallingdotseq 9.7\times10^{-8}\;[\mathrm{C}]$$

したがって(a)は(3) 9.7×10-8です。

STEP2 (b)x=3.0×10⁻³mのときの電圧を求める

スイッチを開いた後、合計電荷Q=9.735×10-8Cは一定です。x=3.0×10-3mのとき右側容量は、

$$C_2’=\frac{8.85\times10^{-12}\times10^{-2}}{3.0\times10^{-3}}\fallingdotseq 2.95\times10^{-11}\;[\mathrm{F}]$$

合成容量C’=C1+C2‘=8.85×10-12+2.95×10-11=3.835×10-11F。

STEP3 (b)絶縁破壊電圧を求める

並列なので左右の電圧は共通です。この電圧が絶縁破壊電圧に達したときに放電するので、

$$V=\frac{Q}{C’}=\frac{9.735\times10^{-8}}{3.835\times10^{-11}}\fallingdotseq 2.5\times10^{3}\;[\mathrm{V}]$$

したがって(b)は(2) 2.5×103です。

答え:(a)-(3)、(b)-(2)

💡 覚え方
スイッチ開放後は電荷一定。容量を減らす(間隔を広げる)と電圧V=Q/Cが上がり、やがて絶縁破壊。並列は電圧共通。

⚠️ よくある間違い
(b)で電源につながったまま(電圧一定)と勘違いしないこと。スイッチを開いた後は電荷が一定で、電圧が変化します。

まとめ

左側容量 C18.85×10-12F
(a)合計電荷 Q9.7×10-8C …(3)
x=3mm時の合成容量3.835×10-11F
(b)絶縁破壊電圧 VQ/C’≒2.5×103V …(2)

▼あわせて解きたい関連問題
・並列コンデンサ・電荷保存の関連問題:【理論】令和7年度上期A問題1

📚 次に解くべき関連問題
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【理論】令和5年度上期A問題1(静電界14)
【理論】令和6年度下期A問題1(静電界7)
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