静電界40【電験3種 理論】金属床と2平板でつくる並列空気コンデンサの電荷と絶縁破壊電圧!平成28年 B問題17 完全解説

静電界40【電験3種 理論】金属床と2平板でつくる並列空気コンデンサの電荷と絶縁破壊電圧!平成28年 B問題17 完全解説

今回は平成28年度 理論科目 B問題17を解説します。金属床と2枚の平板電極でつくる2つの空気コンデンサが並列接続された回路で、(a)スイッチを閉じてから開いたときの合計電荷、(b)電極間隔xを広げて火花放電が生じたときの絶縁破壊電圧を求める問題です。

(a)は並列なので合成容量C=C1+C2、電荷Q=CV0で求まります。(b)では、スイッチ開放後も2枚の上部電極は導線でつながっていますが、電源からは孤立するため、上部電極群の合計電荷Qが保存されます。xを広げるとC2が減り、共通電圧V=Q/Cが上昇します。

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目次

平成28年度 理論科目 B問題17:問題文と選択肢

まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

電験3種 理論科目 静電界 平成28年度 B問題17 問題文
平成28年度 理論科目 B問題17 問題文

電験3種 理論科目 【電磁気(静電界)】 平成28年度 B問題17

 図のように、十分大きい平らな金属板で覆われた床と平板電極とで作られる空気コンデンサが二つ並列接続されている。二つの電極は床と平行であり、それらの面積は左側がA1=10-3m2、右側がA2=10-2m2である。床と各電極の間隔は左側がd=10-3mで固定、右側がx〔m〕で可変、直流電源電圧はV0=1000Vである。次の(a)及び(b)の問に答えよ。ただし、空気の誘電率をε=8.85×10-12F/mとし、静電容量を考える際にコンデンサの端効果は無視できるものとする。

(a)まず、右側のx〔m〕をd〔m〕と設定し、スイッチSを一旦閉じてから開いた。このとき、二枚の電極に蓄えられる合計電荷Qの値〔C〕として最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

(1)8.0×10-9 (2)1.6×10-8 (3)9.7×10-8 (4)1.9×10-7 (5)1.6×10-6

(b)上記(a)の操作の後、徐々にxを増していったところ、x=3.0×10-3mのときに左側の電極と床との間に火花放電が生じた。左側のコンデンサの空隙の絶縁破壊電圧V〔V〕として最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

(1)3.3×102 (2)2.5×103 (3)3.0×103 (4)5.1×103 (5)3.0×104

図 金属床と2枚の平板電極でつくる並列接続の空気コンデンサ(問題図)
図 金属床と2枚の平板電極でつくる並列接続の空気コンデンサ(問題図)

出題のポイント:開放後は上部電極群の合計電荷一定

金属床を共通電極とする二つの並列空気コンデンサについてスイッチ閉時と開放後を比較する図
開放後も2枚の上部電極は並列のままで、電源から孤立した上部電極群の合計電荷が保存されます。

x=dで充電すると、C₁=8.85×10⁻¹²F、C₂=8.85×10⁻¹¹Fです。スイッチ開放後も2枚の上部電極は導線で接続された並列状態ですが、電源からは孤立するため、上部電極群の合計電荷Q=9.735×10⁻⁸Cが保存されます。xを広げると合成容量が減り、共通電圧が上昇します。

ポイント解説:(a)並列合成容量から初期電荷を求める

二つの空気コンデンサの初期容量と合計電荷9.735掛ける10のマイナス8乗クーロンを求める図
初期の並列合成容量は9.735×10⁻¹¹F、合計電荷は9.735×10⁻⁸Cなので(a)は(3)です。

2つのコンデンサは並列なので、合成容量C=C1+C2、電荷Q=CV0で求まります。各容量はC=εA/(間隔)です。

スイッチを開いた後は、電源から孤立した2枚の上部電極群の合計電荷Qが保存されます。右側の間隔xを広げるとC2が減り、共通電圧V=Q/Cが上昇します。x=3dでは左側電界V/dが右側電界V/(3d)の3倍となるため、左側の空隙が先に絶縁破壊します。

問題の解説:(b)保存電荷から共通電圧を求める

間隔xが3ミリメートルのときの合成容量と共通電圧および左右の電界を比較する図
共通電圧は約2.54kVで、間隔dの左側電界は間隔3dの右側の3倍となるため(b)は(2)です。

STEP1 (a)各容量を求める

C1=εA1/d=8.85×10−12 FC2=εA2/x=8.85×10−11 F (x=d)

STEP2 (a)合計電荷を求める

並列なので合成容量はC1+C2=9.735×10-11F。よって、$$Q=(C_1+C_2)V_0=9.735\times10^{-11}\times1000\approx9.7\times10^{-8}\;\mathrm{C}$$(a)は(3)です。

STEP3 (b)電荷保存で破壊電圧を求める

スイッチ開放後は上部電極群の合計電荷Qが一定です。x=3.0×10−3mでは、$$C_2’=\frac{\varepsilon A_2}{x}=\frac{8.85\times10^{-12}\times10^{-2}}{3.0\times10^{-3}}=2.95\times10^{-11}\;\mathrm{F}$$合成容量はC1+C2‘=3.835×10−11Fなので、$$V=\frac{Q}{C_1+C_2′}=\frac{9.735\times10^{-8}}{3.835\times10^{-11}}\approx2.54\times10^{3}\;\mathrm{V}$$左右の電圧は共通ですが、左側の間隔dは右側の3分の1なので、左側電界は右側の3倍です。したがって(b)は(2)です。

答え:(a)-(3)、(b)-(2)

💡 覚え方
充電中は電圧一定、電源から切り離した後は上部電極群の合計電荷一定です。並列の共通電圧はV=Q/(C1+C2)。間隔を広げて合成容量が減ると電圧が上昇します。

⚠️ よくある間違い
スイッチ開放後も2個のコンデンサ間では電荷が移動できますが、電源から孤立した上部電極群の合計電荷は変わりません。各コンデンサの個別電荷が一定という意味ではありません。

まとめ

C1・C28.85×10-12・8.85×10-11F
(a)電荷Q(C1+C2)V0≒9.7×10-8C …(3)
(b)x=3mmC2‘≒2.95×10-11F
(b)破壊電圧Q/(C1+C2‘)≒2.5×103V …(2)

▼あわせて解きたい関連問題
・コンデンサの合成と電荷の関連問題:【理論】令和6年度下期B問題17

📚 次に解くべき関連問題
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【理論】平成27年度A問題1(静電界41)
【理論】平成26年度A問題1(静電界43)
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