今回は平成18年度 理論科目 A問題11を解説します。シリコン(Si)の真性半導体にホウ素(B)やインジウム(In)を加えたときの元素の価数・半導体の形・加えた不純物の呼び名を問う穴埋め問題です。
Siは4価。これに価電子が1個少ない3価のB・Inを加えると、正孔が生じてp形半導体になります。正孔を作るこの不純物をアクセプタと呼ぶことを押さえれば解けます。
出題のポイント

平成18年度 理論科目 A問題11:問題文と選択肢
まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

電験3種 理論科目 【電子理論(半導体等)】 平成18年度 A問題11
次の文章は、不純物半導体に関する記述である。
極めて高い純度に精製されたシリコン(Si)の真性半導体に、ホウ素(B)やインジウム(In)などの(ア)価の元素を不純物として微量だけ加えたものを(イ)形半導体といい、このとき加えた不純物を(ウ)という。
上記の記述中の空白箇所(ア)、(イ)及び(ウ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
(ア) (イ) (ウ) (1) 5 n ドナー (2) 3 p アクセプタ (3) 3 n ドナー (4) 5 n アクセプタ (5) 3 p ドナー
ポイント解説:3価のB・Inでp形半導体、加えた不純物はアクセプタ
シリコンSiは価電子4個の4価。ホウ素B(原子番号5)やインジウムIn(原子番号49)は価電子3個の3価((ア)=3)。Siに3価の元素を加えると、共有結合に電子が1個足りず、そこに正孔(正の電荷のように振る舞う空孔)ができる。
正孔が多数キャリヤとなるのでp形半導体((イ)=p)。電子を受け取って正孔を作るこの3価の不純物をアクセプタ((ウ)=アクセプタ)という。よって(ア)3・(イ)p・(ウ)アクセプタの(2)。なお5価(リンなど)を加えると自由電子が多数キャリヤのn形になり、その不純物はドナーと呼ばれる。
問題の解説
STEP1 (ア) 価数
B・Inは価電子3個の3価元素(Siは4価)。(ア)=3。
STEP2 (イ) 半導体の形
4価のSiに3価を加えると電子が1個不足し正孔ができる。正孔が多数キャリヤのp形。(イ)=p。
STEP3 (ウ) 不純物の呼び名
電子を受け取り正孔を作る3価の不純物はアクセプタ。(ウ)=アクセプタ。よって(2)。
答え:(2)
💡 覚え方
3価(B・In)→p形・アクセプタ(正孔供給)。5価(P・As)→n形・ドナー(電子供給)。Siは4価。
⚠️ よくある間違い
3価はアクセプタ・p形(ドナー・n形ではない)。5価はドナー・n形。価数と形・呼び名を取り違えない。
まとめ
| (ア) | 3価(B・In) |
| (イ) | p形半導体 |
| (ウ) | アクセプタ |
| 対比 | 5価→n形・ドナー |
| 答え | (2) |
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