今回は平成18年度 理論科目 A問題7を解説します。R=200Ω、L=2mH、C=0.8μFを直列接続した回路で、電源電圧と電流が同相になる角周波数ωを求める問題です。
電圧と電流が同相になるのは直列共振の状態です。このときリアクタンスが打ち消し合い、ω=1/√(LC)で求まります。抵抗Rは同相条件には関係しません。
平成18年度 理論科目 A問題7:問題文と選択肢
平成18年度の公式問題を収録した下の問題画像で、R・L・Cの値、求める単位rad/s、5つの選択肢を確認しながら進めます。公式問題画像は原資料として保持します。電気技術者試験センターの現在の第三種過去問題一覧と照合方針も確認しています。

電験3種 理論科目 【電気回路(単相交流)】 平成18年度 A問題7
R=200〔Ω〕の抵抗、L=2〔mH〕のインダクタンス、C=0.8〔μF〕の静電容量を直列に接続した交流回路がある。この回路において、電源電圧と電流が同相となるときの角周波数ω〔rad/s〕の値として、最も近いのは次のうちどれか。
(1)1.0×103 (2)3.0×103 (3)2.0×104 (4)2.5×104 (5)3.5×104
出題のポイント:同相=共振。抵抗は使わない
「電圧と電流が同相」とは、インピーダンスの虚部がゼロということです。これが直列共振の条件——\(\omega=1/\sqrt{LC}\) で求まります。
抵抗 \(R=200\;\Omega\) は与えられていますが、まったく使いません。共振周波数は \(L\) と \(C\) だけで決まるからです。「与えられた数値をすべて使う」とは限らない典型例になっています。

解説:指数計算を丁寧に進める
mH と μF を換算
√ を取りやすくする
\(1.6\times10^{-9}\) をそのまま \(\sqrt{}\) すると計算しにくいので、\(16\times10^{-10}\) と書き換えます。指数を偶数にすれば、平方根が \(10^{-5}\) ときれいに出ます。
検算:\(\omega L=2.5\times10^4\times2\times10^{-3}=50\;\Omega\)、\(1/(\omega C)=1/(2.5\times10^4\times0.8\times10^{-6})=50\;\Omega\) ✓ 確かに一致します。
選択肢は \(10^3\) 台が2つ、\(10^4\) 台が3つに分かれています。桁を間違えると即座に外れるので、指数計算は慎重に進めてください。


誤答の正体:単位換算と平方根
| 誤り方 | 何を間違えるか | 結果 |
| mH・μF の換算を忘れる | \(L=2\)、\(C=0.8\) として計算 | 桁が大きくずれる |
| \(\sqrt{}\) を取り忘れる | \(\omega=1/(LC)\) とする | \(6.25\times10^8\) |
| 周波数 \(f\) を求めてしまう | \(f=\omega/2\pi\) | 約\(4.0\times10^3\) |
| 正しい計算 | — | \(2.5\times10^4\) |
「角周波数 \(\omega\)」と「周波数 \(f\)」の取り違えにも注意してください。問題文は \(\omega\)〔rad/s〕を聞いています。\(f\) を求めると \(2\pi\) で割ることになり、約4 kHz——選択肢のどれにも当てはまりません。
単位が rad/s なら角周波数、Hz なら周波数——問題文の単位を必ず確認してください。
⚠️ よくある間違い
\(2\;\mathrm{mH}=2\times10^{-3}\;\mathrm{H}\)、\(0.8\;\mathrm{\mu F}=0.8\times10^{-6}\;\mathrm{F}\)——この換算を最初に済ませてから計算に入ってください。途中で換算しようとすると、必ずどこかで間違えます。
深掘り①:共振時の各素子の電圧
共振していても、\(L\) と \(C\) の端子には電圧がかかっています。互いに打ち消し合って合計がゼロになるだけです。
大きさは等しく、向きが逆
この回路は \(Q\) が小さい
本問では \(Q=0.25\) と小さいので、素子の電圧は電源電圧より小さくなります。抵抗200 Ω に対してリアクタンスが50 Ω しかないからです。
もし \(R\) が小さければ \(Q\) が大きくなり、素子には電源電圧の何倍もの電圧が現れます。\(R=1\;\Omega\) なら \(Q=50\)——50倍の電圧です。共振回路の設計では、この点に注意が必要になります。
深掘り②:共振周波数を「作る」問題も出る
本問は \(L\) と \(C\) から \(\omega\) を求めましたが、逆に「ある周波数で共振させるには \(C\) をいくらにするか」という問いもあります。
周波数の2乗に反比例
周波数を2倍にしたければ、\(C\) を1/4 にする必要があります。\(\omega\) が \(1/\sqrt{LC}\) なので、\(LC\) を1/4 にすれば \(\omega\) は2倍——2乗の関係です。
| 変えるもの | 共振周波数への影響 |
| \(L\) を4倍 | \(1/2\) 倍 |
| \(C\) を4倍 | \(1/2\) 倍 |
| \(L\) と \(C\) を両方2倍 | \(1/2\) 倍 |
| \(R\) を変える | 変わらない |
ラジオの選局つまみは、可変コンデンサ(バリコン)を回して \(C\) を変えています。\(C\) を変えると共振周波数が変わり、受信する放送局が切り替わる——この原理は本問の式そのものです。
💡 覚え方
「共振周波数は \(LC\) の積だけで決まる」——\(R\) は無関係。\(R\) が効くのは共振の鋭さ(\(Q\))だけです。
⏱️ 本番での進め方
❶ 単位換算を最初に済ませる。mH → \(10^{-3}\)、μF → \(10^{-6}\)。
❷ 指数を偶数にしてから \(\sqrt{}\)。\(1.6\times10^{-9}=16\times10^{-10}\)。
❸ \(\omega\) か \(f\) かを確認。rad/s なら角周波数。
❹ \(R\) は使わない。与えられた数値をすべて使うとは限らない。
この分野はほぼ毎年どこかで出題されます。手を動かして解ける状態にしておけば、本番で確実に得点できます。
まとめ
| 同相 | リアクタンス0=直列共振 |
| LC | 2m×0.8μ=1.6×10⁻⁹ |
| √(LC) | 4×10⁻⁵ |
| 答え | ω=2.5×10⁴ …(4) |
▼あわせて解きたい関連問題
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