単相交流55【電験3種 理論】正弦波電流の瞬時値がある値になる時刻を求める!平成21年度 A問題9 完全解説

電験3種 理論科目 電気回路(単相交流) 平成21年度 A問題9 瞬時値がその大きさになるのは?時刻を求める

今回は平成21年度 理論科目 A問題9を解説します。電流i=4√2 sin(120πt)〔A〕が、t=0以降に初めて4Aになる時刻t1〔s〕を求める問題です。

瞬時値の式i=4√2 sin(120πt)に4Aを代入し、sin(120πt)=1/√2となる最初の角度(π/4)からtを求めます。

目次

平成21年度 理論科目 A問題9:問題文と選択肢

電気技術者試験センター公表の公式問題PDF(理論・問9)と公式解答PDFを確認しながら進めます。下の公式問題画像は瞬時値の式・条件・選択肢を含め、元のまま保持しています。

電験3種 理論科目 単相交流 平成21年度 A問題9 問題文
平成21年度 理論科目 A問題9 問題文

電験3種 理論科目 【電気回路(単相交流)】 平成21年度 A問題9

 ある回路に、i=4√2 sin120πt〔A〕の電流が流れている。この電流の瞬時値が、時刻t=0〔s〕以降に初めて4〔A〕となるのは、時刻t=t1〔s〕である。t1〔s〕の値として、正しいのは次のうちどれか。

(1)1/480 (2)1/360 (3)1/240 (4)1/160 (5)1/120

出題のポイント:4 A は「実効値」——位相45°の点

\(i=4\sqrt2\sin(120\pi t)\) の最大値は \(4\sqrt2\approx5.66\;\mathrm{A}\)、実効値は4 A です。「瞬時値が4 A になる」=「瞬時値が実効値に一致する」——これは位相が45°の点です。

\(\sin\theta=1/\sqrt2\) となる最初の角度が \(\pi/4\)この関係を知っていれば、あとは角速度で割るだけです。

瞬時値の式と実効値
$$i=I_m\sin\omega t=\sqrt2\,I\sin\omega t\qquad I=\frac{I_m}{\sqrt2}$$

\(4\sqrt2\) という書き方は「実効値が4 A」を意味します交流の式は実効値を \(\sqrt2\) 倍した形で書かれることが多いので、係数を見たら実効値を読み取ってください。

平成21年度理論問9の出題ポイント。正弦波電流が4 Aとなる位相π/4と3π/4を示し、最初の上昇側π/4を選ぶ波形図
同じ4 Aでも上昇中のπ/4が1回目、下降中の3π/4が2回目です。

解説:3ステップで求まる

$$4=4\sqrt2\sin(120\pi t)\;\Longrightarrow\;\sin(120\pi t)=\frac{1}{\sqrt2}$$
❶ 代入して整理
\(4\) が約分される
$$120\pi t=\frac{\pi}{4}$$
❷ 最初の解
\(\sin\theta=1/\sqrt2\) の最小の正の解
$$t=\frac{\pi/4}{120\pi}=\frac{1}{480}\;\mathrm{s}$$
❸ \(t\) について解く
\(\pi\) が約分される

\(\pi\) がきれいに約分されるのが気持ちのよいところです。\(\dfrac{1}{4\times120}=\dfrac{1}{480}\)——暗算でも出せます

検算:\(120\pi\times\dfrac{1}{480}=\dfrac{\pi}{4}\)、\(4\sqrt2\sin\dfrac{\pi}{4}=4\sqrt2\times\dfrac{1}{\sqrt2}=4\;\mathrm{A}\) ✓

瞬時値i=4√2sin120πtを振幅・角周波数・初期位相へ分け、周波数60 Hz、周期1/60秒、最初の位相π/4を説明する図
角周波数120π rad/sは周波数60 Hzに対応し、位相π/4は1周期の1/8です。
答え\(t_1=\dfrac{1}{480}\;\mathrm{s}\) → 選択肢(1)
平成21年度理論問9の問題解説1枚目。i=4 Aを代入してsin値1/√2を求め、複数解から最初の位相π/4を選ぶ図
問題の解説1/3。sin=1/√2の2つの解から、t=0以降で先に現れるπ/4を採用します。
平成21年度理論問9の問題解説2枚目。位相角π/4を角周波数120πで割って1/480秒を求め、ミリ秒換算と周期による検算を示す図
問題の解説2/3。t1=(π/4)/(120π)=1/480 s=約2.083 msです。

周期との関係で確かめる

この電流の周期は \(T=\dfrac{2\pi}{120\pi}=\dfrac{1}{60}\;\mathrm{s}\)——周波数60 Hz です。

$$t_1=\frac{1}{480}=\frac{1}{60}\times\frac{1}{8}=\frac{T}{8}$$
周期との比
1周期の \(1/8\)

1周期は360°なので、その \(1/8\) は45°——位相45°という最初の判断と一致します。この確認ができれば、答えに自信が持てます

「\(120\pi\) は60 Hz」という対応も覚えておくと便利です。\(\omega=2\pi f\) なので、\(\omega=100\pi\) なら50 Hz、\(120\pi\) なら60 Hz——日本の商用周波数がそのまま出てきます

誤答の正体:角度の取り違え

誤り方使った角度\(\sin\theta\)得られる \(t\)選択肢
\(\sin\theta=1/2\) と誤る\(\pi/6\)0.51/720選択肢になし
\(\sin\theta=\sqrt3/2\) と誤る\(\pi/3\)0.8661/360(2)
最大値になる時刻\(\pi/2\)11/240(3)
正しい計算\(\pi/4\)0.7071/480(1) ◎

(3)の 1/240 は「最大値になる時刻」です。「4 A になる」を「最大値になる」と読み違えると、この値に着地します。問題文は瞬時値が4 A になる時刻を聞いている——最大値は \(4\sqrt2\) であって4ではありません。

⚠️ よくある間違い
\(4\sqrt2\) の \(\sqrt2\) を見落とすと、「最大値が4 A」と誤解してしまいます。交流の瞬時値の式では、係数が最大値です。\(4\sqrt2\) が最大値、4 が実効値——この区別を最初に確認してください。

💡 覚え方
「瞬時値=実効値になるのは位相45°」——正弦波の性質として覚えておくと、この種の問題は即答できます。\(\sin45^\circ=1/\sqrt2\) であり、実効値は最大値の \(1/\sqrt2\) だからです。

⏱️ 本番での進め方
❶ 係数から最大値と実効値を読む。\(4\sqrt2\) が最大値、4が実効値。
❷ \(\sin\theta=1/\sqrt2\) → \(\theta=\pi/4\)。三角関数の基本値。
❸ \(\pi\) は約分される。\(t=\dfrac{\pi/4}{120\pi}=\dfrac{1}{480}\)。
❹ 周期で検算。\(T=1/60\)、\(t_1=T/8\)=45°。

この分野はほぼ毎年どこかで出題されます。手を動かして解ける状態にしておけば、本番で確実に得点できます。

深掘り:\(\omega\)、\(f\)、\(T\) の関係を確実にする

交流の問題では、角周波数・周波数・周期の3つが行き来します変換をその場で書けるようにしておくと、この種の問題で迷いません。

記号単位関係式本問の値
角周波数\(\omega\)rad/s\(\omega=2\pi f\)\(120\pi\approx377\)
周波数\(f\)Hz\(f=\omega/2\pi\)60 Hz
周期\(T\)s\(T=1/f=2\pi/\omega\)1/60 s ≒ 16.7 ms

\(\omega=100\pi\) なら50 Hz、\(120\pi\) なら60 Hz——日本の商用周波数がそのまま出てきますこの2つは頻出なので、値を見た瞬間に周波数が浮かぶようにしておいてください

\(\omega=377\) という数値が出てくることもあります。\(120\pi=376.99\) なので、60 Hz を意味します\(\omega=314\) なら \(100\pi=314.16\) で50 Hz です。

位相と時間の対応を身につける

1周期=360°=\(2\pi\) radです。この対応を使うと、位相から時間、時間から位相をすぐ換算できます

位相1周期に対する割合本問での時刻(\(T=1/60\;\mathrm{s}\))そのときの瞬時値
00 s0
45°1/81/480 s実効値 4 A
90°1/41/240 s最大値 5.66 A
180°1/21/120 s0

選択肢の 1/240 は90°(最大値)、1/120 は180°(ゼロ)の時刻にあたります。どちらも「正弦波の特徴的な点」なので、選択肢として自然に見えてしまいます

「実効値になるのは45°」——これを知っていれば、45°=1周期の1/8=\(T/8\) と即座につながります。\(T=1/60\) なので \(T/8=1/480\)——計算らしい計算をせずに答えが出ます

💡 覚え方
「実効値は45°、最大値は90°」と対で覚えてください。\(\sin45^\circ=1/\sqrt2\)実効値=最大値の \(1/\sqrt2\) が対応しているのが理由です。

まとめ

代入sin(120πt)=4/(4√2)=1/√2
角度120πt=π/4
時刻(π/4)/(120π)
答え1/480s …(1)

▼あわせて解きたい関連問題
・同型の瞬時値・時刻の問題:【理論】令和7年度上期A問題8

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

目次