電子回路29【電験3種 理論】NOT ICの非安定マルチバイブレータ(動作とコンデンサ電圧波形)を攻略する!平成25年度 B問題18 完全解説

電験3種 理論科目【電磁気(電子回路)】平成25年度 B問題18 (a)電源必要で(ア)誤・R1大で周波数低下(イ)誤・R2は入力電流制限(ウ)正→(5) (b)Vcは指数関数的に充放電し正負に振れる→(2)

今回は平成25年度 理論科目 B問題18(選択問題)を解説します。NOT IC・コンデンサC・抵抗を用いた非安定マルチバイブレータについて、(a)回路に関する三つの記述の正誤、(b)コンデンサ端子電圧VCの時間変化の波形を選ぶ問題です。

非安定マルチバイブレータはNOT ICで構成される発振回路で、動作には電源が必要です。発振周波数はf∝1/(R1C)。コンデンサはNOT出力の反転ごとに充放電を繰り返し、VCは指数関数的に正負へ振れるのがポイントです。

出題のポイント

目次

平成25年度 理論科目 B問題18:問題文と選択肢

まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

電験3種 理論科目 電子回路 平成25年度 B問題18 問題文
平成25年度 理論科目 B問題18 問題文

電験3種 理論科目 【電子理論(電子回路)】 平成25年度 B問題18

 図は、NOT IC、コンデンサC及び抵抗を用いた非安定マルチバイブレータの原理図である。次の(a)及び(b)の問に答えよ。

(a) この回路に関する三つの記述(ア)〜(ウ)について、正誤の組合せとして正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
(ア)この回路は電源を必要としない。
(イ)抵抗R1[Ω]の値を大きくすると、発振周波数は高くなる。
(ウ)抵抗器R2は、NOT1に流れる入力電流を制限するための素子である。

(ア)(イ)(ウ)
(1)
(2)
(3)
(4)
(5)

(b) コンデンサCの端子間電圧VC[V]の時間tの経過による変化の特徴を最もよく示している波形として、正しいものを上の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。ただし、いずれの図も1周期分のみを示している。

図 NOT IC・コンデンサC・抵抗を用いた非安定マルチバイブレータの原理図(R1・R2・C・NOT1・NOT2)(問題図)
図 NOT IC・コンデンサC・抵抗を用いた非安定マルチバイブレータの原理図(R1・R2・C・NOT1・NOT2)(問題図)
図 (b)の選択肢:コンデンサ端子電圧Vcの時間変化の波形(1)〜(5)(1周期分)(問題図)
図 (b)の選択肢:コンデンサ端子電圧Vcの時間変化の波形(1)〜(5)(1周期分)(問題図)

ポイント解説:(a)電源必要・R1大で周波数低下・R2は保護抵抗、(b)Vcは指数関数で正負に振れる

(a) (ア)NOT IC(論理IC)は動作に電源が必要なので「電源を必要としない」は。(イ)発振周波数はf∝1/(R1C)で、R1を大きくすると周波数は低くなるため「高くなる」は。(ウ)抵抗器R2はNOT1の入力に流れ込む電流を制限(保護)する素子で。よって(ア)誤・(イ)誤・(ウ)正で(a)は(5)。

(b) 非安定マルチバイブレータでは、NOT1の出力が反転するたびにコンデンサCの充放電の向きが切り替わる。VC指数関数的に上昇・下降を繰り返し、しきい値をまたいで正から負・負から正へと振れる。1周期分では、正の値から指数関数的に下降して0を横切り負の最小値まで下がり、再び指数関数的に上昇して0を横切り正へ戻る波形になる。これを最もよく表すのは(2)

問題の解説

STEP1 (a)(ア)の正誤

NOT ICは電源が必要→「電源不要」は誤。

STEP2 (a)(イ)(ウ)の正誤

f∝1/(R1C)でR1大→周波数低下(イ誤)。R2はNOT入力電流を制限する保護抵抗(ウ正)。(ア)誤・(イ)誤・(ウ)正→(a)=(5)。

STEP3 (b)Vcの波形

出力反転ごとに充放電が切り替わり、Vcは指数関数的に正負へ振れる→(2)。

答え:(a)-(5),(b)-(2)

💡 覚え方
NOT IC非安定マルチバイブレータ:電源が必要、発振周波数f∝1/(R1C)(R1大で周波数低下)。R2はNOT入力電流の制限(保護)抵抗。Vcは指数関数的に充放電し、正負に振れる波形。

⚠️ よくある間違い
NOT ICは電源が必要(電源不要は誤)。R1を大きくすると周波数は下がる(f∝1/(R1C))。Vcは指数関数(直線ではない)で正負両方に振れる波形((2))。

まとめ

(ア)電源が必要→誤
(イ)f∝1/(R1C)、R1大で周波数低下→誤
(ウ)R2はNOT入力電流の制限→正
(a)誤・誤・正→(5)
(b)Vcは指数関数で正負に振れる→(2)

▼あわせて解きたい関連問題
・交流小信号増幅回路の接地方式と帯域幅(電子回路28):【理論】平成25年度 A問題13

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

目次