単相交流39【電験3種 理論】電力・電圧・電流の測定値から無効電力とリアクタンスを求める!平成26年度 B問題15 完全解説

電験3種 理論科目 電気回路(単相交流) 平成26年度 B問題15 3つの測定値から導く!無効電力とリアクタンス

今回は平成26年度 理論科目 B問題15を解説します。誘導性リアクタンスXと抵抗Rの並列回路で、電流計12.5A・電圧計300V・電力計2250Wのとき、(a)無効電力Q(b)リアクタンスXを求めるB問題です。

皮相電力S=VI、有効電力P(電力計)、無効電力Q=√(S²−P²)。並列負荷なのでXにかかる電圧はVです。Q=V²/XからXを逆算します。

目次

平成26年度 理論科目 B問題15:問題文と選択肢

電気技術者試験センター公表の公式問題PDF(理論 B問15)と公式解答PDFを確認しながら進めます。下の問題文画像・回路図・選択肢は元のまま保持しています。

電験3種 理論科目 単相交流 平成26年度 B問題15 問題文
平成26年度 理論科目 B問題15 問題文

電験3種 理論科目 【電気回路(単相交流)】 平成26年度 B問題15

 図のように、正弦波交流電圧E〔V〕の電源が誘導性リアクタンスX〔Ω〕のコイルと抵抗R〔Ω〕との並列回路に電力を供給している。この回路において、電流計の指示値は12.5A、電圧計の指示値は300V、電力計の指示値は2250Wであった。ただし、電圧計・電流計・電力計の損失はいずれも無視できるものとする。次の(a)及び(b)の問に答えよ。

(a)この回路における無効電力Q〔var〕として、最も近いQの値を次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

(1)1800 (2)2250 (3)2750 (4)3000 (5)3750〔var〕

(b)誘導性リアクタンスX〔Ω〕として、最も近いXの値を次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

(1)16 (2)24 (3)30 (4)40 (5)48〔Ω〕

図 E電源とX∥R並列負荷、電流計・電圧計・電力計(問題図)
図 E電源とX∥R並列負荷、電流計・電圧計・電力計(問題図)

出題のポイント:3つの計器の指示値から電力三角形を作る

電圧計と電流計から皮相電力、電力計から有効電力が分かります。この2つが分かれば、無効電力は三平方の定理で求まります

(b)では「並列回路」であることが決定的です。並列なので \(X\) にかかる電圧は電源電圧そのもの——\(Q=V^2/X\) という式が使えます。直列なら \(Q=I^2X\) で、答えが変わります。

電力の3兄弟と並列回路
$$S=VI\qquad S^2=P^2+Q^2\qquad(\text{並列})\;Q=\frac{V^2}{X},\;P=\frac{V^2}{R}$$

並列回路では「電圧の2乗 ÷ 素子」で電力が出ます。直列なら「電流の2乗 × 素子」——回路構成で式が変わります

平成26年度理論B問15の出題ポイント。電圧300V、電流12.5A、有効電力2250Wから皮相電力3750VA、無効電力3000var、リアクタンス30Ωを求める図
S=VI、S²=P²+Q²、Q=V²/Xを順に使うと、Q=3000var、X=30Ωです。

(a) の解説:三平方の定理で無効電力を出す

$$S=VI=300\times12.5=3\,750\;\mathrm{VA}$$
❶ 皮相電力
電圧計×電流計
$$Q=\sqrt{S^2-P^2}=\sqrt{3750^2-2250^2}=\sqrt{9\,000\,000}$$
❷ 無効電力
$$Q=3\,000\;\mathrm{var}$$
❸ 計算

\(2250:3000:3750=3:4:5\)——ここでも3:4:5 の直角三角形です。\(\sqrt{}\) を計算する前に比を疑うと、暗算で答えが出ます。

力率も同時に分かります\(\cos\theta=P/S=2250/3750=0.6\)——3:4:5 なら力率0.6 か0.8です。本問は有効電力が短い辺(3)なので0.6 になります。

電力三角形にP=2250W、Q=3000var、S=3750VAを配置し、並列負荷のQ=V²/Xと検算を示すポイント解説図
電力三角形は3:4:5の比になり、並列負荷ではX=V²/Qで求めます。
答え(a) \(Q=3\,000\;\mathrm{var}\) → 選択肢(4)

(b) の解説:並列だから \(Q=V^2/X\)

$$Q=\frac{V^2}{X}\;\Longrightarrow\;X=\frac{V^2}{Q}=\frac{300^2}{3\,000}=\frac{90\,000}{3\,000}$$
❶ 並列の無効電力の式
電圧が共通
$$X=30\;\Omega$$
❷ 計算

検算してみましょう。\(R=V^2/P=90\,000/2\,250=40\;\Omega\)\(I_R=300/40=7.5\;\mathrm{A}\)、\(I_X=300/30=10\;\mathrm{A}\)——合成は \(\sqrt{7.5^2+10^2}=12.5\;\mathrm{A}\)電流計の指示と一致します。

ここでも7.5:10:12.5=3:4:5です。電流の三角形と電力の三角形が相似——電圧が共通なので、電流と電力は比例します。

平成26年度理論B問15の問題解説。皮相電力、無効電力、リアクタンスを3段階で計算し、aは4、bは3と示す図
Q=3000varで(a)(4)、X=30Ωで(b)(3)です。電流による検算も測定値12.5Aと一致します。
答え(b) \(X=30\;\Omega\) → 選択肢(3)

誤答の正体:直列の式を使ってしまう

誤り方使った式選択肢との対応
直列と誤って \(Q=I^2X\)\(3000/12.5^2\)19.2 Ω選択肢になし((2)24 に近い)
\(R\) を答えてしまう\(V^2/P\)40 Ω(4) と一致
正しい計算\(V^2/Q\)30 Ω(3) ◎

選択肢(4)の40 Ω は「抵抗 \(R\) の値」です。\(V^2/P=40\;\Omega\)——電力計の指示(有効電力)を使うと \(R\) が出ます聞かれているのはリアクタンス \(X\) なので、無効電力を使わなければなりません

直列と並列で式が変わることも押さえてください。並列は \(V^2/X\)、直列は \(I^2X\)——本問で直列の式を使うと19.2 Ω となり、選択肢のどれとも一致しません

⚠️ よくある間違い
(a)で求めた \(Q\) を(b)で使うのが本問の流れです。(a)を間違えると(b)も連鎖して外します3:4:5 で検算して、\(Q=3\,000\) に自信を持ってから(b)へ進んでください

深掘り①:並列回路と直列回路で式が変わる理由

並列では電圧が共通、直列では電流が共通——共通する量を使って電力を表すのが自然です。

直列回路並列回路
共通する量電流 \(I\)電圧 \(V\)
有効電力\(P=I^2R\)\(P=V^2/R\)
無効電力\(Q=I^2X\)\(Q=V^2/X\)
抵抗が大きいと電力は大きい電力は小さい

直列と並列で「抵抗が大きいと電力が増えるか減るか」が逆になります。直列では大きい抵抗が電圧を多く分担して電力を消費し、並列では大きい抵抗ほど電流が流れず電力が小さい——まったく逆です。

迷ったら「共通する量」から考えるのが確実です。並列なら電圧が分かっているのだから、\(V^2/R\) を使う——電流を経由する必要がありません

深掘り②:3つの計器で何が測れるか

電圧計・電流計・電力計の3つがあれば、回路の状態がすべて分かります「3電圧計法」「3電流計法」など、計器の組み合わせで測る方法は計測分野でも問われます

分かること計算本問の値
皮相電力 \(S\)\(VI\)3 750 VA
有効電力 \(P\)電力計の指示2 250 W
無効電力 \(Q\)\(\sqrt{S^2-P^2}\)3 000 var
力率 \(\cos\theta\)\(P/S\)0.6
抵抗 \(R\)\(V^2/P\)40 Ω
リアクタンス \(X\)\(V^2/Q\)30 Ω

電力計は「有効電力だけ」を測ります内部で電圧と電流の積を取り、位相差を考慮した平均値を出しているからです。電圧計×電流計では皮相電力しか出ません

力率計がなくても、電力計と電圧計・電流計があれば力率が計算できる——これが実務でよく使われる方法です。\(\cos\theta=P/(VI)\) という単純な割り算で求まります。

💡 覚え方
「電圧計×電流計=皮相、電力計=有効、残りが無効」——3つの計器と3つの電力が対応しています。この関係を覚えておけば、B問題の前半は確実に取れます

⏱️ 本番での進め方
❶ \(S=VI\) を先に出す。電圧計と電流計の積。
❷ 3:4:5 を疑う。2250 と 3750 なら 3000。\(\sqrt{}\) 不要。
❸ 並列なら \(V^2/X\)。直列の \(I^2X\) と取り違えない。
❹ 電流で検算する。\(I_R\) と \(I_X\) を合成して電流計の指示に戻るか。

この分野はほぼ毎年どこかで出題されます。手を動かして解ける状態にしておけば、本番で確実に得点できます。

まとめ

S300×12.5=3750VA
Q√(3750²−2250²)=3000var…(a)(4)
XV²/Q=90000/3000=30Ω…(b)(3)
検算I=√(7.5²+10²)=12.5A ✓

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