今回は平成27年度 理論科目 A問題7を解説します。直流回路・コンデンサ・コイル・電線抵抗・並列合成に関する5つの記述のうち、誤っているものを選ぶ問題です。
基本法則の理解を問う論述問題です。特に並列抵抗の合成は「各抵抗の逆数の和の逆数」であり、「逆数の和」(これは合成コンダクタンス)ではない点がポイントです。
出題のポイント

平成27年度 理論科目 A問題7:問題文と選択肢
まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

電験3種 理論科目 【電気回路(単相交流)】 平成27年度 A問題7
以下の記述で、誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
(1)直流電圧源と抵抗器、コンデンサが直列に接続された回路のコンデンサには、定常状態では電流が流れない。
(2)直流電圧源と抵抗器、コイルが直列に接続された回路のコイルの両端の電位差は、定常状態では零である。
(3)電線の抵抗値は、長さに比例し、断面積に反比例する。
(4)並列に接続した二つの抵抗器R1、R2を一つの抵抗器に置き換えて考えると、合成抵抗の値はR1、R2の抵抗値の逆数の和である。
(5)並列に接続した二つのコンデンサC1、C2を一つのコンデンサに置き換えて考えると、合成静電容量はC1、C2の静電容量の和である。
ポイント解説:並列抵抗の合成は「逆数の和の逆数」
選択肢を一つずつ確認します。直流の定常状態では、コンデンサは開放(電流0)、コイルは短絡(電圧降下0)になります。電線抵抗はR=ρL/Aで、長さに比例・断面積に反比例します。
並列抵抗の合成は1/R=1/R1+1/R2、つまりR=1/(1/R1+1/R2)(逆数の和の逆数)。「逆数の和」そのものは合成コンダクタンスであって合成抵抗ではありません。並列コンデンサの合成はC=C1+C2(和)で正しい。
問題の解説
STEP1 (1)(2)(3)を確認する
(1)直流定常でコンデンサは開放→電流0:正しい。(2)直流定常でコイルは短絡→両端電圧0:正しい。(3)電線抵抗R=ρL/A、長さに比例・断面積に反比例:正しい。
STEP2 (4)を確認する
並列抵抗の合成抵抗はR=1/(1/R1+1/R2)(逆数の和の逆数)。「逆数の和」は合成コンダクタンス(1/R)であって合成抵抗ではない。よって(4)は誤り。
STEP3 (5)を確認して答えを決める
並列コンデンサの合成静電容量はC=C1+C2(和):正しい。したがって誤りは(4)で、答えは(4)です。
答え:(4)(並列抵抗の合成は逆数の和の逆数)
💡 覚え方
直流定常:コンデンサ開放・コイル短絡。並列抵抗=1/(1/R1+1/R2)(逆数の和の逆数)。並列コンデンサ=和。
⚠️ よくある間違い
「逆数の和」は合成抵抗ではなく合成コンダクタンス。並列は抵抗が「逆数の和の逆数」・コンデンサが「和」で公式が入れ替わる点に注意。
まとめ
| (1)(2) | 定常でC開放・L短絡→正しい |
| (3) | R=ρL/A→正しい |
| (4) | 並列R=逆数の和→誤り |
| 答え | (4) |
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