今回は平成24年度 機械科目 B問題18を解説します。情報29(令和5年度上期B問題18)と設問文・図・選択肢がすべて同一の問題で、本問(平成24年度)が出題年度としては古く、情報29はその再出題にあたります。マイクロプロセッサのサイクルタイムを求める(a)と動作周波数を求める(b)の問題です。
解き方は情報29と全く同じです。(a)はT=1/fの関係式、(b)はCPI×T=1命令当たりの平均実行時間からTを逆算し、その逆数として動作周波数を求めます。
ほぼ同じ問題が 【機械】令和5年度上期B問題18 でも出題されています。出題パターンが固定なので、セットで解けば確実な得点源になります。
平成24年度 機械科目 B問題18:問題文と選択肢
まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「平成24年度 第三種電気主任技術者試験」機械科目 B問題18
電験3種 機械科目 【情報】 平成24年度 B問題18
図は,マイクロプロセッサの動作クロックを示す。マイクロプロセッサは動作クロックと呼ばれるパルス信号に同期して処理を行う。また,マイクロプロセッサが1命令当たりに使用する平均クロック数をCPIと呼ぶ。1クロックの周期T[s]をサイクルタイム,1秒当たりの動作クロック数fを動作周波数と呼ぶ。次の(a)及び(b)の問に答えよ。
(a) 2.5〔GHz〕の動作クロックを使用するマイクロプロセッサのサイクルタイムの値[ns]として,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
(b) CPI=4のマイクロプロセッサにおいて,1命令当たりの平均実行時間が0.02〔μs〕であった。このマイクロプロセッサの動作周波数の値[MHz]として,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
(1)0.0004 (2)0.25 (3)0.4 (4)250 (5)400〔ns〕
(1)0.0125 (2)0.2 (3)12.5 (4)200 (5)12500〔MHz〕

出題のポイント:関係式は2本だけ
マイクロプロセッサの性能計算——覚える式は2本だけです。それを組み合わせれば、(a)(b)とも解けます。
| 記号 | 意味 | 単位 |
| f | 動作周波数(1秒あたりのクロック数) | Hz |
| T | サイクルタイム(1クロックの周期) | s |
| CPI | 1命令あたりの平均クロック数 | —(無次元) |
T と f は逆数の関係——周期と周波数の関係そのものです。電気の分野で使い慣れた関係が、そのまま出てきます。


(a) サイクルタイムを求める
2.5 GHz=2.5×109 Hz
★1 ns=10-9 s
⚠️ よくある間違い
(4) 250 や (5) 400は単位の桁を取り違えたもの。0.4 ns=400 ps——ps(ピコ秒)なら400 ですが、問われているのは ns です。
(1) 0.0004 は µs での値——0.4 ns=0.0004 µs になります。単位の接頭語をそろえるのが最大の注意点です。
(b) 動作周波数を逆算する
1命令の平均実行時間
★CPI で割る
—
108÷106=100

⚠️ よくある間違い
CPI で掛けてしまうのが典型的な誤り——0.02 µs×4=0.08 µs とすると、f=12.5 MHz になり選択肢(3)に着地します。
1命令に4クロック使うのだから、1クロックは平均実行時間より短い——割るのが正しいと分かります。
(5) 12500 MHz は逆に掛けたうえで桁も違えた場合。常識的に考えて12.5 GHz は速すぎる——桁の見当も検算に使えます。
MIPS という性能指標
プロセッサの性能を表す指標には、動作周波数のほかにMIPS があります。1秒間に何百万命令を実行できるかを表す値です。
| 指標 | 意味 | 限界 |
| 動作周波数 | クロックの速さ | ★CPI が違えば比べられない |
| MIPS | 命令実行の速さ | 命令の中身が違えば比べられない |
| 実際の処理時間 | 仕事の速さ | 最も実態に近い |
周波数が高くてもCPI が大きければ遅い——だから周波数だけでは性能を比べられません。「クロック数が同じでも、1命令に何クロック使うか」で実力が変わるのです。
MIPS にも弱点があります。簡単な命令ばかり実行すれば数字は大きくなる——プロセッサの設計思想が違うと比較にならないのです。
だから実際のベンチマークでは、決まったプログラムの実行時間で比べます——「同じ仕事をどれだけ速く終えるか」が最も公平な尺度になります。
⏱️ 本番での進め方
① T=1/f。GHz の逆数は ns 台。
②(a) 1/2.5 GHz=0.4 ns。単位の接頭語に注意。
③(b) T=平均実行時間÷CPI=0.02 µs÷4=5 ns。
④ f=1/5 ns=200 MHz。★CPI は割る、掛けない。
💡 覚え方
「T=1/f、平均実行時間=CPI×T」——この2本だけ。そして「1クロックは1命令より短い」——CPI で割るのが正しい向きです。
本問は令和5年度上期 B問題18と設問文・図・選択肢がすべて同一です(情報:マイクロプロセッサのサイクルタイムと動作周波数)。11年ぶりの完全再出題でした。

マイクロプロセッサの基本構成
クロックに同期して動く——これがマイクロプロセッサの基本です。内部の構成も押さえておきましょう。
| 部分 | 役割 |
| 演算装置(ALU) | 加減算や論理演算を行う |
| 制御装置 | ★命令を解読して各部に指示する |
| レジスタ | 演算に使う値を一時的に保持 |
| クロック発生回路 | 動作の歩調をそろえる |
クロックが「全体の指揮者」——各部がばらばらに動かないよう、同じ拍子で動かすのです。だからクロックが速いほど処理も速くなるのが基本になります。
ただし速くすれば発熱が増えます——だから近年は周波数を上げるより、コアを増やす方向へ進みました。1つを速くするのではなく、同時に複数を動かすという考え方です。
まとめ
| (a) T=1/f | 0.4 ns |
| (b) T(逆算) | 5×10⁻⁹ s |
| (b) f=1/T | 200 MHz |
| 答え | (a)-(3),(b)-(4) |
▼あわせて解きたい関連問題
・マイクロプロセッサのサイクルタイムと動作周波数(令和5年度上期の再出題):【機械】令和5年度上期B問題18
・フローチャート(JIS記号)のループ処理をトレース:【機械】令和5年度上期A問題14

コメント