情報43【電験3種 機械】記憶装置ROM・RAMの分類(マスクROM・EEPROM・SRAM・DRAM)!平成20年度 A問題14 完全解説

電験3種 機械科目 情報 平成20年度 A問題14 消えるメモリと消えないメモリ!ROMとRAMの違い

今回は平成20年度 機械科目 A問題14を解説します。読み取り専用のROMと読み書き可能なRAMについて、製造過程で書き込むROM、電気的に書き込み・消去できるROM、フリップフロップでデータを保持するRAM、リフレッシュが必要なRAMという4種類の記憶装置の名称を問う穴埋め問題です。★情報44(b)(平成27年度B問題18)と非常に近いテーマ(ROM/RAM/EPROM/EEPROM/DRAM/SRAM)を扱う姉妹的な問題です。

製造時にデータを書き込み消去も再書き込みもできないのがマスクROM、電気的に消去・再書き込みができるのがEEPROM、フリップフロップで保持しリフレッシュ不要なのがスタティックRAM(SRAM)、コンデンサの電荷でデータを保持しリフレッシュが必要なのがダイナミックRAM(DRAM)という対応を順に当てはめます。

目次

平成20年度 機械科目 A問題14:問題文と選択肢

まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

電験3種 機械科目 情報 平成20年度 A問題14 問題文
平成20年度 機械科目 A問題14 問題文

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「平成20年度 第三種電気主任技術者試験」機械科目 A問題14

電験3種 機械科目 【情報】 平成20年度 A問題14

 記憶装置には,読み取り専用として作られたROM※1と読み書きができるRAM※2がある。ROMには,製造過程においてデータを書き込んでしまう(ア)ROM,電気的にデータの書き込みと消去ができる(イ)ROMなどがある。また,RAMには,電源を切らない限りフリップフロップ回路などでデータを保持する(ウ)RAMと,データを保持するために一定時間内にデータを再書き込みする必要のある(エ)RAMがある。

 上記の記述中の空白箇所(ア),(イ),(ウ)及び(エ)に当てはまる語句として,正しいものを組み合わせたのは次のうちどれか。(注)※1の「ROM」は,「Read Only Memory」の略,※2の「RAM」は,「Random Access Memory」の略,※3の「EEP」は,「Electrically Erasable and Programmable」の略及び※4の「EP」は,「Erasable Programmable」の略である。

(ア)(イ)(ウ)(エ)
(1)マスクEEP※3ダイナミックスタティック
(2)マスクEEPスタティックダイナミック
(3)マスクEP※4ダイナミックスタティック
(4)プログラマブルEPスタティックダイナミック
(5)プログラマブルEEPダイナミックスタティック

出題のポイント:4つの空欄を1つずつ確定する

本問は語句の穴埋め——1つずつ確定すれば、選択肢が次々に消えていきます

空欄問題文の手がかり答え
(ア)製造過程で書き込んでしまう★マスク
(イ)電気的に書き込みと消去ができる★EEP
(ウ)フリップフロップで保持★スタティック
(エ)一定時間内に再書き込みが必要★ダイナミック

(ア)の「マスク」は、半導体を作るときの型(マスク)のこと——回路の配線そのものでデータを表すので、後から変えようがありませんその代わり大量生産すれば非常に安価です。

(イ)は EP か EEP かが分かれ目——先頭のE がもう1つ付くと「Electrically(電気的に)」EPROM は紫外線で消すので、「電気的に消去」と書かれた本問はEEP が正解です。

(ウ)(エ)は「フリップフロップ」と「再書き込み」で判別——フリップフロップは電源がある限り状態を保つのでスタティック(静的)放っておくと消えるほうがダイナミック(動的)です。

半導体メモリをROMとRAMに分け、マスクROM、EEPROM、SRAM、DRAMへ分類した図
SRAMはリフレッシュ不要、DRAMはリフレッシュ必要です。
空欄アからエの文章をマスクROM、EEPROM、SRAM、DRAMへ対応させる図
マスク、EEP、スタティック、ダイナミックの組合せは選択肢(2)です。
答え正解は (2)——(ア)マスク (イ)EEP (ウ)スタティック (エ)ダイナミック です。

ROM の4世代を並べて見る

ROM は「書き込みと消去がどこまでできるか」で発展してきました——順に並べると流れが見えます

名称書き込み消去特徴
マスクROM★製造時のみ不可大量生産で最も安価
PROM1回だけ不可ヒューズを焼き切る
EPROM★紫外線(全消去)窓付きパッケージ
EEPROM★電気的(部分消去も可)装置に付けたまま書換え
フラッシュメモリ電気的(ブロック単位)大容量・USBメモリやSSD

EPROM は窓から紫外線を当てて消すので、装置から外す必要がありますEEPROM なら基板に載せたまま書き換えられる——これが大きな進歩でした。

フラッシュメモリはEEPROM の一種——まとまった単位で一気に消すことで、構造を簡単にして大容量化したものです。「フラッシュ(閃光)」の名は、一括消去の速さからきています。

SRAM とDRAM のちがい

(ウ)(エ)で問われた2種類のRAM——記憶のしかたが根本的に違います

SRAM(スタティック)DRAM(ダイナミック)
記憶素子★フリップフロップ★コンデンサ
トランジスタ数1ビットに6個1ビットに1個+コンデンサ
リフレッシュ不要★必要
速さ速いやや遅い
集積度・価格低い・高価高い・安価
主な用途キャッシュメモリ主記憶(メインメモリ)

DRAM はコンデンサに電荷を貯めて1 と0 を表します——ところが電荷は漏れて減っていくだから一定時間ごとに読み出して書き直す必要があるのです。これがリフレッシュです。

部品が少ないぶん、同じ面積にたくさん詰め込める——だから安く大容量パソコンのメモリはすべてDRAM です。

SRAM はフリップフロップなので、電源がある限り消えません——速いがトランジスタを6個も使うので高価。だからCPU内部の小容量なキャッシュに限って使われます

どちらも電源を切れば消える揮発性メモリ——ROM が不揮発性なのと対照的です。「電源を切っても残るか」で大きく2つに分かれると押さえてください。

⚠️ よくある間違い
(ウ)と(エ)を逆にしてしまうのが最も多い誤り——選択肢5つのうち3つがこの入れ替えです。
「スタティック=静的=そのまま動かない」——だからリフレッシュ不要「ダイナミック=動的=放っておくと変わってしまう」——だからリフレッシュが要る
この言葉の意味から結び付けると間違えません。

⏱️ 本番での進め方
①(ア)「製造過程で書き込む」=マスクROM。
②(イ)「電気的に消去」=EEPROM。紫外線消去ならEPROM。
③(ウ)フリップフロップ=スタティック(SRAM)。
④(エ)再書き込みが必要=ダイナミック(DRAM)。

💡 覚え方
「スタティックは静止、ダイナミックは動く」——動く(消えていく)から書き直しが要るE が2つのEEPROM は電気的(Electrically)に消せる——E の数で覚えられます

ほぼ同じ知識が平成27年度 B問題18でも問われています(情報:コンピュータの5大装置とICメモリ)。セットで解いておくと確実です。

マスクROM、EEPROM、SRAM、DRAMの分類と特徴とリフレッシュ要否の比較表
製造時書込みはマスクROM、電気的消去はEEPROM、フリップフロップはSRAM、コンデンサはDRAMです。

記憶装置を階層で捉える

コンピュータの記憶装置は、速さと容量のつり合いで階層をなしています——本問のSRAM とDRAM が、その中でどこに位置するかを見ておきましょう。

階層使う素子容量速さ
レジスタフリップフロップ数十バイト★最速
キャッシュSRAM数MB速い
主記憶DRAM数GB中くらい
補助記憶フラッシュメモリ、磁気ディスク数百GB〜★遅い

上へ行くほど速く小さく高価、下へ行くほど遅く大きく安価——1種類ですべてをまかなえないので階層にしているのです。

よく使うデータを上の階層に置いておくことで、全体としては「速くて大きい」ように見せかけている——これがキャッシュの考え方です。

本問の(ウ)スタティックRAM はキャッシュ、(エ)ダイナミックRAM は主記憶——役割の違いが、そのまま素子の違いになっています「なぜ2種類あるのか」が分かれば、名前も混同しません

不揮発性という軸

もう1つの分け方が「電源を切っても残るか」——ROM とフラッシュメモリは残り、RAM は消えます

だからプログラムの起動用コードはROM に、作業中のデータはRAM に——電源を入れた瞬間に動き出せるのはROM のおかげです。

まとめ

(ア)マスクROM
(イ)EEPROM
(ウ)スタティックRAM(SRAM)
(エ)ダイナミックRAM(DRAM)
答え(2)

▼あわせて解きたい関連問題
・電子機械の構成と基礎技術(アナログ・ディジタル信号とA-D・D-A変換器):【機械】令和4年度上期A問題14
・コンピュータの5大装置とICメモリの正誤判定:【機械】平成27年度B問題18

📚 次に解くべき関連問題
【機械】平成27年度B問題18(情報44)
【機械】平成24年度B問題18(情報30)
【機械】令和2年度B問題18(情報36)
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