今回は令和5年度上期 機械科目 A問題14を解説します。情報31(平成26年度A問題14)と数値・ロジックが完全に同一の問題で、フローチャートの描画記号だけが現代的なJIS流れ図記号に更新されています。印字されるA,Bの値を求める問題です。
解き方は情報31と全く同じです。A←10,B←2からスタートし、A←A+Bで更新した後にA≦40かどうかを判定し、YESならB←B²+1としてループを繰り返す流れを表形式でトレースします。
ほぼ同じ問題が 【機械】平成26年度A問題14 でも出題されています。出題パターンが固定なので、セットで解けば確実な得点源になります。
令和5年度上期 機械科目 A問題14:問題文と選択肢
まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「令和5年度上期 第三種電気主任技術者試験」機械科目 A問題14
電験3種 機械科目 【情報】 令和5年度上期 A問題14
次のフローチャートに従って作成したプログラムを実行したとき,印字されるA,Bの値として,正しい組合せを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
A B (1) 43 288 (2) 43 677 (3) 43 26 (4) 720 26 (5) 720 677

出題のポイント:表を作って1周ずつ追う
フローチャートの問題は、頭の中で追わずに表を書く——これが確実で速い方法です。1周ごとにA と B の値を記録していきます。
本問の流れは「A←A+B」→「A≦40 か判定」→「YES なら B←B2+1 して戻る」——判定がA の更新後にある点に注意してください。
| 周回 | A←A+B | A≦40 ? | B←B2+1 |
| 開始 | A=10 | — | B=2 |
| 1周目 | 10+2=12 | YES | 22+1=5 |
| 2周目 | 12+5=17 | YES | 52+1=26 |
| 3周目 | 17+26=43 | ★NO | 更新されない |
3周目でA=43 になり、43>40 なのでループを抜けます。このときB は更新されないまま26——ここが最大のポイントです。



⚠️ よくある間違い
(2)の B=677 は、もう1回B を更新してしまった値です(262+1=677)。判定がNO ならB の処理は通らない——流れ図の分岐がどこにあるかを正確に読む必要があります。
(4)(5)の A=720 は、さらに1周してしまった場合。43+677=720 という数字が出てきます。
「どこで抜けるか」を間違えると、AもBも連鎖して外れる——1周ごとに表へ記録するのが最も確実です。
流れ図の記号を読む
フローチャートで使われる記号は JIS で定められています。形を見れば何をする箱か分かる——これが読みやすさの理由です。
| 記号の形 | 意味 | 本問での例 |
| 角の丸い長方形 | 開始・終了(端子) | START、END |
| 長方形 | 処理 | A←A+B、B←B2+1 |
| ひし形 | ★判断(分岐) | A≦40 ? |
| 平行四辺形 | 入出力 | A、B を印字 |
ひし形からは必ず2本以上の線が出ます——YES と NO の分かれ道。どちらがループに戻るのかを確認するのが、この手の問題の第一歩です。
「←」は代入を表します。数学の等号ではなく「右辺を計算して左辺に入れる」——だから A←A+B のような、等式としては変な形が成り立つのです。
判定の位置で結果が変わる
本問は「処理してから判定」という形です。判定を先にする形とは、実行回数が変わります。
| 形 | 順序 | 最低実行回数 | 呼び方 |
| 後判定 | ★処理 →判定 | 1回は必ず実行 | do-while 型 |
| 前判定 | 判定 →処理 | 0回のこともある | while 型 |
後判定なら、条件を満たさなくても1回は処理が実行されます——本問のA←A+B がそれ。最後の周でもA は更新され、43 になってから抜けているのです。
一方 B の更新は判定のYES 側にあるので、抜ける周では実行されません——A と B で扱いが違うのが本問の面白いところです。
⏱️ 本番での進め方
① 表を書いて1周ずつ記録する。頭の中で追わない。
② A:10→12→17→43。B:2→5→26。
③★43>40 で抜けるので、そのときB は更新されない。
④ B=677 はもう1回更新した誤答。
💡 覚え方
「抜ける周では、判定より後ろの処理は実行されない」——フローチャート問題の核心。表を書けば必ず正解できます。
本問は平成26年度 A問題14と数値・ロジックが完全に同一です(情報:フローチャートのトレース)。流れ図の記号だけが現代的なJIS記号に更新されています。

フローチャート問題の型を知る
電験3種で出るフローチャート問題は、いくつかの型に分けられます。型が分かれば、どこに注意すべきかも見えてきます。
| 型 | 問われること | 注意点 |
| ループのトレース | ★終了時の変数の値 | どこで抜けるか |
| 繰り返し回数 | 何周したか | 初期値と増分 |
| アルゴリズムの意味 | 何を計算する処理か | 総和・最大値・並べ替えなど |
本問は1つめの型——最も出題が多い形です。表を作って追えば必ず解けるので、落としたくない設問になります。
よくある処理の意味
フローチャートが何を計算しているのかを見抜く——これができると検算にも使えます。
| 処理 | 意味 |
| S←S+X を繰り返す | 合計を求める |
| S←S×X を繰り返す | 積(階乗など)を求める |
| もし X>M なら M←X | ★最大値を探す |
| N←N+1 を繰り返す | 個数を数える |
本問は「A に B を足し、B は2乗して1 を足す」——B が急激に大きくなるので、ループはすぐ終わる と見当がつきます。
2、5、26 と増えていく——次は677 で、A に足せば一気に40 を超える。だから3周で終わると予想できるのです。
プログラムと制御の接点
フローチャートは、シーケンス制御の設計にも使われます——PLC のプログラムを考えるとき、まず流れ図で整理するのが普通です。
| フローチャート | ラダー図 | |
| 表すもの | ★処理の順序と分岐 | 接点とコイルの論理 |
| 得意なこと | 手順の設計 | 同時に動く回路の表現 |
| 使う場面 | 設計の初期 | 実装 |
「まずフローチャートで手順を固め、ラダー図に落とす」——これが実務の流れです。本問のようなトレース練習は、その第一歩にあたります。
変数の値を1行ずつ追うという作業は、プログラムの動作確認そのもの——試験の技術がそのまま実務につながる数少ない例だと言えます。
まとめ
| 初期値 | A=10,B=2 |
| 1周目 | A=12,B=5 |
| 2周目 | A=17,B=26 |
| 3周目(脱出) | A=43 |
| 答え | (3) A=43,B=26 |
▼あわせて解きたい関連問題
・フローチャート(旧式記号)のループ処理をトレース:【機械】平成26年度A問題14
・n個の配列を降順に並べ替えるフローチャートと交換回数:【機械】令和2年度B問題18

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