今回は平成25年度 機械科目 A問題14を解説します。情報16(令和7年度上期A問題14)・情報17(令和6年度下期A問題14)と論理式・正解が完全に一致する問題で、書籍内では本問(平成25年度)が最も古い出典にあたります。論理式X=A・C+B・C̄の論理回路に入力A,B,Cを加えたときの出力Xの波形を選びます。
論理回路をX=A・C+B・C̄という式に変換すると、Cが1のときはAの信号だけがXに現れ、Cが0のときはBの信号だけがXに現れるという関係になります。この性質を使えば波形を素早く判定できます。
平成25年度 機械科目 A問題14:問題文と選択肢
まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「平成25年度 第三種電気主任技術者試験」機械科目 A問題14
電験3種 機械科目 【情報】 平成25年度 A問題14
図の論理回路に,図に示す入力A,B及びCを加えたとき,出力Xとして正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
入力A,B,Cの矩形波タイムチャートが問題図として与えられている。論理式X=A・C+B・C̄より,Cが1の区間はAがそのままXに、Cが0の区間はBがそのままXに現れる。
出力Xの波形選択肢(1)〜(5)は矩形波タイムチャート(画像参照)。

出題のポイント:C が「切り替えスイッチ」になっている
論理式は X=A·C+B·C̄——この形には、はっきりした意味があります。C が A と B を選ぶスイッチになっているのです。
| C の値 | A·C | B·C̄ | X |
| 1 | A がそのまま | 0(C̄=0) | ★X=A |
| 0 | 0(C=0) | B がそのまま | ★X=B |
C=1 の区間ではA の波形がそのままX に現れ、C=0 の区間ではB の波形が現れる——これが分かれば波形は一瞬で判定できます。
1つずつ真理値表を作る必要はありません。C の波形を見て、区間ごとにA かB かを選ぶだけ——「切り貼り」の作業になります。



この回路はマルチプレクサ
X=A·C+B·C̄ という回路は、マルチプレクサ(データセレクタ)と呼ばれます。複数の入力から1つを選んで出力する回路です。
| マルチプレクサ | デマルチプレクサ | |
| 働き | ★多数の入力から1つ選ぶ | 1つの入力を多数へ振り分ける |
| 選択信号 | C(本問) | 同様 |
| 用途 | 複数の信号を1本の線で送る | 受け側で元に戻す |
選択信号が1本なら2入力、2本なら4入力、n本なら2n入力——から1つを選べます。本問は最も簡単な2入力1出力の形です。
マルチプレクサは通信で活躍します。複数の信号を時間をずらして1本の線に載せる——時分割多重(TDM)と呼ばれる方式です。
受け側では、同じタイミングでデマルチプレクサが振り分ける——だから1本の回線で何本分もの通信ができるのです。電話や通信の基本技術になっています。
波形問題を素早く解くコツ
タイムチャートの問題は、全区間を追う必要はありません。選択肢が分かれている区間だけを見るのが効率的です。
| 手順 | やること | 効果 |
| ① | 論理式を作る | 回路を毎回追わずに済む |
| ② | 選択肢どうしで違う区間を探す | ★見るべき場所が絞れる |
| ③ | その区間だけ値を計算 | 1〜2箇所で決まる |
5つの選択肢がすべて同じ形をしている区間は、見ても意味がありません——違いのある区間にだけ注目してください。
本問なら「C が切り替わる前後」が要注意です。そこでX がA からB へ(またはその逆へ)乗り換える——選択肢の違いが出やすい場所になります。
⚠️ よくある間違い
C̄ を取り違えて「C=0 のときA」としてしまうのが典型的な誤りです。A に掛かっているのはC、B に掛かっているのはC̄——式をよく見れば分かります。
迷ったら1点だけ検算——C=1 の区間でA=1 なら、X も1 のはず。その1点が合っていない選択肢は落とせます。
⏱️ 本番での進め方
① X=A·C+B·C̄ を導く。
②★C=1 ならX=A、C=0 ならX=B。
③ C の波形を見て、区間ごとにA かB を写す。
④ 選択肢が分かれている区間だけ確認すればよい。
💡 覚え方
「A·C+B·C̄ は C で選ぶスイッチ」——マルチプレクサの形。C が1 ならA、0 ならB——波形を切り貼りするだけで答えが出ます。
本問と論理式・正解が完全に一致する問題が令和7年度上期と令和6年度下期にあります(令和7年度上期A問題14/令和6年度下期A問題14)。3年度にわたる頻出テーマです。

論理回路から式を読み取る手順
回路図が与えられたときは、入力側から順に信号を追う——ゲートの出口ごとに式を書き込んでいくのがコツです。
| 段階 | やること | 本問での例 |
| ① | NOT の出口に否定を書く | C̄ |
| ② | AND の出口に積を書く | A·C、B·C̄ |
| ③ | OR の出口に和を書く | A·C+B·C̄ |
図の上に直接書き込むのが確実です。頭の中でつなごうとすると、どこかで取り違えます——手を動かすほうが速く、間違えません。
タイムチャートを読むときの注意
波形の問題では、時間軸のどこを見るかが勝負です。いくつか注意点を挙げておきます。
| 注意点 | 内容 |
| 切り替わりの瞬間 | ★C が変わる時刻で X も乗り換える |
| 同時に変化する場合 | A と C が同時に変わる区間に注意 |
| 変化しない区間 | 選択肢が同じなら見なくてよい |
C が切り替わる瞬間に、X の元になる信号がA からB へ乗り換えます——その前後でX が飛ぶこともあるので、選択肢の違いが最も出やすい場所です。
実際の回路では、この乗り換えの瞬間に一瞬だけ誤った出力が出ることがあります。ハザード(ひげ)と呼ばれる現象——ゲートごとの遅れ時間が違うために起こります。
試験では理想的なゲート(遅れなし)として扱いますが、実機ではこのハザード対策が必要になります。冗長な項をあえて残して防ぐ——「簡単化しすぎない」ほうがよい場合もあるのです。
同じ論理式が3年度で出題されている
X=A·C+B·C̄ という論理式は、電験3種で繰り返し登場しています。それだけ基本的で重要な形だということです。
| 年度 | 問われ方 |
| 平成25年度(本問) | 波形を選ぶ |
| 令和6年度下期 | 同じ論理式・同じ正解 |
| 令和7年度上期 | 同じ論理式・同じ正解 |
10年以上にわたって同じ問題が出ている——過去問を解いておく価値が、これ以上ないほどはっきり分かる例です。
覚えるべきは「C が選択スイッチ」という意味——それさえ押さえていれば、波形でも真理値表でも即答できます。
まとめ
| 論理式 | X=A・C+B・C̄ |
| Cが1の区間 | X=Aをなぞる |
| Cが0の区間 | X=Bをなぞる |
| 答え | (3) |
▼あわせて解きたい関連問題
・論理回路とタイムチャートから出力波形を選ぶ(令和7年度上期):【機械】令和7年度上期A問題14
・論理回路とタイムチャートから出力波形を選ぶ(令和6年度下期):【機械】令和6年度下期A問題14

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