今回は平成30年度 機械科目 A問題14を解説します。排他的論理和(EX-OR)を構成する部分と排他的否定論理和(EX-NOR)を構成する部分を含む論理回路について、出力Zの真理値表を選ぶ問題です。
まず中間出力DをD=Ā・B+A・B̄(EX-OR)とおき、次にDとCのEX-NORとしてZ=D・C+D̄・C̄を求めて展開すると、Z=Ā・B・C+A・B̄・C+A・B・C̄+Ā・B̄・C̄という4項の式が得られます。
平成30年度 機械科目 A問題14:問題文と選択肢
まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「平成30年度 第三種電気主任技術者試験」機械科目 A問題14
電験3種 機械科目 【情報】 平成30年度 A問題14
図のように,入力信号A,B及びC,出力信号Zの論理回路がある。この論理回路には排他的論理和(EX-OR)を構成する部分と排他的否定論理和(EX-NOR)を構成する部分が含まれている。この論理回路の真理値表として,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
A,B,C (1) (2) (3) (4) (5) 000 1 0 0 1 1 001 0 1 0 0 0 010 0 1 0 1 1 011 1 0 0 0 1 100 0 1 0 1 1 101 1 0 0 0 1 110 1 0 1 0 1 111 0 1 0 1 1

出題のポイント:中間出力に名前を付ける
回路が2段になっているとき、中間の信号に文字を置く——これで見通しが一気によくなります。
前段のEX-OR の出力を D とおきましょう。D=A⊕B——A と B が異なるとき1 です。
後段はD と C のEX-NOR——Z=D と C が一致するとき1。この2段だけ押さえれば、真理値表が作れます。
| A | B | D=A⊕B | C | Z(D と C が一致) |
| 0 | 0 | 0 | 0 | ★1 |
| 0 | 0 | 0 | 1 | 0 |
| 0 | 1 | 1 | 0 | 0 |
| 0 | 1 | 1 | 1 | ★1 |
| 1 | 0 | 1 | 0 | 0 |
| 1 | 0 | 1 | 1 | ★1 |
| 1 | 1 | 0 | 0 | ★1 |
| 1 | 1 | 0 | 1 | 0 |
Z の並びは 1、0、0、1、0、1、1、0——これと一致する選択肢を選ぶだけです。



この回路が表しているもの
Z=(A⊕B)⊙C——じつは分かりやすい意味があります。1 の個数を数えているのです。
| A、B、C のうち1 の個数 | 該当する行 | Z |
| 0個 | 000 | ★1 |
| 1個 | 001、010、100 | 0 |
| 2個 | 011、101、110 | ★1 |
| 3個 | 111 | 0 |
1 の個数が偶数のときZ=1、奇数のときZ=0——これは偶数パリティ判定回路です。
3入力のExOR を取ると「1 の個数が奇数なら1」——その否定が本問のZ になります。(A⊕B)⊙C=(A⊕B⊕C)‾ という関係です。
★1 の個数が偶数なら1
パリティは、データの誤りを検出する最も簡単な方法です。送信側で1 の個数が偶数になるようパリティビットを付け、受信側で確かめる——1ビット誤れば偶奇が変わるので検出できます。
ただし2ビット同時に誤ると検出できません——偶奇が元に戻ってしまうから。簡単だが万能ではない——だからより強力な誤り検出符号が使われることもあるのです。
⚠️ よくある間違い
(3)はほとんど0、(5)はほとんど1——1行でも合わなければ落とせます。まずA=B=C=0 の行だけ計算するのが速い進め方——D=0、C=0 なので一致してZ=1。これで(2)(3)が落ちます。
次にA=0、B=0、C=1 を見るとD=0、C=1 で不一致だからZ=0——(4)(5)も落ちて(1)が残ります。2行だけで決まるのです。
⏱️ 本番での進め方
① 中間出力に D と名前を付ける。D=A⊕B。
② Z=D と C のEX-NOR=一致すれば1。
③ 8行を機械的に埋める。並びは1,0,0,1,0,1,1,0。
④ 急ぐなら最初の2行だけで4肢が落ちる。
💡 覚え方
「EX-OR は異なるとき1、EX-NOR は一致するとき1」——そして3入力なら1 の個数の偶奇。本問は偶数パリティ判定回路だと分かれば、意味も見えてきます。

EX-OR と EX-NOR の性質
本問で使われた2つの演算——性質を整理しておくと応用が利きます。
| EX-OR(⊕) | EX-NOR(⊙) | |
| 1 になる条件 | 入力が異なる | ★入力が一致する |
| 別名 | 不一致回路 | 一致回路 |
| 3入力なら | 1 の個数が奇数で1 | 1 の個数が偶数で1 |
| 用途 | 加算器、パリティ生成 | 比較回路、パリティ検査 |
EX-NOR は「一致回路」——2つの値が同じかどうかを判定できるのです。複数ビットの比較なら、桁ごとにEX-NOR を取ってすべてANDする——これで「全桁一致」が判定できます。
本問の回路は、2段でこれを実現しています。まずA と B の不一致を見て、その結果とC が一致するかを見る——結果として1 の個数の偶奇を判定していることになります。
パリティチェックの実際
パリティは、通信やメモリの誤り検出に使われます。1ビット付け足すだけという手軽さが利点です。
| 方式 | ルール | 検出できる誤り |
| 偶数パリティ | 1 の個数が偶数になるよう付加 | 奇数個の誤り |
| 奇数パリティ | 1 の個数が奇数になるよう付加 | 奇数個の誤り |
どちらも検出できるのは奇数個の誤りだけ——2ビット同時に誤ると偶奇が戻ってしまうからです。訂正はできず、検出だけという点も押さえておきましょう。
誤りを訂正までしたいなら、ハミング符号などが使われます——付加するビットを増やせば、どこが誤ったかまで特定できるのです。「検出だけなら1ビット、訂正までなら複数ビット」という関係になります。
2行だけで答えが決まる
8行すべてを埋める必要はありません——選択肢が分かれる行だけ計算すれば十分です。
| 確認する行 | D=A⊕B | Z | 落とせる肢 |
| A=B=C=0 | 0 | ★1(一致) | 0 の肢 |
| A=0、B=0、C=1 | 0 | ★0(不一致) | 1 の肢 |
最初の2行だけで4つの選択肢が落ちる——残った1つが答えです。時間のない本番では、この進め方が効きます。
ただし念のため、もう1行だけ確かめると安心でしょう。A=1、B=1、C=0 ならD=0、C=0 で一致してZ=1——選んだ選択肢と合っていれば確定です。
EX-OR とEX-NOR は裏返しの関係
本問に出てくる2つのゲート——出力がちょうど反対になります。
| A | B | A⊕B(EX-OR) | EX-NOR |
| 0 | 0 | 0 | ★1 |
| 0 | 1 | ★1 | 0 |
| 1 | 0 | ★1 | 0 |
| 1 | 1 | 0 | ★1 |
EX-OR は「異なれば1」、EX-NOR は「同じなら1」——一致検出回路とも呼ばれます。
2つのビット列が同じかどうかを調べるとき——各桁をEX-NOR にかけて、全部1 ならAND で1。比較回路の基本になります。
逆にEX-OR は「違うところを見つける」——パリティチェックや誤り検出に使われます。同じ素子が、見方を変えると別の用途になるのです。
まとめ
| D(EX-OR) | Ā・B+A・B̄ |
| Z(EX-NOR) | D・C+D̄・C̄ |
| Z=1の組合せ | 011,101,110,000 |
| 答え | (1) |
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