今回は平成18年度 機械科目 A問題14を解説します。入力信号A,B及びC、出力信号Xの論理回路の真理値表から、Xの論理式を選ぶ問題です。
X=1となる5パターンの論理積を論理和で結び、(Ā+A)=1などの公式を使って項をまとめていくと、最終的にX=B+A・C̄というシンプルな形に整理できます。
平成18年度 機械科目 A問題14:問題文と選択肢
まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「平成18年度 第三種電気主任技術者試験」機械科目 A問題14
電験3種 機械科目 【情報】 平成18年度 A問題14
入力信号A,B及びC,出力信号Xの論理回路の真理値表が次のように示されたとき,Xの論理式として,正しいのは次のうちどれか。
A B C X 0 0 0 0 0 0 1 0 0 1 0 1 0 1 1 1 1 0 0 1 1 0 1 0 1 1 0 1 1 1 1 1 (1)X = A・C + A・B̄ + Ā・B・C̄
(2)X = A・C + B + Ā・C̄
(3)X = A・C̄ + A・B̄ + B・C̄
(4)X = A・B̄・C + A・B・C̄ + Ā・B・C + Ā・B̄・C̄
(5)X = B + A・C̄
出題のポイント:まず「B が効いている」ことに気づく
真理値表を見ると、B=1 の行は4つとも X=1——「B=1 なら必ずX=1」だと分かります。これで項「B」が確定します。
| A | B | C | X | グループ |
| 0 | 1 | 0 | 1 | B=1 |
| 0 | 1 | 1 | 1 | B=1 |
| 1 | 1 | 0 | 1 | B=1 |
| 1 | 1 | 1 | 1 | B=1 |
| 1 | 0 | 0 | 1 | ★A·C̄ |
残るX=1 の行は A=1、B=0、C=0 の1つだけ——そのまま書けば A·B̄·C̄ です。ただし、もっと簡単にできます。
A·C̄ の行を確かめてみましょう。A=1、C=0 の行は2つ(B=0 と B=1)——どちらもX=1 です。だから B̄ を付けなくても矛盾しません。
★B̄ は不要


論理式を簡単にする
選択肢(4)のように、X=1 の行をすべて書き並べた形もあります。これを主加法標準形と呼びます——正しいが、簡単ではありません。
X=1 の5行をそのまま書いた形
★C̄+C=1
—
★B+B̄·X=B+X
最後の一手が吸収則の応用です。B+B̄·X=B+X——「B でないとき X」という条件は、B が既に足されているなら B̄ が不要になります。
| 法則 | 式 | 使いどころ |
| 同一則 | A+A=A、A·A=A | 同じ項を何度でも使える |
| 補元則 | A+Ā=1、A·Ā=0 | ★変数を消せる |
| 吸収則 | A+A·B=A、A·(A+B)=A | 項をまとめる |
| 分配則 | A·(B+C)=A·B+A·C | くくり出す/展開する |
| ド・モルガン | (A+B)‾=Ā·B̄、(A·B)‾=Ā+B̄ | 否定を分配する |
補元則 A+Ā=1 が最もよく使われます——2つの項が1変数だけ違うとき、その変数を消せるのです。カルノー図で隣り合う2マスを囲むのは、この操作を図でやっていることになります。
カルノー図で確かめる
| C\AB | 00 | 01 | 11 | 10 |
| 0 | 0 | ★1 | ★1 | ★1 |
| 1 | 0 | ★1 | ★1 | 0 |
AB=01 と AB=11 の縦2列(4マス)が1——これは B=1 のグループです。4マスなので変数が2つ消えて B だけが残ります。
もう1つは C=0 の行の AB=11 と AB=10(2マス)——A=1、C=0 のグループ。2マスなので変数が1つ消えて A·C̄ になります。
カルノー図の列が 00→01→11→10 の順なのは、隣り合う列で1変数だけが変わるようにするためです。グレイコードと呼ばれる並べ方——この並びだからこそ「隣り合うマスを囲めば変数が消える」のです。
左端と右端も隣り合っていると考えます(環状)。AB=00 と AB=10 は A だけが違う——だから囲んでよいのです。これを見落とすと、簡単化しきれません。
⚠️ よくある間違い
(4)は主加法標準形——正しそうに見えますが、真理値表と照らすと合いません。4項しかなく、X=1 の5行を表せていないからです。
「項の数がX=1 の行数と合うか」——標準形なら一致するはずです。
(2)は Ā·C̄ の項があるので A=0、B=0、C=0 で1 になりますが、真理値表では0——1行で落とせます。
⏱️ 本番での進め方
① X=1 の行に共通する変数を探す。本問は B=1 の4行。
② 残る行を最も簡単な項で表す。A=1、C=0 →A·C̄。
③ B̄ は不要。B+B̄·X=B+X(吸収則)。
④ 迷ったら X=0 の行で選択肢を落とす。1行で決まる。
💡 覚え方
「ある変数が1 のとき常にX=1 なら、その変数が単独で項になる」——本問の B がまさにそれ。そして「余分な否定は付けない」——付けても正しいが、簡単な形が選択肢になっています。

論理回路の基本ゲート
論理式が書けたら、それを回路にする——基本となるゲートを整理しておきましょう。
| 名称 | 働き | 式 | 覚え方 |
| AND | 両方1 なら1 | A·B | 直列スイッチ |
| OR | どちらか1 なら1 | A+B | 並列スイッチ |
| NOT | 反転 | Ā | b接点 |
| NAND | ANDの否定 | (A·B)‾ | ★万能ゲート |
| NOR | ORの否定 | (A+B)‾ | これも万能 |
| EX-OR | 異なるとき1 | A⊕B | 一致しないと1 |
AND は直列、OR は並列——リレー回路と同じです。シーケンス制御で学んだことが、そのまま論理回路につながります。
EX-OR(排他的論理和)は「一致回路の否定」——2つの入力が違うときだけ1。加算器の桁の計算や、パリティチェックに使われます。
NANDが万能である理由
NAND だけですべての論理が作れる——実際に確かめてみましょう。
| 作りたいもの | NANDでの作り方 |
| NOT | 両入力を同じ信号にする(A NAND A=Ā) |
| AND | NAND の出力をさらにNOT する |
| OR | ★両入力をNOTしてからNAND(ド・モルガン) |
OR を NAND で作れるのはド・モルガンのおかげです。A+B=(Ā·B̄)‾——両方を否定してNANDを取れば、ORになります。
1種類のゲートで済むなら、ICも1種類で足りる——これが集積回路の設計で重宝された理由です。本問の X=B+A·C̄ も、NANDだけで実現できることになります。
まとめ
| 整理途中 | B+A・B̄・C̄ |
| 公式適用後 | B+A・C̄ |
| 答え | (5) |
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